梅様のその日暮らし日記

その日その日感じた事や世間で話題の事について自分なりの感想や考えを書いていきます。

遺伝恐るべし

2018-01-30 16:38:40 | 日記
  前回の内容から思い出したことがあります。
  相当に重症の糖尿病を患いながら、焦るでもなくのうのうと暮らしている私は、一体どういう神経をしているのだとうと、自問自答してみました。結論は、

  「遺伝」

  の一言です。その時私はまだ20代でした。父が原因不明の不調に陥って寝込んでいたのですが、かかっていた近所のお医者さんから、自分の手には負えないから大塚の癌研究所に行ってもらいたいという宣告を受けました。つまり、癌の疑い濃厚というわけです。

  結果は再生不良性貧血。俗に言う白血病です。
  しかし、父は一度目は訳がわからないまま、検査に引き続いて入院させられてしまったものの、一時的に症状が軽くなり帰宅が許された後、てこでも再入院しようとはしません。私は既に結婚して別居していたのですが、母からのSOSにより、急遽実家へ駆けつける羽目になりました。

  そもそも私より兄二人の方がはるかに近所に住んでいたのに、どうして遠くにいる私を呼びつけるんだ!という不満もありましたが、そこは母の頼み故、はるばる駆けつけると、やはり父親は頑としてうんとは言いません。声を荒げたり興奮したりはしないものの、入院は嫌だという姿勢を崩そうとはしなかったのです。

  最後は私があきれてしまい、「それなら家で死んじゃいな、入院しなけりゃ間違いなく死ぬんだから!」と言い捨て、そのまま帰ろうとると、ようやく父は小さな声で、「入院するよ。」と言ってくれたのでした。

  白血病なのに、入院して症状が好転したのに、それでも再入院を拒んだ父。薬物による治療が過酷だったせいもありますが、そもそもは医者が嫌い、家が大好き、鉢植えラブの人間だったのです。

  そのことを思い出して、私は自分が医者の診断を受けようともしないのは、どう考えても父親からの遺伝に違いないと思うようになりました。なおかつ私には「じゃあ入院しないで目が潰れちゃいな!」とか「症状を悪化させて、片足切り取ってもらいな!」などと言ってくれる者もいないので、このままで済ませてしまうのだと思います。

  人間、他人事の時には正しい判断が出来るのに、自分のこととなると、情緒的でいい加減な見通しに走るものなのですね。

生き延びられるか

2018-01-27 13:02:12 | 日記

独り言っぽくで書いたので、いつもの「です」「ます」調ではなくなっています。



 昨年末は正直、この冬は越せないのではないかと思ったが、何とか生き延びられそうだ。

 朝起きて勉強を初めても、9時頃で精も根も尽き果て、立っているのも嫌という状態が続いていた。それはそうだ、血糖値が空腹時・食後を問わず300越えしていたのだから。

 一応109までは正常の範囲。200を超えると即時入院、インスリンを一日4回注射、というのが、普通の医者が進める治療になるらしい。さもないと、失明・脚が壊死して切除・腎臓が不調になって週3回の透析などが待っているからだ。...

 にもかかわらず、医者へ行くことすら拒んで、中国語の先生から固执!つまり偏屈者と呼ばれたが、言われても仕方ないとは思う。ただ、入院も注射も嫌なのだ。最後に医者に行ったのは、うっかり手首を切って、血管が露出してしまった時だけ。



 私は毎週一度、バーベルを使った筋トレを欠かさず行っているのだが、だるさの余り休んでしまったこともあった。ベンチプレスも80㎏を確実に上げていたのが、50㎏が上がらない始末。男のプライドがずたずたになってしまっていた。


 しかしこの3日前の木曜日、突然それは訪れた。今まで義務的に行って来た筋トレに対して、意欲というものが湧いて来たのだ。なおかつ、ガンガン行ける。8回と決めていたベンチプレスが、うっかりしていたら思わず10回挙げていたので、あわててそこでやめた。すべての種目において、ここ数年なかったほどのやる気と警戒さが感じられるではないか。


 実はある人があることをして筋力を回復したという手記を読み、それを私も実践してみたのだが、どうやらそうした記事にありがちな、宣伝のためのガセネタではなかったようだ。私がこれまでの人生で試してきた中で、唯一うたい文句と同じ変化を与えてくれたもの、それは


「菊芋」。


 もっとも、菊芋と同時にオリーブ・オイルと米ぬかの摂取を開始したので、どれが効いているのかは定かではないが、全て血糖値を下げる働きがあるとされているものだ。米ぬかは、糠床にするのではなく、そのまま食べてしまう。無農薬であることが絶対条件だが、きな粉に近い味で、そのままで十分食べられる。


