つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

私的な昭和の思い出。

2017年04月30日 14時52分25秒 | これは昭和と言えるだろう。
先日、散歩中にこんなポスターが目に留まった。

「写真供養」とある。

6月1日は「写真の日」。
今から176年前、天保12年(1841年)、薩摩藩11代藩主「島津斉彬」公が、
日本史上初の写真撮影モデルになった故事に由来した記念日。
更に、このメモリアルデーから派生したのが「写真供養」。
処遇に迷う、気になる写真(紙焼き)、
故人の肖像、コンテストの落選作、失敗した自分のポートレート、
「心霊写真」などを神社に持ち込んで、お祓いの後に焼却奉納しようという訳だ。

…思えば、僕が子供だった頃、夏場になると雑誌・TVで心霊写真特集をよく見かけた。
時は「オカルトブーム」だったのである。

大気汚染、海洋汚染。
冷戦の緊張関係と核戦争の危機。
赤軍派、IRAに代表されるテロ。
化石燃料枯渇の懸念。
そんな日々聞こえてくるネガティブな気運に接するうち、
小学生たちは神秘の虜になった。

ノストラダムスの大予言。
16世紀に生きたフランスのオジサンの予言が、よく当たっているらしい。
1999年7の月に「恐怖の大王」が降臨し、世界は滅亡するらしい。
「俺は信じる。」 「お前は信じるか?」 「ど、どうしよう。」
震え上がりながら、ワイワイと話し合ったものだ。

日本沈没。
♪さよ~ならと なかないで~いまは微笑みを~
 いつかまた~めっぐりあえる~ひっかりと、かぜのよに~♪
堂々と歌い上げる「五木ひろし」のボーカルが始まると、
ブラウン管の前に座りながら、胸がドキドキした。

円盤を呼びたくて空を見上げたり、コックリさんに興じたり、
念力でスプーンが曲げられるかどうか競ったり、
イギリス・北海道の湖の恐竜を恐れ、ヒマラヤの雪男、広島の獣人に戦慄し、
ツチノコに飽き足らず、近所の沼や川にまで「主(ぬし)」がいるらしいと噂した。
そして、恐怖の都市伝説「口裂け女」が大流行したのである。

…さて、僕はまだ心霊写真を撮ったことがない。
オカルトブーム直撃世代としては、
一生のうちに一度、一カットだけでいいからモノにしてみたいものだ。
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私的な昭和の面影。

2017年04月29日 22時28分17秒 | これは昭和と言えるだろう。
本日は、平成29年「昭和の日」である。
昭和天皇が生誕した日にあたり、生前は「天長節」、後に「天皇誕生日」。
死後は「みどりの日」、現在は「昭和の日」として国民の祝日になっている。
『激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす日。』
…その成り立ちや趣旨には、様々ご意見があるだろう。
「昭和」と聞いて抱く思いは世代によって異なるだろう。
戦前・戦中生まれの方々は複雑かもしれない。
三十路以下の方々にとっては、感慨すらないのかもしれない。

僕は、幼年期から青春期を思い出す。
日々の散歩中、往時と変わらない風景に接することは少ないが、
過日を想起させるシーンには出会える。

「舟田商店」と、通学途中の津幡中学校生。
コレは、昭和の自分にピッタリ重なる。
僕も、彼の様にうつむき加減で同じ道を歩いた。
見つめているとタイムトリップしそうな、不思議な気分になる。
しかし、老舗の味噌屋は150余年の歴史に幕を下ろしたと聞く。
文久2年(1862年)創業。
昭和天皇献上品も手掛けた「加賀マルフネ味噌」の醸造元の店頭に、
商品は並んでいない。
愛用者としては寂しい限りである。

さて、5月を目前に控えた今、八重桜が盛りだ。

きのうから5月5日(金/祝)まで、
津幡町と富山県・小矢部市が境を接する「倶利伽羅峠」で
「倶利伽羅さん八重桜まつり」を開催中。
およそ6,000本が咲き誇り、夜間はライトアップ。
お時間とご都合が許せば、訪れてみてはいかがだろうか。

花の姿をカメラに収めていると、またも昭和を想起するシーンに巡り合う。

スカウトだ。
ボーイスカウト活動の始まりは明治時代。
1907年、イギリス・ブラウンシー島での実験キャンプが起源。
わが「津幡第一団」の発足は、昭和38年(1963年)。
そのうちの数年間は、やはり僕の昭和と重なるのである。
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美しき地球外知的生命体。~昭和東宝映画ヒロイン。

2017年04月26日 07時27分03秒 | 手すさびにて候。
ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載、第四十一弾は「X星人」。

木星の13番衛星・「X星」に住む知的生命体。
外見は総じて地球人と類似しているが、女は皆、同じ顔。
男は皆、細いサングラスのような物を装着。
独特の特徴によって我々と一線を画している。
また、社会体系も異なる。
全体が「統制官」と呼ばれる1人の男によって統治され、
恋愛も結婚も、行動を決定するのは電子計算機(コンピューター)。

…統率のとれた蟻(アリ)や蜂(ハチ)の生態を思わせる薄気味悪い関係性。
創造主が、創造物(機械・情報技術)に支配された空恐ろしい設定。
昭和40年(1965年)に公開された、東宝映画「ゴジラ」シリーズ6作目、
「怪獣大戦争」に登場する「X星人」は、充分にミステリアスだった。

