新世代の超絶ギタリストの一人、Nick Johnstonの最新作アルバムです(2016年5月発売)。
これまで、Young Guitar誌付録DVDでの教則ビデオ等を見る限り、
フレーズ的には無機質な速弾きリックをピロピロ弾きまくる・・・という印象でしたし、
音質的にも「いかにも3シングルのピックガード付きストラト」的な、
チリチリ・ポコポコした音で、正直、個人的にはあまり好きではありませんでした。
なので、この最新作が出た、という話を聞いても、特に食指は動かなかったのですが
たまたまApple Musicに入ってたのを見つけて、「まぁ、試しに聴いてみるか」と思い
聴いてみたところ・・・
うーん・・・
何か全体的に暗いし地味だなぁ~というのが第一印象でした。
バッキングがほぼ全編、アコースティックピアノとベースとドラムのみで、
音圧は薄いし、曲調はマイナーばかりだし、全体的にトーンが同じだし、
1曲あたり5~6分ぐらいの長い曲が多いし、
ギター的にもそんなにピロピロ弾きまくってるわけでもないから、
何かつまんないかも・・・と思っていたのですが・・・
でも、なんかメロディがいちいち引っ掛かるというか、 印象的なメロディが多くて
「んじゃまぁ、もう一回聴いてみるか」と思い、もう一回聴いてみると・・・
やっぱり地味だなぁ、と(笑)。
でも、やっぱりメロディは良いよなぁ、メロディは・・・と思ってもう一回。
・・・と、なんか知らないうちにループし出して、止まらなくなってしまいました。
これ、聴けば聴くほど良くなる、典型的なスルメアルバムですね。
Nickも、あれだけピロピロ弾けるのに、本作ではむしろ良いメロディを
いかに情感を乗せて弾くか・・・?というところにこだわっているようで、
ここまでエモーショナルに弾けるのか!と驚きの発見でした。
上に書いたように、アレンジ的には決して良いとは言えないし、
他のアレンジャー/プロデューサーと組んだりすれば、
第一印象とかもっと良いアルバムになったのかもしれませんが、
でも、Nickの世界観的にはこれでOKなのでしょう、きっと。
2曲ほどYouTubeにPVがアップロードされていますが、
その映像のような、荒涼たる荒野のような寂寥感ただようイメージだ、
と考えれば、あの音像は、あれはあれでそういう映像世界にピッタリだな、と。
楽曲的には、良いメロディの佳曲が揃っていて、捨て曲無し、ですね。
第一印象は良くなかったくせに、いつの間にか、個人的な2016年ベストアルバムの
上位ランキング入りです。
YouTubeで全曲聴けるので、皆さんも、興味があれば是非聴いてみて下さい。
個人的には、1曲目、2曲目、4曲目、6曲目が特にお気に入りです。
ここまで良いアルバムを作ったNickに何か還元したい、と思ったのですが
Apple Musicで全曲聴けるのに、今更CD買うのもな・・・と躊躇してたところ、
オフィシャルサイトで、TAB譜のデータをダウンロード販売してるのを見つけて
これだ!と思って、購入しました。
US$25なので、今の為替レートで約3,000円ですね。
ホント、良い曲ばかりで、弾いてみたいと思わせるメロディばかりなので
TAB譜購入出来て良かったです。
皆さんも、もし弾いてみたいと思ったら、是非NickからTAB譜買ってあげて下さい~!