つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

オン・ザ・ボーダー。~津幡のキリスト教会。

2010年09月29日 09時58分48秒 | 日記
「今日の一枚」は、津幡町北中条の「津幡キリスト教会」。
いつから活動を行っているのかは分からないが、
僕が小学生の頃には、現在と同じ場所にあった。
そして当時、この建物は、僕にとって一種の「境界線」を示すランドマークだった。

教会周辺から北が自分の通う「津幡小学校」、南は「中条小学校」、
校区を分ける目安になっていたのである。
だから、用事があって近くまで来ると、ずい分と遠くまで来てしまった気がして、
不安げな面持ちで十字架を見上げたものだ。
教会は、人々が祈りを捧げる所だから賑やかではない。
建物のデザイン・醸し出す雰囲気も、見慣れた人家や神社仏閣とは違う。
子供の目線からすれば、充分に大きく、圧迫感すら覚えてしまった。
つまり、何となく「近寄り難い場所」と捉えていたのかもしれない。

勿論、今の感覚は違う。
昔と比べ、行動範囲が広くなり、体も成長した。
知識も経験も積み重ねてきた大人にとっては、文字通り「教会」以外の何物でもない。
ただ、「近寄った事がない所」ではある。
キリスト教を信仰するのは自由だし、存在を否定するつもりはまったくない。
ただ、個人的な好みの問題。
唯一神教より、多神教の「神道」の方が好きなだけだ。

人間は地球に生かされている。
だから、自然現象・草木・生物・無生物まで、あらゆる「精霊」を崇める
「八百万の神々」って、すごくスンナリと理解できるのである。
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ビッグになった津幡町。~スーパー ビッグママ前にて。

2010年09月28日 08時40分22秒 | 日記
「今日の一枚」は、津幡町のスーパーマーケット「ビッグママ」前にて
愛犬の姿を収めたスナップ。
アスファルトに引かれた白線からも分かる通り、建物前の駐車場である。
早朝のため車は止まっておらず、我々の他は人影もない。
静かな空間が広がっていたが、数時間後には町内の主婦の皆さんが詰めかけ、
いつもどおりの賑わいを取り戻すだろう。
そんな、平和で穏やかな日常の光景も、変化を重ねて今がある。

スーパー「ビッグママ」…
現在の位置は、ここ数年で様々な店舗が並んだ新しい繁華な道「シグナス通り」沿い。
だが、かつて商いをしていたのは津幡小学校を背に、おやど橋を渡った辺り。
「おやどタクシー」と道を挟んだ斜向いにあった。
昔と比べれば、今の店は面積も駐車場もずい分と広い。
つまり「ビッグママ」は、より「ビッグ」になったのである。

その変化と歩調を合わせ、津幡町もビッグになった。
津幡町のHPに掲載されている情報によれば、今年7月現在の人口は、3万7千567人。
「ビッグママ」が街中にあった当時…僕が小学生だった頃の人口は、2万3千人程度。
3万人を超えたのは、平成に入ってしばらく後の事だと記憶している。

金沢のベッドタウン化が進み、インフラも整備され便利になった。
その代わり、変ってしまった風景も沢山ある。
「発展」も「衰退」も、同じ「変化」。
変ってしまった事に変わりはない。
「ビッグママ」もその一つである。

そして「ビッグママ」のチラシも変わった。
以前は、値段の数字が明らかに「手書き」だった。
達筆な誰かがマジックで値段を書き、それを原本にして印刷していたのだろう。
ビッグになってからは「手書き風」のフォントになった。
見易くはあるのだが、味がなくなったと感じてしまうのは僕だけだろうか?
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忘れ去られた、秋の実り。~津幡の休耕田。

2010年09月27日 06時51分31秒 | 自然
すっかり涼しくなった今日この頃。
食卓にも新米が並ぶようになり、実りの秋を実感するようになった。
という事は、石川県内では、概ね稲の刈り取りも終わった頃。
散歩中に見かける田園風景は、
春の新緑でも、夏の草原でも、秋の黄金色でもない。
累々と切り株が並んでいる。

ところが、中には、未だに収穫が終わっていないのか?
稲穂が付いたままの田んぼが、所々にポツンと点在している。
まるで、忘れ去られたかのように…。
「今日の一枚」が、まさにそれだ。

おかしいな?と思い、近付いてみると、理由が分かった。
それは、比較的新しい休耕田だった。
遠目には美しい実りを結んでいるように見えるが、
傍で眺めてみれば、どことなく荒れた感じがする。
稲の合間に茂る雑草が、手入れの不行き届きを物語っていた。
どうやら打ち捨てられて間もない田んぼから、自然と稲が伸び、
刈り取る者がいないままの稲穂が、風に揺れていたという訳だ。

