津幡の街角で甦る銀幕の思い出②

「今日の一枚」は、川尻水門近くの津幡川縁にて撮影。
草叢から鳩が飛び立った瞬間である。
鳩にすれば、外敵（僕：りくすけ）からの避難。
僕にすれば、被写体（鳩：野鳥）の単なる飛翔。
互いの立場の違いによって、受取り方は正反対。
…そして、規則正しく翼を動かしながら去ってゆく後姿を見送りながら、
僕はある曲と一本の映画を思い出した。
“飛び立つんだ！今こそ”　-　『Gonna Fly Now』と題された、
ホーンセクションが印象的な主題曲。
1976年に公開された「ロッキー」である。

主人公は、才能をもてあまし、
ギャングの用心棒をしている三流ボクサー「ロッキー・バルボア」。
ひょんなことから無敵の世界チャンビオンの指名を受け、
アメリカン・ドリームを賭けた戦いに挑む物語だ。
もう、そのストーリーは、かなりの方がご存じと思う。
アメリカ建国200周年の年に封切られ、
公開されるや世界的な大ヒットを記録。
アカデミー賞の作品・監督・編集、3部門を受賞。
シナリオを書いて売り込み、主演した無名の俳優
「シルベスター・スタローン」も「ロッキー」と同様に夢と成功を手にした。

黒人チャンプが独占するプロボクシング最高峰、
へヴィ級へ挑戦する白人ボクサーの奮闘。
永年虐げられてきた者同士、黒人移民 VS イタリア移民の末裔。
リッチな黒人 VS 低所得な白人。
華麗なるテクニシャン VS 不器用なブルファイター。
平凡な庶民が努力で天賦の才を凌駕し、貧困から脱却するサクセス。
映画「ロッキー」には、当時のアメリカ社会が抱える問題が内包されている。

判官贔屓。
勧善懲悪。
暑苦しく、汗臭い、昭和のドラマ。
浪花節の面白さがあった。