つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

2019夏、散歩スナップ~生き物~。

2019年08月31日 07時31分01秒 | 自然

「徒然草」の作者「吉田兼好」曰く
『家のつくりやうは夏をむねとすべし。
 冬はいかなる所にも住まる。 暑き頃わろき住居は堪へがたきことなり。』


日本の夏は、太平洋からの湿った風が流れ込み、気温だけでなく湿度も高くなる。
なかなかに過酷な季節だ。
近年の猛暑傾向が、拍車をかけていると感じるのは僕だけではないだろう。
そして、辛さを実感するのは、人間だけではないかもしれない。

そんなキビシイ夏ながら、散歩中、多くの生き物に出逢った。
今回は彼らのスナップを投稿する。

セミは昔から「儚さ」の象徴とされてきた。
例えば「源氏物語」の「空蝉(うつせみ)」。
思い人の家へ忍んで出かけた「光源氏」が、
女性に感づかれ逃げられてしまい、叶わぬ恋心を和歌に託した。

うつせみの 身をかへてける 木のもとに なほ人柄の なつかしきかな
(抜け殻のように残された着物を見て、貴女を思い胸がいっぱいになる)

・・・と平安の頃から、刹那的な象徴とされてきた為、
蝉の成虫は一週間程度の短命と思われているが、
実は3週間以上生きる事も珍しくない。
但し、数年前余りの地下生活を送る幼虫時代と比較すれば、
ひと夏の命は、やはり儚いと言える。

油蝉。夏、最も普通にみられ、体長は翅 (はね) の先まで5~6cm。
翅は赤褐色で、油の染みたような紋がある。

「シオカラトンボ」の若い雌と思われる。
もっともなじみ深いトンボのひとつ。
シオカラトンボとは、成熟して水色になったオスにつけられた名前で、
茶色いメスは俗にムギワラトンボと呼ばれる。
山地から住宅地まで、池、湿地、水田、溝、水たまりなど、あらゆる環境に生息。
透き通りピンと伸びた翅が、実に美しい。

「ニホンアマガエル」。
体長3~4センチ、緑の体色がよく目立つ。
肉食性で、小さな昆虫類やクモ類が餌。
吸盤を使って水田のイネに上り、集まる虫を食べたり、
夜には人家や自動販売機の照明に集まる昆虫を捕食。
僕の部屋の窓にも訪れる姿を、よく見かけた。

草葉の影で休む「ヤママユ」。
翅をひろげると10cmを超える大きな蛾。
黄褐色、灰褐色、赤褐色など、色彩には変異がある。
4枚の翅に、それぞれ1つずつの目立つ紋と、黒色の細帯が特徴。
実に立派な姿だ。

「アシナガバチ」。
かつて、人と蜂は離れて暮らしていた。
住宅地の開発などで、蜂の生息地へ人が侵入し両者の距離は近くなった。
生き残るために環境に適応した蜂は、市街地に営巣するようになり、
"巣を守るために人を刺す"ことから、危険のレッテルを貼られた。

真っ黒な色、大きな体、がっしりした体型。
その姿はまさしく熊。
しかし、クマンバチの性格は温厚で大人しい。

ほんの短時間、近所を歩いただけで多くの生き物が目に留まる。
これらはほんの一端。
改めて、地球は様々な命を育んでいるのだと思える。

続いては、仕事で訪れた「金沢競馬場」でのスナップだ。

木陰に設置された「移動動物園」でくつろぐ「ギリシャリクガメ」。
リクガメは、世界各地の熱帯から温帯地域に広く分布している。
こいつの名前は、背甲の模様が「ギリシャモザイク」に似ているから。

「ニュージーランドアオバズク」。
中型のフクロウ。和名の語尾が「ズク」となっているが頭にミミズク特有の羽角はない。
ところで、漢字の「梟」が「木」の上に「鳥」の略体なのは、諸説あり。
昔、ふくろうの死骸を木の上にさらして、小鳥を脅した。
鳥を木に突き刺した様を表し、不孝な鳥=フクロウの首を見せしめに曝した。
・・・などと言われている。

