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つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡町の力強き自然。

2011年10月22日 10時11分09秒 | 自然
僕は度々、津幡市街と小高い団地を結ぶ幹線を散歩コースに選ぶ。
その道は、山を切り拓いて通した為、人工と天然が隣り合わせている。

例えば「冒頭の一枚」。
アスファルトの歩道から逸れれば、折り重なった蔦や葛が群生。
すっかり地面を覆い隠し、人の背丈近くまで繁茂していた。
サイズが小さい昆虫類にとってそこは、昼なお暗い密林の趣。
身を隠す絶好の環境であり、大切な生活空間なのである。
草の中をかき分けて進むと、飛蝗や雲霞にヨコバイ、蝶・蛾の仲間などが、
沢山飛び出てきた。

そんな虫達を狙って、街路樹の木と木の間にはトラップが…。

 

女郎蜘蛛である。
秋は、大きな巣が目立つ。
…きのうは、僕自身の「飛蝗」の勘違いについて投稿したが、
女郎蜘蛛も誤解を招きやすいかもしれない。

巣の中央にいるのは雌ばかり。
赤、黒、黄色と鮮やかに彩られた派手な見た目や、
網にかかった獲物のみならず交尾時にオスをも捕食する貪欲さなどから
女郎…いわゆる“遊女”を連想してつけた名前だと思いがちだ。
しかし、命名にはもう1つ説がある。
美しく高貴なイメージから、
身分の高い女官「上臈(じょうろう)」に準えたのだそうだ。
女郎蜘蛛の由来が、遊女であっても上臈であっても、
そこには、男心が持つ女性への畏敬や憧れが潜んでいる気がする。

そして視線を足もとへ落とすと、歩道が波打ち、
樹木の根がアスファルトを盛り上げていた。

 

山野を切り拓いて道を通す。
それは人間の技術と力を示す産物だが、不断のメンテナンスを怠れば、
努力は水泡に帰し、たちまち緑に凌駕されるだろう。
やはりトータルな力量を比べてみると、大自然の方が圧倒的に上なのである。
コメント
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