ROCK O' MOTIVE blog

Co-heyによるギター話、CDレビュー、その他雑記・雑感等

Moray Pringle - "Four Day Weekend"

2021-04-29 08:18:43 | Music Review

先日、YouTubeでふと見つけた英国人ギタリスト:Moray Pringle(モーレイ・プリングル)の
新作EP『Four Day Weekend』を聴きました。

CharvelのGuthrie Govanシグニチャーモデルを使っていますが、まさに!というか
プレイスタイル的にも、Guthrieを彷彿とさせる、ロック~フュージョンを行き来する
ヴァーサタイルなプレイですね。
プレイの端々、例えばスライドアップしてのチョーキングとか、ちょっとした
ビブラートの付け方とか、フレーズの表情的にも、非常にGuthrieに似ていますよね。
技術的は、弾こうと思えばもっとピロピロ弾けるんでしょうけど、
あくまで楽曲重視で、弾くところと弾かないところをわきまえた緩急の付け方がGoodです。

そして、テクニックだけでなくメロディセンスも良いですね。
楽曲も素晴らしいので、ずっと聴いていられます!
EP全体の楽曲的にも、Guthrie Govanの1stソロアルバム『Erotic Cake』や、The Aristcratsの1stアルバム
辺りの雰囲気を感じます。

音作りの面でも、チューブアンプの心地好いオーバードライブで、音色もGuthrieっぽいですね。
何から何までGuthrieっぽい(笑)

ちなみにミックスとマスタリングは、Arch Echoのギタリスト:Adam Bentleyが手掛けているようです。
(というか、Adamのプロフィールを見ると、本業はミックス・エンジニアのようですね。)

単純に「どうせGuthrieの物真似、Guthrieフォロワーでしょ!」と切り捨てるには勿体ないというか、
そもそもGuthrieっぽく弾ける人、世の中にそんなにいないと思いますし(笑)
このMorayのプレイを聴いていて、
「ああ、Guthrieに似てるなぁ~」
「どうして似てるんだろう?」
「あ、フレーズの表情付けか!」
「ん?ということは、そういう表情付けをすれば、誰でもGuthrieっぽくなる?!」
とか、学ぶところは色々あるな、と個人的には思いました。

あまりに気に入ったので、2019年発表の前作EP『Sunday Lines』も聴いてみたのです
こちらもやっぱりGuthrieっぽくて(笑)、でも楽曲・プレイ共に全曲素晴らしい出来でした!

 

僕は、楽曲が気に入って、最近はもっぱらこの2枚のEPをヘヴィロテで聴いています。

Guthrie Govanが好きな人は、是非一度聴いてみてください!
(って、Guthrieが嫌いなギタリスト、いないと思いますが(笑))

Sheet Happens Publishing辺りで、この2枚のEPのTAB譜集を発売してくれないものか・・・
もし発売されたら速攻で買うのにな・・・

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NUX Mighty Plugでの音作り(クリーン)

2021-04-18 15:16:05 | アンプ

NUX Mighty Plugでは、大きく:
 (1)クリーン
 (2)オーバードライブ
 (3)ディストーション
 (4)アコギシミュレーター
の4種類の音色を使い分けることができます。

購入時に、既に4種類の音は本体にプリインストールされていますが、
音色の調整は、スマホにNUXのアプリ「Mighty Amp」をインストールして、
そちらで行い、調整後の音色は、Bluetoothで連携して本体に保存されます。

「俺はアコギなんか要らないからクリーンの音色を2つ作って保存したい!」
と思っても、残念ながら、それはできません。
あくまで、この4種類の各々に一つの音色のみ、です。

また、音色の切り替えは、本体中央の大きな丸ボタンを押すごとに
クリーン→オーバードライブ→ディストーション→アコギ→クリーン・・・
という順番に切り替わります。
クリーンの次にディストーション、とか、切替順を変更することはできません。

