津本幸司「読めば上達!!ギタリストの盲点」
バークリー音大卒のハイパー・モーダル・プログレッシブ・テクニカル・
フュージョン・ロック・イン・アメリカ・何とかかんとか・・・(一部嘘、以下省略)
ギタリスト(笑)、津本幸司氏が、「月刊GIGS」で連載していた記事をまとめた本だそうです。
たまたま立ち寄った楽器店で見かけて1ページ目を立ち読みしたところ、
非常に面白かったので即買いしました。
この本、譜面とかも載ってたりしますが、いわゆる「教則本」というよりは
コラム的な趣きで、内容的にも「プロとアマの違いって?」「才能の有無って?」
「効率的な練習方法は?」「チャンスを求めて渡米すべきか否か?」などの
興味深いトピックばかりで、読み物として非常に面白いです。
しかも、単なるコラムというよりは、ある程度真剣にギターを弾いている人なら
誰でも一度は考えること、あるいは一度はぶつかる壁みたいなことについて、
「誰にでも共通する、普遍的・絶対的な唯一の正解」を教えるのではなく、
「自分なりの正解」を自分で見つけるためのヒントを提示してくれるヒント集、
という感じなので、完全アマ志向ギタリストは勿論、プロ志望ギタリスト、
あるいはプロギタリストですら(?)、読めば何かしら得るものがあると思いました。
津本氏は、海外生活が長かったという割には、日本語として文章も論理的だし、
興味を引くような文章を書けるという意味で、ギターだけじゃなくて
文章テクニックもあるんだなぁ~と思いました。(あるいは講師だから
まず冒頭で他人の興味を引いて、徐々に本題につなげる、みたいな
話術・テクニックに長けてる、ってことなんでしょうかね・・・)
ただ、やっぱりネイティブ日本人じゃないからか(?)読点「、」の打ち方が
ところどころおかしいので、文章としてちょっと読んでて気になりました。
「具体的に、どこが、どう、おかしいか、と、言うと、ちょっと、上手く、
説明、できない、のですが・・・」っていう感じでおかしいんです(爆)
まぁ英語でいうtoとかatとかonの使い方のニュアンスが、日本人には
良く分からない、というのに近いのかも知れませんが・・・
って言うか、ネイティブ日本人としてそれぐらい添削すればいいのに・・・・>GIGS編集部
まぁそういう点で、人によっては若干読みにくさを感じる部分はあるかも
知れませんが、個人的には、上達・上昇志向、あるいは向上心のある
ギタリスト全員に読んで欲しいと強くお薦めしたい一冊です。
定価1,260円ですが、個人的には、例えば、ここで書かれている内容を
どこかの会場でセミナー形式で教えてもらったとして、セミナー参加料金が
5,000円だったとしても、それだけの価値、あるいはそれ以上の価値がある
内容を教えてもらったな~と満足できるぐらいの内容が詰まっている、と
思いました。そういう意味では結構得した気分です、ハイ。
ちなみに僕はもう通して5回読みましたが、何度読んでも面白いし、
何度読んでも考えさせられることが多いです。