梅様のその日暮らし日記

その日その日感じた事や世間で話題の事について自分なりの感想や考えを書いていきます。

ムン・グンヨンは天才である

2014-12-04 15:31:18 | 日記
  政治がらみの真面目な話題にすると、一気に閲覧数が一桁に減ります。それはそれは見事なものです。今日は政治的な話題を一休みして、得意分野の韓国芸能で。

   韓国にムン・グンヨンという若手の女優がいます。若手と言っても子役からやっているので、芸歴はかなりあります。この子はその「走り姿」において私が選ぶナンバー・ワン女優です。好きなくせにひねくれて男から逃げ出すシーンなど、いくらなんでもそれは速すぎるだろうと、呆れるほどでした。一方、子役時代に出演したドラマでは、育ての両親が実の子を連れてアメリカに渡ってしまうことを知り、来るまで空港に向かう育ての両親を、裏道から全力疾走で追いかける姿は、あまりの速さにその必死な心情が伝わり、涙を誘ったものでした。もっとも、黙って顔だけ見ていると、この子がそんなに足が速いとは絶対に思えません。

   この子のどこが天才なのかというと、それは同一年度内に放映された二つのドラマで、全く違うキャラをきっちりと演じ分けて見せたことでわかります。まずは、「シンデレラのお姉さん」という、良くわからないタイトルのドラマ。ヒロインのムン・グンヨンは、それまでのややぽっちやり系の姿をかなぐり捨て、引き締まった顔で、そうしようもない親に育てられ、極度の人間不信に陥っている娘を演じました。いつでも青筋を立てているような、心がいつもぎしぎしと音を立てているような、ひねくれきった娘になりきって見せました。こちらはシリアスな、一貫して緊張感を持ったドラマでした。

   続けて演じた「メリは外泊中」は、チャン・グンソクを相手役にした、二人の男性に振り回される善良な女の子を主人公にした典型的なラブ・コメなのですが、ここでは再び彼女の最大の持ち味である、「ちょっとぽっちゃり系・天然が入っているように見えて実はしっかり者なのに根っからの善人で損ばかりしている・あまりの頼りなさに心配していると、突如として隠れた筋を通す古風な女性像が顔を出す」ような、見るからにほっとけないタイプの女の子を演じています。実は全然ぽっちゃりではないのですが、なぜかそう見えてしまいます。

   この両極端な二つの役は、実際に見てもらわないとこれを演じ分ける演技力のすごさがわかってもらえないと思います。たぶん日本にはここまで極端な役柄を演じ分けられる女優はいません。韓国国内でもなかなか思いつきません。それほど彼女の演技力は卓越しています。

   と、ここまで書いてみて思いました。ムン・グンヨンなどという名前は、誰も知らないのではないか、と。知り合いの韓流おばさんは男性アイドルにしか興味がないのでもちろんムン・グンヨンなど知りません。KARAや少女時代に熱中している人たちも恐らく知らない人が多いでしょう。しかしムン・グンヨンこそ、あの悪名高き整形スケート選手が登場するまでは、「国民の妹」の名を欲しいままにしていた少女だったのです。

   彼女は、整形していないどころか、特別美人でもありません。しかしそのにじみ出る性格の良さで、これからも支持を失うことはないと思われます。顔の美しさで人気を集めたのではないことが、彼女の強みです。美女でないと興味が持てない人向きではありませんが、機会があれば一度彼女の出演したドラマなり映画なりをご覧になってみることをお勧めします。私はこの女優、無条件で好きです。