まぁ、ライブ用とか録音用ではなく、あくまで自宅での個人練習用ツールですから
その辺りの不便さはあまり問題にはならないかと思います。

さて、参考まで、僕が実際にどういう音を作って弾いているのかを、
パラメーターで公開しますね。

最初は、クリーンから。
(※ギター側は、フロントPUを使用)

アンプはFender Twin Reverbタイプを選択。
IRでもTwin Reverbタイプのスピーカーを選択しています。

そして、エフェクターとして3Bandイコライザーを掛けています。
Twin Reverb的な深みを出すために中~低音を強調してみました。

これで、なかなか暖かみのあるTwin Reverb的な音が楽しめます。

<以下、続く>

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前言撤回

2021-04-11 22:48:00 | guitar

前回、和田アキラさんの思い出を語る中で「コピーする気にならなかった」と言いましたが
前言撤回。
思い出しました。
1曲だけ、コピーしたことあります。

和田アキラさんのソロアルバム『Yellow Moon』の2曲目「The Night of the Bulls」を
コピーしたことがあります。(下記動画の5分52秒目から)

 

いつもの超絶速弾きの応酬ではなく、この曲では、ゲイリー・ムーアのような
泣きのギターが炸裂していて、メロディーもグッと来る泣きのメロディーでとても良いです。
それこそゲイリーの「Parisienne Walkway」にも通じる要素があるかと思います。

これは、初めて聴いたときから「これは名曲!是非コピーしてみたい!!」と思って、
当時、オケも自作して、結構頑張って練習しました。
(あのオケのデータ、どこへ行ってしまったのやら・・・)
ビブラートやスライドでの細かいニュアンスの付け方とか、
結構勉強になりました。

残念ながら、この曲を知らない人がほとんどだと思いますが(涙)
多くの人に知って欲しい名曲だと思っていますので、
これを機に是非一度聴いてみて、そして、もし気に入ったら、
皆さんも是非コピーしてみてください!
そして、和田アキラは決して超絶速弾きだけの人ではなかった、
という認識を持っていただければと思います・・・

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和田アキラさんの思い出

2021-04-03 17:22:50 | guitar

未だ悲しみの中ですが、和田アキラさんの思い出を、思いつくまま、幾つか書き記していきます。

もうだいぶ遠い昔の話ですが、大学生になったばかりの頃まで、
僕は基本的に洋楽HR/HMしか聴いてませんでした。
当時のご多分に漏れず、インギー、ポール、ヌーノ、ザックetc.のヤンギ系ばかりな感じで。
未だJazz/Fusion等にも興味は無く、本当に守備範囲が狭かったです(笑)。

そんな中、知人から「速弾き好きなら、和田アキラは観ておいた方が良いよ」
と言われて、当時六本木にあった六本木PIT INNでのPRISMのライブに誘われて
観に行ったんですよね。

PRISMの名前はギター雑誌などで見たことはあったかも知れませんが、
当時はYouTubeもサブスクも無いし、お金も無いからレンタルCDでも
最低限のものしか借りれなかったので、PRISMがどういう音楽をやっているのか、
和田さんのギタープレイがどんなスタイルなのか、全く聴いたことがありませんでした。
(その点では、今の時代は、気になったアーティストの音をYouTubeとかサブスクで
すぐ聴けるから本当に便利な世の中ですよね・・・)

その視野の狭いメタル小僧は、日本人のテクニカルギタリストと言えば
高崎晃が唯一の最高峰だと思ってたので(笑)
「和田アキラとかよく知らんけどなんぼのもんじゃい。
 上手いって言ったって、タッカンより上手いなんてことないっしょ~?
 まぁ一回ぐらい観ておくか」
ぐらいの浅はかな思いでPIT INNに出かけたのですよ・・・。

そしたら、まぁ、そんな浅はかな認識は、あの鬼神のごとき超絶速弾きに
一発でノックアウトされまして。
使用するスケールやフレーズのタイム感など、あらゆる面で、速弾きは速弾きでも
それまで自分が知っていたメタル系の速弾きとは「言語」や「話法」が全く違う速弾きですしね。