サラブレッド(英 : Thoroughbred)は、18世紀初頭のイギリスで、
アラブ馬や英在来の品種等から競走用に品種改良された軽種馬。
「現代の世界中のサラブレッドは父系の血統を辿ると、3頭の馬に遡る」というのは、
競馬ファンの間では有名な話だ。

お前らも大変だな。
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2019夏、散歩スナップ。

2019年08月30日 06時37分43秒 | 日記

令和最初の夏が過ぎようとしています。
拙ブログをご覧の皆様にとって、今夏はいかがだったでしょうか。
僕は、大なり小なり色々あったものの、何とか無事に乗り切れそうです。
・・・今回は夏散歩の様子を投稿。

愛犬「りくすけ」、恒例のサマーカットに。
チワワの原産は“太陽の国”メキシコ。
何となく暑さに強いと勘違いしがちだが、案外そうでもない。
体が小さく道路に近い場所を歩くため、夏の散歩の際は要注意。
もっぱら早朝を選んで共に歩いた。

梅雨明け間もない頃。
撮影時間は朝6時ながら、気温は28℃。

一体、どこまで上がるのかと戦々恐々。
流れる汗を拭きながらゲンナリしたものだ。

7月末、津幡まつり当日。
住吉公園そば、焙煎コーヒーのカフェ「おまん茶屋 / MOCHA STAND」に、
出店のキッチンカーが横付け。

道を挟んだ地蔵堂の甍は、陽を浴びて黒々と輝く。

個人的なご縁はないが、タイガー津幡店後に新店舗「スーパーラッキー」がお目見え。
連日、周囲に沢山の車が停まっているところをみると、客の入りもいいらしい。

取り留めのない列記になったが、今夏の散歩スナップでした。


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たった独りの髪切りマッチ。~ 「ぶな屋敷の怪」。

2019年08月24日 22時28分34秒 | 手すさびにて候。

住まいは、大英帝国の首都・ロンドン ベーカー街221B。
天才的な観察眼と推理力。
毒物や薬品の豊富な知識を持ち、変装術、射撃の腕前に優れる。
ボクシングと日本武術を嗜み、趣味はバイオリン演奏。

「シャーロック・ホームズ」は、名探偵の代名詞だ。
「コナン・ドイル」が世に送り出してから130年以上が経つ今も、
世界中に“シャーロキアン”と呼ばれる熱狂的なファンや研究者がいる。
僕も小学生の頃、その魅力にハマった一人だ。

確か学級文庫から手に取ったのは、
「偕成社」出版の「名探偵ホームズ全集」だったと思う。
その内容を事細かく記憶している訳ではないが、
興奮と驚き、感嘆を以て、頁をめくった事は覚えている。

そして、忘れられないのが今拙作。
ほんの手すさび、手慰み。 
不定期イラスト連載、第百十七弾「ぶな屋敷の怪」。

依頼人は、若い女性。
名前を「バイオレット・ハンター」という。
質素だが小ぎれいな身なり。
明るく機敏な顔立ちに、美しい金髪を束ね上げている。
彼女は、魅力的だが奇妙な誘いを受け、思い悩んでいた。

職種は「ぶな屋敷」と呼ばれる邸宅での住込み家庭教師。
報酬は、年棒100ポンド。
当時、一般労働者の年収が70ポンド余だから、破格と言える。
但し、自慢の髪をショートカットにする事が、雇用の条件・・・。
一度は謝絶するものの、再考を求める手紙に心が揺らぐ。
そこには、給与を20%アップするとの提示があったからだ。
薄気味悪さを抑えきれない「バイオレット」は、名探偵に調査を依頼した。

その後の顛末は、原典に譲る。
やはり、ウマい話には裏があった。

さて、まだ少年だった僕の心を搔き立てたのは、
原典に描写のない「髪切シーン」。
依頼を受ける決心をした彼女は、独り自室で髪を切ったはず。
“女の命”と形容される金髪にハサミを入れる瞬間、
きっと、覚悟を決めて臨んだに違いない。
押しつぶされそうな不安に抗い、目を見開き、歯を食いしばり、
鏡の中の自分を凝視していたに違いない。

