前の記事で紹介した2013年度の私の担当ゼミの卒論発表会。
3年生は就活の真っ最中なのだが、企業の合同説明会等を途中で抜け出してでもリクルートスーツのまま4年生の卒論発表会に駆けつけてくれた。
3年生、就活中で自分のことで精一杯になってもおかしくないのに、また、就活でお金もすごく必要な時期なのに、教員も知らないところでこっそりお金を出し合って卒業生全員にサプライズで花束を贈呈し、4年生を泣かせていた。
3年生の中には、「先輩たちと別れたくない」と男泣きに泣く学生もいた。4年生が3年生にやさしかったので、3年生もやさしく送り出してくれたのだ。やさしさの連鎖反応・・・・。教員もホロリとなってしまった。
先日はこんなこともあった。3年生は12人いて11人は日本人で、1人は中国人留学生。その留学生のGくん、単身日本にわたってきて苦学して大学に入り、年齢も皆よりちょっと高い。バイト先では連日の夜勤。睡眠もあまり取れない中でもゼミには皆勤。発表もすばらしく、日本人学生たちにすごく好かれている。
先日は、そのGくんの誕生日だった。3年生たちは誕生会をやるとは告げないまま飲み会を設定し、宴たけなわの頃、突然にクラッカーを鳴らしてバースデーケーキと色紙をGくんにプレゼント。Gくん、うれし泣きしていた。
そのGくん、昨日は私のところにやってきて、「先生、このままじゃMくんの卒業危ないよ。Mくんに単位出してやって下さい」と頼んできた。そのMくん(日本人)は、Gくん同様バイトの夜勤で授業にあまり出席できず、したがって単位が危ない。Gくんは、友人のために真剣な顔をして懇願してきたのだ。
日中関係がこれほどまでに最悪な中でも、国境を越えて人間の心の交流はこんなにも暖かい。(しかし残念ながら合格点に達していないMくんに単位は出せないけど。現実は厳しい)。
本当にやさしい学生たちだなあと、教員としてちょっと誇らしく思っている今日このごろである。私も学生たちに感謝の気持ちをこめて精一杯おごったので、今月はサイフの中が・・・・。
東京をやさしさに包まれたおもいやりのある街にするためにも、妻をナイフで脅すようなDVを平気で行い、「女は生理があるから政治はできない」などという発言を公然と行うセクシストで、大金持ちのくせに姉の生活保護費用も出せないで、あろうことか国民の税金であるところの政党助成金を流用するような男を都知事にしちゃいけない。結局、最後はそこに落とす(^_^;
しかし関さんも厳しいなあ。昔、京大の生物物理の教官だった寺本英さん(数理生物学)は、学生結婚や生活のためのアルバイトなど、他の難しい課題に立ちむかっている学生たちに、何かと理由をつけて単位を出していたと聞きます。例えば学生結婚の学生には「男女の問題は古来からの大難問、これに取り組んできた学生に単位を出さないわけにはいくまい」などと言って単位を出したそうです。
越えられる壁は学位たちの協働の力で乗り越えさせる。越えられそうになかったら、多少の詭弁を弄してでも壁を下げて越えさせてやる。それが教育者のすべきことではないでしょうか。
寺本さんではなかったですが、私もそれで単位を出してもらって卒業しました。昔は牧歌的でよかったですね~。
本当はそっちの方が能力のある学生も育つんですけどね。
最近はMK省の統制管理が厳しくなり、それをやると教員のクビも飛びかねないという時代になってしまいました。私大までもが官僚統制の軍門に下り・・・。あな恐ろしや。