しかも、フレーズの息継ぎが長い!尋常じゃない超絶速弾きが何小節続くの?!みたいな。
あれにもビックリしました。「え?まだまだ更に行くの?!」みたいな(笑)

スケールの知識なども乏しく、音楽的素養も薄いただのメタル小僧には、
目の前で何が起きているのか、全く理解できませんでした。
理解はできませんでしたが、とにかく凄い!ということだけは身に沁みました。

そこからはもう夢中になって、PRISMのライブも何度も観に行きましたし、
CDも買ったり、あとギターセミナーみたいなのにも何度か行きました。
セミナーで、一度だけですが、ちょっとセッションさせていただいて
アドバイスいただいたこともありました。

確か、そのときには
「キミは、アドリブを弾いているときに、少し先の展開までは
 頭の中で見えているんだろうけど、それが『少し先』までだから
 オッ!フレーズが盛り上がってきたな~!というところで
 シュン・・・と、しぼんでしまうような部分があるね。
 それがあともうちょっと先まで『長く』見通せるようになると、
 もっと大きい流れ・構成の中でフレーズが弾けるようになると思うから
 そういう意識を持って練習すると良いと思うよ!」
的なアドバイスをいただいたように記憶しています。
結局、そういう風にはなれませんでしたが(涙)
でも、本当に良い思い出です。

改めて考えると、和田アキラさんは、僕が好きになったギタリストの中で
唯一「コピーする気にならなかったギタリスト」でしたね。
完コピできたかどうかは別として、インギーにしろ、ヌーノにしろ、
あるいはルカサーにしろスコヘンにしろ、好きになったら
「コピーしてみたい!」と思ってスコアを買ったり耳コピしたりしましたが、
和田さんの場合は、そもそも「あ、これは絶対コピーできないわ!」
「何をどう弾いて良いのか、全く分からん!」と
最初から諦めてしまっていましたので(笑)。

PRISMがエリック・クラプトンの来日公演で前座を務めたとき、
クラプトンのマネージャーがバックステージで和田さんのギターを聴いて
「あ、やべぇ・・・コイツ、クラプトンより巧いわ・・・」とビビッて
こっそりアンプのボリュームを下げた・・・という、
嘘か本当か分からない伝説も聞いたことありますが(笑)
もし当時から今のようにインターネットやYouTubeなどがあったりしたら
もっともっと世の中に知られていたでしょうし、時代が違えば
本当に世界的に活躍されていたかも知れない方だな、と思います。

和田さんの速弾きは、まぁ、当たり前に速弾きなんですが(笑)、
僕には、単なるギターの速弾きじゃない、という印象でした。
上手く言葉に出来ないのですが、ギターの音を聴いている間、
メロディーがどうの、コードがどうの、リズムがどうの
というような音楽的な要素を味わうというよりは
音に込められたエネルギー(?)あるいは波動(?)的な何かに身を晒している
・・・というような感覚に陥ると言いますか、そういう不思議な感覚でした。
そういうふうに聴いてしまうギタリスト、他に思い付きませんね。
そういう感覚で聴いていたから、コピーする気にならなかった、
という部分もあったかも知れません。

僕は正直、PRISMというバンドではなく
ただ和田さんのギタープレイが好きだっただけなので、
曲というよりギターフレーズばかりを聴いていた感じで、
だからコレという推し曲はあんまり無いのですが、
特に好きな曲として「Karma」を挙げておきます。
もし和田さんのプレイを一度も観たり聴いたこと無い方は、
以下の動画を一度で良いから観てみていただければ、と。
そこから、もし、何か、僕が上に書いたような要素を
少しでも感じるような体験があれば嬉しいです。

和田さんのおかげで、視野の狭かったメタル小僧は
少しだけかも知れませんが、世界を広げることができたと思っています。
色々な気付きと思い出をありがとうございました。
R.I.P.

Prism - Karma

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