梅様のその日暮らし日記

その日その日感じた事や世間で話題の事について自分なりの感想や考えを書いていきます。

変なお爺さん

2014-12-25 12:14:06 | 日記
   松原団地5時27分発の浅草行き。私の向かい側の席に、一人のお爺さんが座っています。頭には毛糸の帽子をかぶり、マスクをしているので、知らない人にはどんな人なのかわかりません。両脚を目いっぱい大きく広げ、明らかに二人分の席を一人で使っています。その隣の若い女の子は、お爺さんのガニマタのあおりを食って、窮屈そうに身をかがめ、端っこに押し付けられるようにして、斜めに座っています。このお爺さんが座っている席は、本来私の指定席?です。私が今座っている席が本来お爺さんの指定席です。これまではずっとそうでした。

   ある日、自分がいつも座る場所が既にふさがっていたので、私は、深く考えもせず、お爺さんの隣に当たる場所に座りました。これが予想もしない結果を導くなどとは思いもせずに。

   お爺さんは、当然のごとく股を精いっぱい開いて、右脚を私の左脚に押し付けてきました。私はきちんと股を閉じて座っていたので、自分の脚の位置を動かさず、そのまま真っ直ぐにしていました。お爺さんは、それに対抗するかのように、更に右脚に力を込め、私に圧力をかけてきます。私は斜めに座ったりすることを整体の先生から固く禁じられています。それでなくとも隔週で背骨の矯正に通っているのです。お爺さんのわがままに付き合ってあげることはできません、そのままの体制を保ち続けました。

   するとお爺さんはいきなりピョンとはねて、股が気の済むまで開ける位置まで移動しました。着席と同時に私の方にちらりと抗議の視線を向けたのが感じられました。私も思わず、何なのこの人は・・・という気持ちで、つい2秒ほど横顔を眺めてしまいました。

   やれやれ、これで一件落着・・・と思い、ちょっと頭を前に出して、車両の奥の方を眺めようとしました。私はもうお爺さんのことなど忘れてしまい、以前書いた、「私を追い抜くまでダッシュして来て、私を抜くと歩き出す男性」が、一体どれくらいの位置に座っているのだろうと、確認したくなっていたのです。なぜなら、先頭車両に乗ってくれば何も走らなくとも私より前を歩けるのに、絶対に先頭車両にはいないことがわかっていたからです。

   私が頭を突き出した途端、お爺さんが私の視界を妨げるかのように、一緒に顔を突き出し、私を睨みつけました。めんどくさい人だなあ、と思いつつ、視線を合わせないように気をつけながら元の体制に戻りました。

   やがて電車は間もなく北千住に到着、お爺さんはここで降ります。しかしこのお爺さん、向こう側の席からわざわざ私の方までやって来て、膝で私の太腿を力一杯こすり上げて行ったのでした。しかし、混雑する電車の中で、皆さんが会談に近い出口に殺到するものなので、私もお爺さんに意図的なものを感じはしましたが、故意にやったのではないと思い込もうとしました。

   翌朝、私は再び松原団地駅のホームに立っていました。しばらくすると、立っている私の右脚に、ぶつかって来たと言っても間違いではない強さで当たって来た人がいました。昨日のお爺さんでした。お爺さんはそのまま、最前列にいる私の前に出て、割り込んで来ました。そして、まだ来るはずもない次の電車を見るかのように体を傾けています。

   私がこの電車を利用するのは、月・火の二日間のみです。そして次の月曜日が来ました。お爺さんはもともとはベンチに腰掛けていて、電車が到着したところでおもむろに乗車待ちの列の後ろにつくというのが習慣でした。その日はいつも通りベンチに座っていました。しかし列車が到着した瞬間、再び最前列にいる私に果敢に攻撃を仕掛けてきました。私の左にピタリとついて、私を押しのけて自分が先に乗り込むつもりなのだとわかりました。残念ながら体格的には私の方が有利なのです。私はお爺さんに押されて体制を崩せば他の人たちに被害が及ぶと考え、お爺さんの圧力をはねのけて車両に乗り込んだのでした。

   次の日は何事もなき、お爺さんもいつものパターンで乗車しました。やれやれ、気が済んだか、とほっとしていると、更に翌週の月曜日、お爺さんはやって来ました。横から割り込むのでは体力的に不利だということを悟ったのでしょう、また割り込んで前に出て来ました。もう、白い線の外側、という立ち位置です。私はこの争いごとに嫌気がさし、5:15初の始発に切り替えました。

   一週間がたちました。まだ暗い駅前を歩いていると、なんとなく人の視線を感じます。横を見ると、10メートルほど離れた場所、駅前広場のど真ん中を横断しているあのお爺さんがいました。しっかりこちらを睨みつけています。私は先頭車両には乗らず、3両目で乗ることにしました。しかし翌日も、更に一週間後にも、やはりあのお爺さんがいます。結局私は元の5:27の電車に乗ることにしました。

   数回は何事もなく済みました。あのお爺さんも姿を見せません。ようやく平和な日々が戻ったと安心していると・・・・。今週のこと、私がいつものように、最前列で(というよりまだ他の乗客が来ていないので)中国語のテキストのコピーを読んでいると、いきなり私の前にあのお爺さんが姿を現しました。私の左前すれすれに立ち、「ハ~っ」息を吐き、右肩を私に押し付けて、無言の圧力をかけてきます。まあ、ここで揉めて線路にでも落ちられると困るので、ぐっと我慢。私が押しても動かないと知ったお爺さんは、また私の前に立つと、なぜか前屈運動を始めます。この前屈には一体なんの意味があるのでしょう。自分でもなんとなく間が持てなくてごまかしているのでしょうか。

   かれこれ1か月半もこんな状態が続いています。いままでの指定席を捨て、電車に乗るとまっしぐらに昔私がいつも座っていた席へ突進し、座ります。そして私は空いている、お爺さんが昔ずっと座っていた席に座るのです。あのお爺さんは私にいったいどうしてほしいのでしょうか・・・・。謎です。