世界は様々な色に溢れていて、沢山の楽しみを与えてくれる。
しかし、目に映る彩(いろどり)を無くすと「想い描く色」が豊かになる。
階調の数が減る事で奥行きが生まれ、違う何かが見える気がする。
散歩中や旅先で撮影した画像を白黒に加工し、思考の旅に出かける試み。
不定期連載「monotone Journey」第十篇。
今回は最後に敢えてカラー画像を加え(+1)とした。
今朝(2022/07/24)午前6時過ぎ、散歩を始めて程なく気が付いた。
「光の射し具合と、影の落ち具合がいいな---」
左程暑くなく湿度低めで、太陽の高度も低い。
写真撮影技術については素人を自認する僕に理屈は分からないものの、
いつもに比べ、何となく「いい感じ」。
モノクロで味わいが出るかもしれないと考え、幾つかシャッターを切った。
津幡中央銀座商店街のスナップ。
建物に遮られ日光は地表まで届いていないが、
一部、窓ガラスや壁面に反射し路面を照らす一角も見受けられる。
陰影が際立つと受ける印象が普段とはまるで違う。
時間まで超越したような、過去へスリップしたような錯覚を覚えるのだ。
「勝泉米穀店」店頭の幟は、女子レスリング五輪金メダルコンビ。
津幡町出身の「川井姉妹」だ。
暦の上では「大暑」ながら、ひたひたと、季節は歩みを進めている。
そう遠くない未来に控えるのは、実りの秋だ。
現在、津幡町に唯一残る造り酒屋「久世酒造」の板塀。
同社が創業した天明6年(1786年)は江戸時代後期。
もちろん、それ程の昔からではないが、
風雪を耐えてきた木材をモノトーンにすると枯淡の趣きが増す。
また、窓枠に腰かけコチラを凝視するブチネコ、店舗ショウウインドの達磨も同様だ。
モノクロ画像の最後は「久世酒造」傍、
標高15メートルの小高い丘陵地・大西山への案内。
その坂を上った上には、看板の遺構・施設がある。
@津幡城跡--- 源平合戦の折、平家軍が津幡に陣を敷き、街道を見下すこの地に砦を築いた。
@れきしる--- 津幡町の遺物を集めた歴史館。
@為広塚--- 室町~戦国時代の公卿・歌人「冷泉為広」墓所。
そして、かつてはわが母校「津幡小学校」の校舎も建っていた。
先回投稿では、大西山の小学校について「司馬遼太郎」氏の名作を引き合いに出し、
丘の上の青天に輝く 時の雲を目指してと題した。
これが「丘の上の青天に輝く雲」である。