ここ近年は、国の減反政策が、水田面積の4割近くに達しているという。
減反…田んぼを減らすのは、米余りによる米価下落を防ぐ生産調整策である。
日本の水田全てに主食用の米を植えると
平年作で需要を上回るとして、転作を奨励し
また、後継者不足や、米消費量の落ち込みなどから、
休耕田も増えてきているそうだ。

確かに、僕自身、米を食う量は減ったと思う。
年齢と共に食欲が落ちた、選択肢が増えた、食品流通が多様になった、
原因はいくつかあると思う。
…と、考えていたら、昔読んだ「宮沢賢治」の「雨ニモマケズ」の一説を思い出した。

『一日ニ玄米四合ト 味噌ト少シノ野菜ヲタベ…』。
明治の世と違い、今では一日に“玄米四合”を食べることなど、まずないだろう。
忘れ去られた、寂しげな田んぼの風景をなくすためにも、
米を食べるようにしなければ。 実りの秋に、改めてそう思った。
稲作と米飯は、日本人のアイデンティティなのだ。
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変遷へ雄々しく抵抗~津幡小学校校庭のプラタナス

2010年09月26日 11時28分29秒 | 日記
夏台風が去った今年の8月13日。
このブログで、津幡小学校の校庭に隣接する町の常設相撲場そばで見つけた
真新しいプラタナスの切株の写真を掲載し、その様子について投稿。
文面の最後をこう結んだ。

『体の大半を切り落とされてなお衰えない生命力…。
 「俺は、まだ死んでいないぞ。」
 物言わぬ木の叫びが聞こえた。』

あれから1ヶ月。
木は、生きていた。

死んでいなかった…生きながらえていた…というような消極的な生ではない。
大半を切り落とされた体から雄々しく枝を伸ばし、新たな営みを始めていたのだ。
「今日の一枚」と8月13日の画像を見比べてみれば、その変化は感動的ですらある。
やはり、植物は力強い。

宇宙空間に地球が誕生してから46億年あまり。
地球に生命が生まれてから40億年。
生命が陸に上がったのは、およそ5億年前だという。
先鞭を付けたのは「植物」である。
陸にあがった植物は、荒れ果てた大地を緑で覆い、森林を作り、環境を劇的に変えた。
それは同時に「動物」の陸上進出のお膳立てを整えた事になる。
また、植物は動物の餌になり、地上で生命を養う役目も担う。
更に、花や種子の誕生は、花粉や種子を運ぶ動物の進化を促し、
地球生命の多様化に大きな役割を果たしてきた。

人間も植物を食べ、植物から道具や家・衣服を造り、エネルギーを得ている。
植物は、大先輩で大恩人だ。
それだけ長きに渡り、膨大な命を支えてきた植物は、
動物など比べ物にならないほど強い。

このプラタナス…このまま残るのだろうか?
今後も復活を見守っていきたい。
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津幡小学校、校庭に並ぶカラフルなスピリット。

2010年09月24日 12時04分26秒 | 日記
21世紀は“エコの世紀”だと言われる。
そのキャッチフレーズになっているのが
Reuse(再利用)、Reduce(ゴミ削減)、Recycle(再資源化)。
…いわゆる「3R」だ。
最近では、そこに、地球資源に対するRespect(尊敬の念)を込めた、
新たな考えが広まっているんだとか。

それは、日本語の【MOTTAINAI(もったいない)】。

日常でよく使う言葉だが、改めて辞書を引いてみると…
『有用なのにそのままにしておいたり、無駄にしてしまったりするのが惜しい』とある。
環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性が、
このポリシーに感銘を受け、世界へ広めようと提唱。
徐々に浸透してきているらしい。

「今日の一枚」は、津幡小学校の校庭で写した古タイヤの遊具。
この景色は、再利用とゴミ削減、2つのRが形になったもので、
今ほどエコが声高に叫ばれるずっと以前から、ここにある。
その頃…僕が古タイヤの上を飛んで遊んでいた30数年前には、
「もったいない」に国際的なスポットが当たるなんて、想像すらできなかった。

当時流用していたのは“固有の名前”ばかり。
せいぜい、ゲイシャ、フジヤマ、ハラキリ、サムライ、スキヤキなど、
西洋の視点からすればエキゾチックな響きに限定されていたように思う。
対する「MOTTAINAI」は、実態のない無形の存在を表現した言葉。
いわば“日本的な精神”だ。

景色は変わらないが、時代は変わったな。
日本人の1人としては、感慨深くもあるな。
そう感じた、秋の散歩だった。
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