梅様のその日暮らし日記

その日その日感じた事や世間で話題の事について自分なりの感想や考えを書いていきます。

男の子

2014-12-27 15:07:40 | 日記
   あまり長くは書けないのですが、モン・ベルという、アウトドアー用品専門店が出している会員向け冊子に掲載されていた記事の中に興味深いものがあったので引用させていただきます。

   「数年前、ぼくの村で、台風の増水時に橋の上から川に飛び込んで、泳いで下った小学生がいた。すぐに学校に通報されて、両親が呼び出されて、校長に大目玉を食らった。両親も子供もなぜ校長が怒っているのかわからない。小さい頃から川で遊びなれた少年にいわせると、普段の川の水位では、飛び込むと浅いから危ない。増水時こそ川に飛び込んで遊べる唯一のチャンスだ、という。正論ではないか。若者に冒険を禁じる国は亡びる。」

   さて、あなたはこの話から何を読み取るでしょうか。私は元教員ですから、この時の校長の考えていることがよくわかります。校長が怒っている本当の理由は、この少年に万一のことがあった時、学校は何をしていたのだと非難の矢を浴びることを恐れているのです。少年の安全のことを考えて言っているのではありません。いや、この少年のちょっとした冒険のために、地域住民から通報されたということは、既に校長が非難されたのと同じ効果があるのです。

   学校とは時々奇妙な論理のすり替えを行うところです。このことを教訓に、「命の大切さ」を教える授業だって成り立ちます。おそらく校長は次回の朝礼で、生徒たちに命の大切さを訴え、絶対にこうした行為を真似しないようにと厳しく指導したことでしょう。

   しかし、この川を知り尽くした少年には、体験に裏付けられた絶対の自信があったはずです。両親も恐らく幼いころ全く同じ遊びをしていたので、増水した川に我が子が飛び込んで遊んでいたところで、何の心配もしていなかったのに違いありません。

   そもそも、男の子というものは一般に危険なことが大好きです。それが男の子というものです。世界では厳しい試練を経ないと大人とみなされない地域が沢山ありました。ケニヤのマサイ族は槍一本だけを持ってライオンを仕留めてこないと成人男子とは認められませんでした。バンジージャンプも、本来は大人と認められるための危険な行為です。足に木の蔓を巻いただけで、高所から地面に向かって飛び降りたのです。また、入れ墨にする時の大変な苦痛に耐えることを成人の条件とした部族もありました。

   それと比べたら、100パーセントOKという自信のもと、川に飛び込むくらい、かわいい物ではありませんか。塾に通う他はゲーム三昧で一日が終わったしまうような子供たちと比べたら、どんなにか健全なことでしょう。現代の子供たちは、受験こそあれ、本当の意味での試練を味わうことなく肉体のみ成人となってしまいます。
本当の「成人」の意味を知らないから、成人式で毎年あのようなバカ騒ぎが起きるのです。

   私はこの男の子はこの上なく「男の子」だと思います。そもそも日本の教育はこうした男の子が出現しないように、社会を上げて警戒をしているかのように見えることさえあるのです。しかもこんな状態で、選挙権を18歳から与えようというのですから、お笑い草です。