つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

泰平薫る散歩道。

2016年02月28日 19時47分26秒 | 日記
高き屋に のぼりて見れば煙立つ 民のかまどは賑わいにけり

これは、昔々、高みから都の様子を見渡した為政者が、
家々から上がる煮炊きの煙を見て、天下泰平を確信し詠んだ歌なのだそうだ。
歌の解釈や真偽については、様々なご意見はあるだろうが、言い得て妙である。
「衣食住」、どれが欠けても生活は成り立たないが、
特に、短いスパンで更新を求められる食は、暮らしの根幹。
飢えていては、何も始まらない。
空腹が満たされない状態で、平穏無事が訪れる事はない。
現代の民草の1人も、今朝の散歩中、同じ見解を抱いた。

街中を 歩いてみれば匂い立つ 皆の厨(くりや)は賑わいにけり
 
画面からは窺い知れないが、路地のあちらこちらから朝餉の支度が薫る。
ご飯が炊きあがる甘い匂い、
魚を焼く匂いや味噌汁の匂い、
ソーセージや玉子を炒める匂いなどがする。
嗚呼、腹が減った。
家に帰ったら、何を食べようかと思案できる。
これぞ、天下泰平なのだ。

そう独り言ちて歩く道すがら、銭湯の煙突から棚引く煙を見つけた。
   
微かに漂う木を燃やす匂いは、温かな湯舟を連想させる。
幸せな気分を一層掻き立ててくれた。
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散歩しながら実感、八年ひと昔。

2016年02月27日 16時25分06秒 | 日記
毎年、年末に発表される「今年の漢字」。
今から8年前の2008年は何が選ばれたのか、覚えているだろうか?

それは「変」

アメリカの大統領選挙で、変革(Change)旋風が吹き荒れた。
世界的な金融情勢の変動。株価や円高ドル安などが大幅に変動した。
物価上昇の影響で生活が変化した。
世界各地で気候の異変が目立った。
…など、良くも悪くも変化の多い一年だったが、
2009年は、良き方向への変化を望みたいとの希望を込めて選出された。
改めて振り返ってみると、当時の自分について、
公私共々アレコレ思い出してしまう。

…さて、そんな変化多き頃に浸透し始め、かなり身近な存在になったものがある。
 
答えは、本津幡駅付近で撮影した、この画像の中に。
もちろん、自動車ではない。
住宅でもなく、奥に写った列車や背景の山でも空でもない。
右手前、コイン精米機の“ゆるキャラ”がそれだ。
 
名前を「こめぼうや」というらしい。
散歩中に目にする度、常々思っていた。
「何とも簡潔で、確かにユルい」と。

何故、黄色?ひょっとして剥き身の生米じゃなくて籾殻なの?
右手に持っている棒状のものは何で、何をしているところなの?
誰が考案したの?まさか本職のデザイナーが?
疑問が尽きない。
ネット検索してみたが、要領を得ず謎のままだ。
全国各地に点在しているらしいから、拙ブログをご覧の皆さんの周りでも、
見かける機会があるのではないだろうか?
真相をご存知の方がいたら教えて頂きたい。

ゆるキャラは「ゆるいマスコットキャラクター」の略。
独特のほのぼのとした雰囲気を漂わせたマスコットキャラクターの総称で、
イラストレーター・漫画家・エッセイストの「みうらじゅん氏」が考案した。
「新語・流行語大賞」へのノミネートが2008年である事から、
ここが、認知・浸透が本格化したタイミングと言えるのではないだろうか。

敢えてもう一度掲載。

肩の力が抜ける(*´Д`)。
個人的には、少々ゆるすぎるのではないかと思えるほどだ(´▽`*)。

…と、この「○○すぎる」というフレーズを耳にする機会が増えたのも、
実は2008年辺りが出発点。
現在も青森県・八戸市市議会議員を務める「藤川優里さん」が、
当時、選挙でトップ当選を果たした際、
その美貌が注目を集め「美人すぎる市議」と呼ばれた。
彼女の写真集やイメージDVDが発売されたのは、記憶に新しいところ。

以来、多くのジャンルで美しすぎる○○が、ネットやマスコミによって輩出。
更には「旨すぎる」「スゴすぎる」など、本来のニュアンスとは逆に、
肯定を強調する言い回しとして使われるケースが珍しくなくなった。