そんな光景を妄想し、女性の強さと怖さを覗き見た気がした。
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夏に嗅ぐ 秋と異国の フレーバー。

2019年08月18日 13時24分49秒 | 日記

最近、愛犬を伴っての散歩は、もっぱら早朝。
午前6時半を過ぎると蝉が鳴き出し、照り付ける陽射しは強くなる。

先日の「台風10号」接近の折は、フェーン現象で猛烈な高温に。
石川県内では40℃を超える最高気温を記録し、
夜になっても、30℃近い熱帯夜。
その後も、台風が持ち込んだ暖気と太平洋高気圧が強まった影響で、
立秋を過ぎたというのに、北陸はまだ猛暑継続中だ。

それでも、少しづつ季節の移り変わりを感じるようになってきた。
視覚による典型の1つが、稲穂だろう。

成熟期の遅速により、稲は早生(わせ)・中稲(なかて)・晩稲(おくて)に分類される。
国産の大部分は中稲。
9月下旬~10月中旬が収穫期だ。
それより1か月以上も前に収穫されるのが早生。
石川県のそれは「ゆめみずほ」という。

正式名称は「石川43号」。
コシヒカリの血統で、粘りがあり食味のいい「越南154号」と、
寒さに強い宮城生まれの「ひとめぼれ」との交配種。
個人的には、常備米にして気に入っている。
早くも実を結び始めた稲穂の姿は、秋の香りを運んでくれた。

そして「久世酒造」店頭の自販機にて、気になる飲料を発見。

「ファンタ 世界のおいしいフレーバー<ソカタ>」!?

これは、世界で人気の味わいが楽しめる「ファンタ」の新シリーズで、
期間限定、自販機限定の企画。
第一弾が、東欧・ルーマニアの国民的な飲料、
「ソカタ」をヒントに作った「ファンタ ソカタ」。
ソカタは「エルダーフラワー」という花をベースに、
砂糖、はちみつ、レモンなどを加えて発酵させた飲み物との事。
ヨーロッパでは「ファンタ ソカタ」が「ファンタ オレンジ」に次ぐ人気なんだとか。
パッケージデザインもなかなかいい。

飲んでみた。
・・・爽やか。
仄かにマスカットの香り。
レモンの酸味もする。
異国の風味がした。
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74年前の夕焼け。

2019年08月15日 20時45分06秒 | 日記

紺碧の空。
山裾から覗く、白い入道雲。
射るような陽光。
顎から滴る汗を拭う直立不動の人々。
ラジオから、ノイズ混じりに流れてきた「現人神」の声。

『朕深ク世界ノ大勢ト 帝国ノ現状トニ鑑ミ
 非常ノ措置ヲ以テ 時局ヲ収拾セムト欲シ
 茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク 
 朕ハ帝国政府ヲシテ 米英支蘇四国ニ対シ
 其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨 通告セシメタリ・・・』

降り注ぐ蝉時雨に、すすり泣きが重なった。

昭和20年8月15日。
多くの戦後生まれの日本人が、敗戦を知った時の状況に、
そんな印象を抱いているのではないだろうか。

しかし、過去の気象情報を紐解いてみると、お天気は色々。
74年前当日の関東・信越以西は広く晴れているが、
東北の太平洋側・北海道は曇天で、小雨交じりの地域もあった。

「晴天の下、灼熱の中の終戦」は、映画や漫画・小説などのシーンとして、
後年、繰り返し刷り込まれた心象風景なのかもしれない。

そして、想像する。
あの日の夕焼けを。

正午に「青天の霹靂」を迎えた後、
先達たちは、どんな気持ちで夕陽を見つめたのだろう。
落ちてゆく今日を、どんな表情で見送ったのだろうか。
焦土に立ち、紅の空にどんな明日を思い描いたのかと。
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