 この効果が偶然あの日だけのものなのかどうかは、いずれはっきりするだろう。しかし、家の外に出ようという意欲が湧いて来たことも事実。後は夕食後すぐにウオーキングに出掛けて、糖質を貯め込んだまま眠らないという努力を続けて見よう。なんとか体力を回復して、秋にはまた中国へ出かけたい。まだまだ行き残した場所がたくさんあるのだから。

「つまらない人生だった」

2018-01-10 16:01:09 | 日記
「孤独死の予感」の次は「つまらない人生だった」・・・。何だか夢も希望も無いタイトルが続きますが、この際ですので続けて書いてしまいます。
 新人教師だった頃、私と仲良くしてくれた人がいました。学年的には同じですが、教師歴は私の方が一年先輩でした。彼については未だに解けない謎があります。それは、異常なまでに女生徒からも女教師からも、人気が無かったことでした。私はと言えば、毎朝早く登校して始業のベルが鳴るまで私の席の横で話し込んでいく女子がいたり、廊下で好意溢れるちょっかいを出して来る女子がいたり、相思相愛をうわさされる女子がいたり、新人男性教師としてはまあ、有り得るレベルだったのでした。後には私が既婚者だと知って、未婚なら自分がお嫁に行って面倒見てあげられたのに・・・と、ふくれっ面で言いに来た女子もいました。

 先述の男性教師を仮にKさんとしておきましょう。失礼ながらそのもてなさぶりは異様なほどで、恐らく私の人生で出会った中で、最も女生徒は縁遠い人だったのではないかと思います。あまりの人気の無さに、ある日私は先輩の女性教師に尋ねたことがあります。

「先生、Kさんがどうしてあんなに女子から敬遠されるのか、私にはどうしても理解できないのですが?」

答えはただ一言、

「私は分かります。」

でした。恐らくは女性一般を遠ざけてしまう何かを彼が持ち合わせていたのではないかと思いますが、男である私には、それが一体何なのか、よく分からないことだったのです。今でもその原因はよく分かりません。私から見て実にくだらないと思われる男が案外人気があったりしますし、女性からの男性観というものがよくわからないのです。あるいは私が男ばかり4人兄弟の中で育ったことが原因なのかもしれません。

 彼も自分が女性にもてないという事は自覚しているので、彼なりに女性に対して気を使った対応はするのですが、不器用なのか、それが相手に媚びているように見えたりする時があって、私の目にもこれでは難しいのではないかと思わせました。

 もっとも私も女生徒からは人気が無いと信じている同僚もいて、別の勤務先で、一番もてないと言われていた同僚から、「梅さんなら分かると思うけど・・・」と相談めいた話を持ち掛けられたこともありました。Kさんが私と特に親しくしてくれたのは、私も自分と同じように女生徒に不人気なのだと思われていたからなのかもしれません。

 そんなKさんは、その後も一向に女性とは縁が無く、途中で若い中国人女性と婚約してルンルンだという年賀状を貰ったこともありますが、案の定すぐに破綻をきたしたようで、その後そうなったかという連絡すらありませんでした。私も予想通りの展開に、後日談を聞く気にもなれず、その件はそのままになっていました。

 それでも彼は人生の終わり近くを共に過ごせる女性を求めて、何人も紹介を受けていたようですが、ある年の年賀状には、「紹介されるのは年増とブスとデブばかり・・・」というグチを寄せていました。それを読んで、彼が結婚にこぎつけることはもはやあり得そうもないと、一抹の寂しさを抱いたものでした。

  今年の年賀状にはこんなことが書いてありました。肺癌になり、つまらない人生だった・・・と。

 肺癌は耐え難い極度な痛みを伴います。薬で押さえることも出来るのでしょうが、痛みに耐えかねて暴れまくり、四肢を拘束されるような処置を受けないことを祈るのみです。彼がベッドに縛り付けられて身動きできないまま人生の最後を迎えなければならないとしたら、本当に悲しいことですから。

孤独死の予感

2018-01-09 15:07:15 | 日記
近所のアパートの一階に、お婆さんとその息子らしき男性・と言っても、私よりは若いかな?という程度の年齢なのですが・が二人で暮らしていました。晴れた日にはガラス戸を開け、縁側っぽくして、部屋に日の光を一杯に入れていました。二人きりですが、それなりにささやかに幸せに、寄り添って生きているように見えました。
ある日を境に戸が開けられることは無くなり、お婆さんの姿は見えなくなりました。

息子と思しき男性は独りぼっちになり、目に見えて動作が鈍くなりました。外を歩く時にも、脚が衰えて、手押し車につかまって歩くようになりました。

男性は、今日もアパートの脇の陽だまりになっているコンクリートの上で、まるで死んだかのように壁に寄りかかって眠っています。

心の支えを失った男性には、生きる理由さえ見つけることが出来ないのでしょう。
この先は・・・予想はできますが、あえて書くのは止めておきます。