埼玉県知事選挙の投票率は全国の知事選で過去最低24.5%、と記録的な低さだった。
なにしろ3人いるはずの候補者の1人は、ポスターすら貼り出さなかった泡沫候補。
一人もわが町内へ選挙運動に来ないので、森生も選挙を忘れていたくらいだった。
現職上田知事への挑戦者は共産党の爺さま。原発が無い埼玉県で「原発ゼロ」がウリでは当選するわけがない。
選挙公報で現職が自慢する「やりました 私たちの実績と成果!上田県政2期8年」によると、
1.行政改革日本一
2.女性のチャレンジ支援
4.医療・福祉の充実
5.治安の回復
6.今どき元気な埼玉県
7.埼玉の教育改革は具体的
とあり、それぞれ具体的な成果が数字付きでルル書いてある。誠にご同慶の至り。だが......。
3.地域にやさしい環境先進県
とは如何なものか。この項目の具体的な成果として、
・彩の国みどりの基金を設置
過去30年で失った緑6500haを取り戻すプロジェクト
・水辺再生100プラン
(どぶ川を清流に)
・住宅用太陽光発電の設置基数(累計)全国2位
としたそうで結構結構と、と言いたいところ。
だが待てよ。緑を取り戻すプロジェクトと水辺再生100プランはウソだ。少なくともわが町で実際目にするところでは。
「緑を取り戻す」は「景観間伐」といいながら、「緑皆伐」であり、急な山肌に縦横に道路を切り開いたまま。
この辺は大雨が降らないからいいようなものの、豪雨になったら土砂崩壊の恐れがある。
「水辺再生」は高麗川の清流(ドブ川じゃないよ)を穿り返し、長い石垣を築き、カワセミや川魚を追放した。
それでいて「環境にやさしい環境先進県」とは笑わせる。
選挙運動中、朝日新聞に載った「1011年知事選 県政の《看板》」(7月12日朝刊)の見出しは、
「達成」数値は強調 「不名誉な数値」には敏感、反論
だった。
前回知事選のときも、1期目の総括として、「批判者にはムキになって反論する」という意味のことが書いてあり、マニフェストの達成度を都内某有名大学の学生会議が低く採点したら、それまでの上機嫌が途端に不機嫌になった、と書いてあった、と記憶している。
上田知事と県議会との間に波風は立たない。上手くやっているようだ。それは必ずしも悪いことではない。
だが、県議にもいろいろある。相手を見極め、田中角栄もどきとは距離を保って欲しい。
もともと民主党から出ていたが、今ではすっかり自民党そのものであり、角栄もどきを喜ばせるムダ遣いがある。
秩父市蒔田の道路建設でも指摘したが、もしかするとご本人が角栄化しているのかもしれない。
まぁ3期目も、波風を立てず、議会とはうまくやるだろう。
だが、批判や反論を、笑顔の陰のあの暗い目で抑え込んでいては、茶坊主が増え県庁は必ず腐敗する。
選挙には圧勝した、部下の役人は上手く乗りこなせるし、議会は懐柔できると考えているのだろう。実際そうしているようだから。
当選確実のときの言葉、
県民に大きな支持をいただいた。
埼玉は日本の縮図として先導的なモデルになりうる。
停滞している日本に風穴を開けられるよう、指導力を発揮したい。
上田知事を信任したのは得票率83%×投票率25%、つまり県民の21%しか。全然盛り上がらなかった知事選であり、実際は圧勝ではない。
ご自身を対象に制定した多選自粛条例に基づき、今期が最後の任期となった。
県民の残り79%の思いも大切にして下さいね。
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