飛騨の山猿マーベリック新聞

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◆<東京新聞社説>ヤジ排除判決 市民から言論を奪うな

2023年06月24日 09時38分21秒 | ●YAMACHANの雑記帳
 安倍晋三首相(当時)の演説中にヤジを飛ばした男女二人を警察が排除したことの是非を問う訴訟で、札幌高裁は一人に「警察は表現の自由を侵害した」と認めた一方、もう一人の訴えは退けた。ヤジも言論だ。市民から政権批判の自由を奪ってはならない。
 「安倍辞めろ」「増税反対」。二〇一九年夏、安倍首相の街頭演説中、二人は声を上げた。北海道警は二人の肩や腕をつかみ、演説場所から移動させて排除した。
 増税に反対したり、首相の辞任を求める声を市民が路上で上げることも、民主主義社会では大事な表現行為だ。特に街頭演説という空間は首相が一般市民と接し得る貴重な場でもあり、市民の言論を奪う行為こそ排除に値する。
 ただ、警察官職務執行法では人の生命・身体に危険を及ぼすなどの場合には危害を受ける恐れのある者を避難させ得ると定める。
 札幌地裁は警察の排除行為について当時撮影された動画を点検しても警職法の要件を満たさず「違法だ」と明言したが、札幌高裁は女性原告については損害賠償を認めたものの、もう一人の男性原告には賠償を認めなかった。
 男性が周囲の人に押されていたことや首相が乗る選挙カーの方向に接近したことを重視し、警職法の要件を満たしたとの判断だ。
 安倍元首相銃撃や岸田文雄首相襲撃などその後の事件を受けて、現場での警察の裁量を、司法が重んじた結果なのかもしれない。
 しかし、表現の自由は民主主義を支える根幹であり、多様な声を政治に反映させねばならない。その原則に照らせば「危害を受ける恐れ」はより慎重にとらえるべきだ。「周囲の人に押された」状況を意図的につくれば、警察がヤジを容易に排除でき得るからだ。
 排除できるのは差し迫った危険が明白な場合に限るべきだ。警職法の適用範囲を広げすぎないよう国会で議論を深める必要がある。
 逆転敗訴となった男性は「声を上げることと暴力は違う」と不服を表明した。札幌高裁前では「これが民主主義か」などと書かれた旗が掲げられた。
 欧米と異なり、日本では政権批判のデモや集会に対し、警察などが過剰に規制しがちだ。今回の判決が政治的言論の萎縮を招くのではと危惧する。市民の声を奪わないために警職法のより適切な運用に努めるよう求めたい。

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