つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡の音楽発信地と、消えた声の思い出。

2010年10月31日 11時24分52秒 | 追悼。
「今日の一枚」は、津幡中央銀座商店街の電気屋さん…
「まつむら商会」の店頭に掛けられた看板。
ガラス越しに撮影したため、やや反射して見難いが「SOUND Live」とある。
6月24日の投稿「津幡まちの電気屋さん」にて書いたとおり、
僕は、「まつむら商会」の「スカール店」で、よくレコードを買った。
先日、この看板を見て、音源販売部門の名前が「SOUND Live」だと思い出す。

確か、ここで生まれて初めて自分で購入したレコードは、
「海のトリトン」の主題歌を収めたドーナツ盤。
他にも色んな洋楽や歌謡曲のレコードを手に取ったが、
音楽以外に思い入れが強かったのは、ドラマを録音した音源である。
DVDはおろか、ビデオテープすら満足に普及していなかった当時、
映画やアニメ、スポーツ中継などを吹き込んだレコードが売られていた。
レコードに針を落とし、スピーカーから流れてくる音声を聞いて、
頭の中でシーンを思い浮かべる。
それは、映像と直に接するのと比べ、手間がかかりイメージはボヤけてしまうが、
想像力が鍛えられ、深く心に刻まれる楽しみ方だった。

そして、きのう。
レコードを通して、心に深く刻まれた声の持ち主がお亡くなりになった。
声優、俳優、DJとしても活躍した「野沢那智さん」が、
2010年10月30日午後3時36分、
肺がんのため東京都内の病院で死去。 72歳だった。

「アラン・ドロン」「アル・パチーノ」「ロバート・レッドフォード」、
「ダスティン・ホフマン」「ジェームス・ディーン」「ブルース・ウィリス」など
洋画スターの吹き替え。
また、「スター・ウォーズ」の「C3PO」役も印象深い。

アニメでは「新エースをねらえ!」の「宗方仁」、
「ベルサイユのばら」の「フェルゼン伯爵」、
「スペース・コブラ」の主人公「コブラ」、「どろろ」の「百鬼丸」など。
ラジオ番組では、15年間に渡ってマイクの前に座ったTBSの深夜放送
「バック・イン・ミュージック」を、よく聞いたものである。

心地よく響く素敵な声と昭和の思い出が、また1つ消えた。
合掌。
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モスラ、津幡に出現?!

2010年10月30日 11時57分46秒 | 自然
台風14号の接近に伴って、曇天の津幡町上空。
寒気が流れ込み気温が上がらないせいか、
散歩中に虫達の姿をメッキリ見かけなくなった。
草むらからは、コオロギやキリギリスなど秋の虫の声も聞こえず、
一足飛びに冬の気配。
…そんな中、アスファルトの路上で翅を広げた「蝶」に出逢った。

アゲハ、キアゲハとは違う感じがするし、種類は判然としない。
動きが緩慢で、断末魔の気配すら漂う弱々しさ。
『秋も終りだし、この気候では無理もないだろうな』…などと考えつつ、
美しい文様を眺めるうち、東宝映画の「モスラ」を思い浮かべた。
僕にとって、「モスラ」の最初の記憶は、
1964年(昭和39年)の「モスラ対ゴジラ」である。
公開時、僕は生まれていないのだが、
おそらくリバイバル興業で観たのではないだろうか。
幾つか印象に残っているシーンがある。

台風によって砂浜に漂着した、巨大な青白い「モスラ」の卵。
その卵を帰して欲しいと訴える、インファント島からやって来た、双子の「小美人」。
「ゴジラ」から日本を守るために「モスラ」の力を借りようと、
インファント島へ赴いた使節団の前で繰り広げられる、南洋ムード満点の歌や踊り。
卵から孵化した2匹の「幼虫モスラ」対「ゴジラ」の壮絶な戦い。
幼虫が吐きかける糸によってがんじがらめにされ、海中へ没する「ゴジラ」の最期。
「小美人」を背にのせた「幼虫モスラ」が、大海原へと遠ざかっていくラストシーン。
…特撮あり、活劇あり、スペクタクルな作品に、
「小美人」役の「ザ・ピーナッツ」による主題歌が、
不可思議で幻想的な趣を与えていた。

ところで、僕は、映画「モスラ対ゴジラ」の舞台になった町
「名古屋」の大学に通っていた。
初めて「テレビ塔」や「名古屋城」を見た時は、
『おお、ゴジラがぶっ壊した建物だ!』…と感激したものである。
また同時に、スクリーンの中の記憶と、本物との違和感のなさに驚いた。
勿論、細部を丹念に比較すれば粗も見えるだろうが、
鉄塔や天守閣と空間とのバランスは絶妙。
日本特撮におけるミニチュア製造の、精巧さ緻密さに舌を巻いた。
CGなどない、遥か昔の匠の技である。
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謎のロゴ…津幡にも、各地にも。

2010年10月29日 23時30分03秒 | 日記
「今日の一枚」は、津幡中央銀座商店街の歩道脇で撮影。
ご覧のとおり「たばこ」販売を表す看板だ。
外枠に錆が出て、全体的に少し色褪せているところから考えて、
かなり以前から同じ場所に立っているのだろうと想像できる。

