「徒然草」の作者「吉田兼好」曰く
『家のつくりやうは夏をむねとすべし。
冬はいかなる所にも住まる。 暑き頃わろき住居は堪へがたきことなり。』
日本の夏は、太平洋からの湿った風が流れ込み、気温だけでなく湿度も高くなる。
なかなかに過酷な季節だ。
近年の猛暑傾向が、拍車をかけていると感じるのは僕だけではないだろう。
そして、辛さを実感するのは、人間だけではないかもしれない。
そんなキビシイ夏ながら、散歩中、多くの生き物に出逢った。
今回は彼らのスナップを投稿する。
セミは昔から「儚さ」の象徴とされてきた。
例えば「源氏物語」の「空蝉(うつせみ)」。
思い人の家へ忍んで出かけた「光源氏」が、
女性に感づかれ逃げられてしまい、叶わぬ恋心を和歌に託した。
うつせみの 身をかへてける 木のもとに なほ人柄の なつかしきかな
(抜け殻のように残された着物を見て、貴女を思い胸がいっぱいになる)
・・・と平安の頃から、刹那的な象徴とされてきた為、
蝉の成虫は一週間程度の短命と思われているが、
実は3週間以上生きる事も珍しくない。
但し、数年前余りの地下生活を送る幼虫時代と比較すれば、
ひと夏の命は、やはり儚いと言える。
油蝉。夏、最も普通にみられ、体長は翅 (はね) の先まで5~6cm。
翅は赤褐色で、油の染みたような紋がある。
「シオカラトンボ」の若い雌と思われる。
もっともなじみ深いトンボのひとつ。
シオカラトンボとは、成熟して水色になったオスにつけられた名前で、
茶色いメスは俗にムギワラトンボと呼ばれる。
山地から住宅地まで、池、湿地、水田、溝、水たまりなど、あらゆる環境に生息。
透き通りピンと伸びた翅が、実に美しい。
「ニホンアマガエル」。
体長3~4センチ、緑の体色がよく目立つ。
肉食性で、小さな昆虫類やクモ類が餌。
吸盤を使って水田のイネに上り、集まる虫を食べたり、
夜には人家や自動販売機の照明に集まる昆虫を捕食。
僕の部屋の窓にも訪れる姿を、よく見かけた。
草葉の影で休む「ヤママユ」。
翅をひろげると10cmを超える大きな蛾。
黄褐色、灰褐色、赤褐色など、色彩には変異がある。
4枚の翅に、それぞれ1つずつの目立つ紋と、黒色の細帯が特徴。
実に立派な姿だ。
「アシナガバチ」。
かつて、人と蜂は離れて暮らしていた。
住宅地の開発などで、蜂の生息地へ人が侵入し両者の距離は近くなった。
生き残るために環境に適応した蜂は、市街地に営巣するようになり、
"巣を守るために人を刺す"ことから、危険のレッテルを貼られた。
真っ黒な色、大きな体、がっしりした体型。
その姿はまさしく熊。
しかし、クマンバチの性格は温厚で大人しい。
ほんの短時間、近所を歩いただけで多くの生き物が目に留まる。
これらはほんの一端。
改めて、地球は様々な命を育んでいるのだと思える。
続いては、仕事で訪れた「金沢競馬場」でのスナップだ。
木陰に設置された「移動動物園」でくつろぐ「ギリシャリクガメ」。
リクガメは、世界各地の熱帯から温帯地域に広く分布している。
こいつの名前は、背甲の模様が「ギリシャモザイク」に似ているから。
「ニュージーランドアオバズク」。
中型のフクロウ。和名の語尾が「ズク」となっているが頭にミミズク特有の羽角はない。
ところで、漢字の「梟」が「木」の上に「鳥」の略体なのは、諸説あり。
昔、ふくろうの死骸を木の上にさらして、小鳥を脅した。
鳥を木に突き刺した様を表し、不孝な鳥=フクロウの首を見せしめに曝した。
・・・などと言われている。
サラブレッド(英 : Thoroughbred)は、18世紀初頭のイギリスで、
アラブ馬や英在来の品種等から競走用に品種改良された軽種馬。
「現代の世界中のサラブレッドは父系の血統を辿ると、3頭の馬に遡る」というのは、
競馬ファンの間では有名な話だ。
お前らも大変だな。