スーパーからの帰り道も、山道を歩いた。
西武の車両基地を過ぎると、夕方にはまだ早いが、周りは急に薄暗くなる。まるで物の怪が出てきそうな道になる。
道祖神を過ぎると坂道だ。
20年前、ここは山あいの荒れた暗い植林地で、細い渓流が流れていた。
そこを西武が、近くのゴルフ場工事で削り取った土砂で埋め立てたのである。工事中はダンプを通したため道幅は広い。
だが工事が終わると、道はまた荒れ地に戻った。
道の湿った両側は、猪が餌を探すために掘り返した。人が歩く真ん中は川底のように小石がごろごろしている。
石を避けながら歩いていると、後ろの方から、タッタッタッ、と規則的な足音が迫ってきた。追い抜かれるのは癪だし、振り返るのは失礼だ。後ろからグサリかも.........。
少し不安になり、明るい坂の上まで急ぐことにした。
息が切れた。
それでも結局途中で追いつかれ、追い越され、町の方へ遠ざかっていった(▲)。
並んだ時にちらっと見たら、あれま、あの子狸爺さんだった。
爺さんは真夏の炎天下、半ズボン姿で、タッタッタッと町の坂道を歩いていた。よくまぁエライねぇ、と感心したものである。脚は森男より短いし、どう見ても大先輩である。
快足は真夏の成果だった。
若いヤツに追い抜かれるのは仕方が無い。後進には道を譲ってやろう。
だが、あの爺さんじゃあなぁ.......。
よーし、と決心はした。決心だけは。
写真は記事とは逆順に貼り付けました。
なにが起こっても不思議ではない雰囲気。
道も・・・木陰にも岩陰にも・・・
何が潜んでいてもおかしくない。
そんな風景ですね。
遭遇したのが少しでも知り合いである、
これは大いに気が休まりますよ。
読み終わって緊張が解けました。
今年の春 一番上の写真の右側の山の中で作業中 狸の巣穴を埋めてしまいました
お爺さんがその狸だったら ヤバイことになるとこでした
ちょっと 似てたんです