この赤地に白抜きの看板…昔から無意識のうちに目にしていた気がする。
街角の煙草自販機、手売り煙草屋の前など、あちこちにあったはずだ。

例えば、僕がまだ子供のころ、時々、父親の使いで出かけた近所の万屋。
自動販売機の投入口に100円玉と50円玉を入れ、
つま先を伸ばして「チェリー」や「峰」のボタンを押していた傍にも、
この赤い看板が佇んでいた。

また、先日、富山県・高岡へ出かけた際、
やはり街角の煙草屋の前に立っていた。
…ということは、赤看板はローカル展開ではなく
ブロック単位か全国になるのかもしれない。
今度、他地域や県外へ出る機会があれば、注意して探してみよう…。

それにしても、この看板のロゴは誰の発案なのだろう?
明朝やゴシックなどの定番フォントとは違う。
手書きを起こしたような独特の字体。
昭和の香り漂うデザインが、微笑ましくもある。
たとえ看板が新しくなったとしても、同じ形で残って欲しいものだ。
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孤独なランナー~津幡から何処へ。

2010年10月28日 23時29分45秒 | 日記
今日、久し振りに「ジャクソン・ブラウン」のボーカルを聴いた。
午後、FMラジオから流れてきたのは「Running On Empty」。

1977年に発表された同名のアルバム冒頭に収められていて、
ライブテイクを採用したカッコいいナンバーだ。
歌詞の一部、歌のサビの部分を引用してみると…

『Running On Empty  ガス欠でも走り続ける。
 Running On blind  先など見えないまま走り続ける。
 Running On Into The Sun  太陽の中へと走り続ける。
 But I'm Running Behind  遅れはとっているけれど。』

…とでも訳せばいいだろうか?
季節は寒くなって来たが、聞いていると心が熱くなってきた。
僕も「今日の一枚」…夜の散歩中に津幡の街角で撮影したような
オフロードバイクに跨り、よくあちこちへ出かけた頃を思い起こした。

そして続いてもう一曲、同じ「ジャクソン・ブラウン」の
「Late For The Sky」も聞いた。
シンガーソングライターが、冷え切ってゆく家庭内の悲哀を綴るバラード。
こちらは切ないスライドギターのイントロから始まり、
こう歌われているはずだ。

『君は僕の愛を理解できない。僕にしても何故、愛されたか判らない。
 多分、君が愛していたのは、心の中で作り上げた理想の僕。
 お約束の囁きとベッドの明かりに包まれ、僕らはウソを積み重ねてきたね。
 Late For The Sky…空への旅立ちに間に合うことなく。』

むむむ…改めて名曲だなと感心した。
そして、僕には携帯型音楽プレーヤーよりも、
ラジオの方がしっくりくるなと再認識した。

ラジオから流れてくる音楽は、聞き手が選ぶわけはない。
まれにリクエストをして聞き手の意思が介入するケースはあるが、
殆ど、接するのは偶然性が高い。…それがいい。
新たな発見や出会いがある。運命すら感じることもある。
また、音楽だけでなく「語り」が入るのがいい。
やはり、声はコミュニケーションの基本だ。
好きな声質の方の語りは、聞いていて心地がいいし、
想像力がかき立てられて刺激になる。

今度、携帯電話のラジオを聞きながら散歩へ出かけてみよう。
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朝焼けの光の中に開くシャッター。~津幡・久世酒造店。

2010年10月27日 23時14分33秒 | 日記
「今日の一枚」は“半開きのシャッター”ではない。
まさにシャッターが“開いているところ”なのである。

散歩途中の午前7時7分。
たまたま「久世酒造店」の前を通りかかったら、偶然、開店のタイミングに合致。
シャッターが重々しく上がり始めたのだ。

太陽が昇るスピードの遅い秋らしく、低い角度から朝日が当たり、
ガァァァァア~…キィィィィイ~という金属音が響いて、
妙に、一日のスタートを感じさせる光景だった。
そして、こんな歌を思い出した。

『♪朝焼けの光の中に立つ影は ミラーマン(ミラーマン)
  鏡の世界を通り抜け(今だ キックを使え 目だ)
  ミラーナイフが宙を斬る
  戦え、僕らのミラァァァーマァァン』

1970年代初頭、TVで放映された特撮ヒーローもの…「ミラーマン」の主題歌である。
(       )内は、メインボーカルとは別のコーラスや合の手。
今だキックを使え目だ…って、攻撃方法と狙いどころを支持するなんて実戦的。
他にも、パンチで腹を狙え…とか、とどめは頭だ…とか、
ボクシングのセコンドみたいなフレーズがあったと思う。

僕はまだ小学校低学年だったため、ストーリーの詳細はよく覚えていないが、
変身シーンだけは妙に印象に残っている。
人間の父親と3次元人の母の間に生まれた主人公が、
「ミラー・スパーク!」という掛け声もろとも、鏡や水面など、
光を反射するものに飛び込んで変身するのだ。
しかし、光が反射してなければ変身できないなんて、
今思えば、制約が多く大変な設定である。
ま、だからこその「ミラーマン」なのだが…。

『ブラウン管の中に、こうした実写の特撮ヒーローが大勢いた頃、
 正義の味方が出動する時は、こうしてシャッターが開いたな。』
…と、ふと過去を振り返った朝の散歩だった。
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