地球侵略を目論む彼らは策を講じて地球怪獣、ゴジラとラドンをまんまと手に入れ
キングギドラを加えた強力な布陣で、攻撃を仕掛ける。
しかし、ある種の音波が「X星人」の弱点だと突き止めた地球側は、反転攻勢。
怪獣たちを操る誘導電波を妨害する事にも成功。
辛くも難を逃れたのだった…。

エンターテイメントの視点から言えば、コスチュームや宇宙船内部のデザイン、
「伊福部 昭(いふくべ・あきら)」作曲の「怪獣大戦争マーチ」がカッコいい。
そして、女星人役「水野 久美(みずの・くみ)」が好きだった。
彼女は、他にも「マタンゴ」、「フランケンシュタイン対地底怪獣」、
「サンダ対ガイラ」、「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」など、
東宝の怪奇・怪獣映画の常連である。
その妖艶な姿は、異質の存在感。
パニックや狂乱があふれた銀幕に咲く一輪の花だった。
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テクノロジーアグリ。

2017年04月23日 09時44分22秒 | 自然
温室は、長い農の歴史の中で画期的な発明だった。

露地ならば、気候によって限定される種(しゅ)の選択肢が増え、
旬の時期を過ぎても栽培でき、安定生産・スピードを格段にアップさせた。
北国ではガラス温室になるのだろうが、北陸ではビニールハウスが一般的。
津幡町でも、散歩中によく見かける。

ずらりと並んだビニールハウスの中には、稲の早苗がズラリ。
田植えのタイミングを待っている。
米の出来の善し悪しは、苗の出来に左右されるという。
昔から「苗半作・苗代半作」と言われる所以だ。

農業用ビニールの開発が進んだのは、大戦後と聞く。
当時の育苗温床用資材は「油紙」だったが、登場して間もない「塩化ビニール」に着目。
@透明性が高く、太陽光を有効に利用できる。
@保温性、密閉性に優れていて、外気を遮断し熱が逃げるのを防ぎ、
 水滴が流れやすく曇りを防ぐ。
@ガラスより安価で着脱が容易。
これらの利点を活かして導入されたビニールハウスは、増産に大きく貢献。
耐久年数の長期化、寒冷地でも硬くならない工夫など品質向上が図られ、
日本全国に普及しているのは、ご存知の通りである。

トラクター、田植え機、稲刈り機など作業の機械化も進んだ現代の農業は、
科学・工業技術に支えられていると言っても過言ではない。
しかし、どれだけテクノロジーが発達しても、
太陽エネルギーや水は欠かせず、気象条件に左右される意味で、
やはり農業は自然の恩恵なのだ。
…などと思案を巡らせながら田園地帯へ歩を進めると、伝統的な道具が目に留まる。

作業に従事する男性が腰に着け引っ張っているのは「田舟 (たぶね) 」。
田んぼの泥の上を滑らせ、苗や肥料を運ぶ農ツールだ。
だが、これもよく見ればプラスチック製の「そり」。
やはりテクノロジーの産物なのである。
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現代ガイドブック考。

2017年04月22日 20時53分18秒 | 日記
フランスのタイヤメーカー「ミシュラン」は、
日本では副業の方の知名度が高いかもしれない。

赤い表紙の「ミシュラン・レッドガイド」が創刊されたのは、1900年。
世の中に広まり始めて間もない「ドライブ」を、
快適にサポートするのが目的だった。
市街地図に、まだ数が少なかった自動車修理工場やガソリンスタンド、
ホテルの紹介などを盛り込んだのが創刊当初の姿。
⇒自動車で旅行する。
⇒タイヤが消耗する。
⇒自社製品を購入してもらう。
…という狙いだ。

やがて1930年代から、レストランを「星の数」でランクするシステムがスタート。
ミシュラン社員が匿名で店を訪ね、食材の質、料理法と味付けの完成度、
料理の個性、価格と質のバランス、一貫性などを覆面調査して、評価をする。
 「☆☆☆三つ星」が「わざわざ訪れる価値がある卓越した料理」。
 「☆☆二つ星」は「遠回りしてでも訪れる価値がある素晴らしい料理」。
 「☆星一つ」なら「そのカテゴリーで特に美味しい料理を提供するレストラン」。
例え星がなくとも、「レッドガイド」に掲載された時点で、それなりのレベルになるらしい。

元々は、フランス国内限定だったが、誕生から100年を超え細分化。
昨年「ミシュランガイド富山・石川(金沢)2016特別版」が刊行された。
星数の選定については色々とご意見があったようだが、個人的には関心が低い。
庶民には敷居の高い、懐石や(回らない)寿司、フレンチが中心だし、
そもそも、僕はグルメではない。

最近、わが津幡町内にも「ミシュラン掲載店」と宣言する店がある事を知った。

洋食とデザートのお店 miel(ミエル)。

焼肉本家 あきない屋(あきないや)。

発刊から1年近くが経ってようやく興味が向くところが、
関心の低さを物語っているが、
ここなら、お値段も身の丈にあっているだろう。
何より地元だ。
今度、機会を作って足を運んでみようと思う。
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