梅様のその日暮らし日記

その日その日感じた事や世間で話題の事について自分なりの感想や考えを書いていきます。

梅様少女時代を見る⑦(最終回)

2014-12-16 10:38:28 | 日記
   さて、ここまでは少女時代がKARAを圧倒しているという部分を中心的に見て来ましたが、KARAの方が優っている点ももちろんあるのです。不公平にならないように、その点にもきちんと触れておきます。少女時代は一言でいうなら、完成された極上のプロ集団だといえます。この上なく美しくまとまっています。これに対してKARAはどこまで行っても欠点だらけの未完成のグループに見えます。しかしその分、少女時代は集団としてまとまっているのであって、個々人の個性が突出して見えて来ることはありません。

   KARAの方はといえば、平気で一人一人が別々に突出して個性を発揮してくれます。その分歌唱力の不足なども露呈してしまうのですが、ギュリだ!スンヨンだ!ハラだ!ヨンジだ!と、個々のキャラが際立つのです。メンバーによるソロの時間を取ってあることもその点を際立たせています。観客がメンバーの個人名を連呼するのも、このせいだと考えられます。

   少女時代よりもはっきりと歌唱力において劣る彼女たちがソロで順番に歌うのは、ある意味冒険です。しかし、彼女たちは極めて誠意を込めてソロ・パートをこなし、個々の成長ぶりと個性をアピールしています。たとえばギュリは美人なのに、歌もそこそこうまいのに、真面目にやればやるほどなんとなく笑えてしまいます。スンヨンに対しては、頑張ってるなあ、の一言。ハラに対しては、歌が技巧的な意味でなくうまくなってきている、ヨンジに対しては、思ったよりずっとやるじゃないか!等々。脱退してしまったジヨンなどは、歌が一番へたくそなのに、ひとたびソロで舞台に立てば、全観客を味方につける特技を存分に発揮していた、という具合に。

   彼女たちは自分が不器用で、たいしたことがないということを自覚しているように見えます。その分、舞台の上で、個々の気持ちを込めた言動が、ひしひしとそれぞれの誠意を感じさせるのです。そこが熱烈なファンを引き付けて離さないのだろうと思います。

   少女時代は抜群に歌もダンスも上手なのですが、主観的な意味では、あまり心がこもっているようには見えません。テヨンなど抜群な歌唱力を持ち合わせているものの、うまさを見せる方が優り、それほど気持ちがこもっている感がありません。そんなところが少女時代とKARAの決定的な違いだろうと感じています。少女時代のファンが会場で大騒ぎせず、KARAのファンが度を越しているほど熱烈になってしまう原因も、きっとそこにあるのです。むき出しの自分たちをぶつけてくるKARAと、磨き抜かれた芸を見せつける少女時代のどちらを選ぶかは、まさに究極の選択といえるでしょう。

   この辺で東京ドームに戻りましょう。少女時代のコンサート、彼女たちがいったん楽屋に引っこみ、後はアンコール曲を残すのみとなりました。KARAの場合であれば会場全体に建物が壊れんばかりのアンコール・コールが鳴り響くところですが、やはり静かなものです。なぜか無言のうちに(!)静かなウエーブが始まり、レフトスタンドからライトスタンドへとつながって行きます。それにしても何故に無言なのでしょうか・・・。

やがて数名の観客が、アンコール曲の開始を待たずに席を立ち、帰り始めました。ドームに結集した観客はおよそ5万人。この人数の全てが会場を後にするには、小一時間を要することでしょう。更に水道橋駅の混雑を想像すると・・・・・私も意を決して席を立ちました。途中、学校帰りと見られる高校生の二人連れの話し声が聞こえてきました。
「少女時代終わったかな?」
「終わったんじゃない?音がしないから。」
「電車込むな!」

私は水道橋方面へは向かわず、思い切って逆方向を御徒町まで歩くことにしました。すると途中に昔はなかった大江戸線の駅が・・・・。おかげで御徒町まで歩くことなく帰宅の途に着いたのでした。帰宅後に残ったのは,KARAの時とはまた違った不消化な気持ちでした。少女時代の方が歌唱力においてもダンスの技能においても、歴然とKARAを上回っています。それなのに残るこの消化不良とも言える気分は何なのでしょうか。少女時代が万一来年も日本公演を行うようなら、もう一度行って、その理由を確かめてみたいと思います。

   帰宅してからしみじみ考えました。KARAと少女時代の本当の差は?少女時代のユナやソヨンは小学生の時にS.M.ENTERTAINMENTのオーディションを受けています。その時点から起算すると、いろいろあって活動が中断しがちだったKARAと比べたら、実質的に倍くらいのキャリアがあることになるのです。しかもKARAのメンバーたちは公募があってからデビューまでの期間がとても短かったのですから、少女時代とは基礎の出来方がまるで違うのですね。少女時代の方が完成度の高さにおいてはるかに優るのは当然の事なのでした。

   以上。明日からはまたいつものブログに戻ります。