「ゆるキャラ」も「○○すぎる」も、8年前に端を発する変化の1つ。
今では巷に溢れている。
その両方を体現している「こめぼうや精米機」で、
僕は、せっせと米を磨いている。
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隠れてこそ罠。

2016年02月21日 14時19分45秒 | 自然
今回は、昨日の続編にあたる。
まずは、少しおさらいから。

虫に花粉を運んでもらい受粉を果たす植物が、
運び手を惹きつけるために用意したのが、花というタレントだ。
色や香りで興味を誘い、お目当ての客が入りやすいようプロポーションを整え、
無事に訪問が叶えば、お礼に蜜や花粉を振る舞う。
顧客を獲得し、満足させるために咲く花は「目立ってこそ」存在意義がある。

一方、自然界には「スポットライト避けて生きる道」を選ぶものもいる。
 
例えば、街路樹を隠れ蓑にする蟷螂がそれだ。

細長い体形は、葉と葉の隙間に収まり、体色は葉の緑に溶け込んで、
うっかりしていると見落としてしまうほどに目立たない。
獲物を待ち伏せ、不意を突くための効果的な演出だ。
しかし、蟷螂もまた立派なタレント。
脚光を避けているが、狩りというシーンの主役…「ハンター」なのだ。

…さて、前回の投稿で書いた通り、僕は裏方でいる事を好んでいる。
因って、もしもこの場面で役割を果たすとしたら、
狩人が潜む「児の手柏(コノテガシワ)」になりたい。
罠を張るお膳立てをし、舞台全体を司るのは裏方の醍醐味である。
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目立ってこそ花。

2016年02月20日 20時48分49秒 | 自然
僕は、裏方を好む人種だ。
自ら先頭に立って物事を進めるよりも、
陰で実務を引き受ける方が性に合っている。
冠婚葬祭や行事などでは、そうも言っていられない場面もあるが、
常々、出来る限りひっそりと暮らしてゆきたいと考えている。
幸い容姿は平凡だし、殊更に目立つ心配はない。

一方、世の中には、看板として自ら表に立つ事を厭わない方もいる。
例えば、役者、芸人、ミュージシャン、政治家、スポーツ選手、
オーナー経営者や、水商売のホステス(ホスト)などがそれだ。
衆人の注目を集め、顧客を獲得するべく頑張る。
それって、素直に「凄い」と思う。
多岐に亘るジャンルで活躍する彼等を、少々乱暴に総称すれば
「タレント」となるだろうか。

…そんなタレントは、自然界にもいる。
 
例えば、冬枯れに咲く紅梅がそれだ。

虫に花粉を運んでもらい受粉を果たす植物にとって、虫は大切なお客さん。
その袖を引くために用意したのが、花だ。
色や香りで興味を誘い、お目当ての客が入りやすいようプロポーションを整え、
無事に訪問が叶えば、お礼に蜜や花粉でおもてなし。
客層を絞り込もうと、わざと構造を複雑にした敷居の高い種類も多い。
花は、顧客を獲得し、満足させるために咲くタレント。
「目立ってこそ」存在意義があるのだ。

特に、まだ春浅い時期に咲く梅は、デビューしたての新人タレントのよう。
フレッシュで鮮烈な印象を与えてくれる。
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道中嗟嘆在。

2016年02月14日 15時03分26秒 | 賭けたり競ったり
例えば、小学校の通学路。
または、お化けが出ると噂になった路地。
あるいは、朝日・夕日が美しく見えるコース。
誰しもそんな個人的に「思い入れ深い道」の1つや2つが、あるのではないだろうか?
そして、密かにその道に自分なりの名前を付けている事も、あるのではないだろうか?
僕の場合は次の画像がそれ。
勝手に「呻き(うめき)街道」と呼んでいる。
 
この下り坂は、県道59号線の一部。
ちょうど、場外舟券売場「ミニボートピア津幡」からの帰り道だ。
負け戦の後は悔しさに歯噛みし、凱旋でも読み違いや賭け方のミスを振り返り、
ついつい呻き声が出てしまう。
つまり、あれこれと悩みが尽きない道中なのである。

…という心境を、怖れ多くも、有名な唱歌で替え歌にしてみました。

分かりやすくと思い、並べて掲載しました。
北原先生、大変失礼しました。
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