つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡町での初めて物語③

2012年05月30日 07時48分28秒 | 初めて物語
“シリーズ津幡町での極めて個人的初体験”その3。

「今日の一枚」は、夕日に染まる津幡川。
おそらく川尻水門が閉じられているためだろう。
また風が止んだためでもあるだろう。
穏やかで波一つ立っていないように見えるが、実際は違う。
僕の携帯電話のカメラでは捉えきれていないだけで、
鏡面のような川面には幾つもの波紋が起きていた。

魚が水中から浮かび上がり、束の間、水面に顔を出してはまた沈む。
そんな行為が、川のあちこちで何度も繰り返されていた。
呼吸のためだろうか…?
水の中の酸欠は、例えば、水温上昇で酸素が溶け込み難くなる、
バクテリア増殖によって水中の酸素が一気に消費されるなど、
水質や環境の変化によって一瞬に起こると聞いた。
おそらく、僕が目にしたのは、こうした理由だったと推測する。

…しかし、小学生だった僕が初めてこの現象を目撃した時、
何らかの毒物が原因ではないかと思い込んだものだ。

当時は、環境汚染と公害病が問題になっていた時期。
水俣病、イタイイタイ病、カネミ油症、四日市喘息は、
“四大公害病”と呼ばれ大きな被害を出し、世間の耳目を集めていた。
東宝映画のドル箱・ゴジラシリーズでは、
1971年に公害をモチーフにした怪獣「ヘドラ」が登場。

 

宇宙から飛来した鉱物が、静岡・田子ノ浦のヘドロと結びつき変異・発生。
最初はオタマジャクシのような状態だったが、
化学工場の煙突に取り付いてスモッグを吸い、有機廃棄物を食べて成長。
排気ガスを噴射して空を飛び、直立2足歩行で素早く地上を移動しながら、
硫酸の霧を吹きかけ、汚染物質の爆弾を打ち出す、恐ろしい怪獣だった。
映画館の暗がりの中、その異様な迫力に圧倒された。

また、ヘドロにまみれた海がスクリーンに大写しとなり、
こんな歌詞の歌が流れた。

♪水銀、コバルト、カドニウム、鉛、硫酸、オキシダン、
 シアン、マンガン、バラジウム、クロム、カリウム、ストロンチウム
 汚れちまった海、汚れちまった空
 生き物、みんな いなくなって 野も山も黙っちまった

…公害と環境汚染の恐ろしさが刷り込まれた無知な子供が、
前述した川面の異変を勘違いしたとしても、無理からぬ事だったのである。

                  (※2010年5月19日に関連記載アリ)
コメント
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