代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

小選挙区制の悲劇 中選挙区制の復活を

2017年09月28日 | 政治経済(日本)
 今回の解散総選挙の事態は、小選挙区制が招いた悲劇である。

 二大政党のどちらかに所属せねば当選は難しいという小選挙区制の力学を利用して、小池知事はどうやら民進党のリベラル層を公認せずに追い出しにかかる模様。議員の個性や多様な政治的意見はますます失われていく。すでに「大政翼賛会状態」という形容がふさわしいだろう。

 こうなることは20年以上前から分かっていた。1994年、小選挙区制の導入が国会で審議されていた当時、学生だった私は、「小選挙区制など導入すればファシズムになる」と訴え、キャンパス内で抗議のハンガーストライキなども行ったものだった。しかし、当時の大学のキャンパスの中など、本当に寒い雰囲気だった。
 「お前らがそんなことやってもムダやろう」などとも言われたが、余計なお世話だ。貧乏学生にとってのハンストは、ムダどころか節約になるのだ。
 
 現在の小沢一郎氏の姿勢はそれなりに評価するものの、あの当時の私は小沢一郎という政治家を本当に憎んでいたものだった。実際、小選挙区制導入の張本人としての小沢一郎氏の責任は、消えることはないだろう。中選挙区制のままだったら、これほどヒドイ日本にはなっていないだろう。

 小池氏がやっているように安保や憲法を踏み絵にして、多様な意見を排除しようなどという暴挙は、中選挙区制や完全比例代表制のもとでは起こらない。

 おりしもドイツでも総選挙が行われた。完全比例代表のドイツでは、緑の党やFDPや左派党などの小政党もちゃんと支持率に応じた議席を確保できるので、政治的意見の多様性は確保されていて健全だ。多様な政策的アイディアも次々に出てくるし、新自由主義や排外主義で一色に塗りつぶされるようなことは起こらない。今後、メルケルが緑の党などを連立のパートナーに選べば、ドイツの脱原発や脱化石燃料の動きは加速するだろう。一方で、小池氏が脱原発と言っても残念ながらまったく信用できない。
 
 政治家が「息を吸うようにウソをついて」平気になったのも小選挙区制の弊害か?それほど、小選挙区制導入以降の個々の議員の質的劣化も著しい。 

 つきなみな結論だが、中選挙区制に戻すべきである。私は選挙はあくまで、政党ではなく個人を選ぶべきだと思うので、ドイツ型の完全比例代表よりも、かつての安定し繁栄していた頃の日本の中選挙区制に戻すのがよい。
 こんなヒドイ政治の喧騒を見るのは、皆さん、もうウンザリでしょう。
 
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3 コメント

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ウンザリを速く無くしたいですね (帯刀)
2018-03-29 23:06:09
小沢一郎氏はおそらく、民主主義の先進国アメリカを見て小選挙区制度導入とかって言いだしたわけでしょう。「日本も先進の民主主義に追いつきましょうよ」と。でも他人を見る前にまず自分を理解することが先ですよ、あの御方は。日本での二つのやり取りってのは「お祭りだけ」でしょう。運動会の紅組白組、紅白歌合戦、田舎の村とかで神輿のぶつけ合いとかって、その様な形。それ以外、普段の生活の事についてはいろいろな意見を出し聞きあい、それで結論を出すというのが日本人というものですよ。小さな単位で言えば皆様方の家族の生活とか学校のクラス会とか。その様にちょっとした身近な例を上げれば解るでしょう。普段の生活で「あっちかこっちか」なんて二つの選択肢だけでの生活なんて日本人という御方々皆様してませんよ。付け足すとこの小選挙区比例代表制という選挙制度の一番始めの投票率、すごく下がっていますから。つまり一番の始めに国民がこの選挙制度を「NO」と言っているのです。
帯刀さま (関)
2018-03-30 22:29:32
 コメントありがとうござました。同感です。
弊害というもの、いくつもありますね (帯刀)
2018-04-08 16:06:25
以下のページにもこちらと同じ内容が掲載されています。ずっと以前に私は読ませていただきましたが。
https://mainichi.jp/articles/20150105/dyo/00m/010/021000c
http://www.data-max.co.jp/290411_nkt_ss01/
そのページを読ませていただかなくても私も充分に解っている事です。そしてまた現在の長く続いている「一強」と呼ばれる政治状況、その元は二つ有ります。
その一つは、ずっと以前に聞いた言葉ですが「政治の世界、一度死んだ人間は強い」
ですから私は政権政党が変わったと同時に頭の中に直ぐに現況が浮かび上がりました。実際その通りとなっています。復帰後の権力者は直ぐに「以前は怖かったが今は怖くなくなった」というコメントを出しているのも聞いています。
二つめはもちろんのこと、小選挙区制度にあります。
当選枠が一人しかないわけですから、与党議員の皆様方は権力者に異論が有っても言えないのです。あまり逆らう事を言ってしまうと党の公認を外される恐れが出てきますので皆様方は異論が有っても黙って従っているのです。国会議員で有りたいという自身への保身の方が先になっているのです。某雑誌に某政治キャスターからの「みなイエスマンになっている。」という記事を以前読ませていただきました。
小選挙区制度の弊害は他にもあると思います。
上記のページに書かれていますが、このおかげで未熟な議員が増えました。その結果というもの、言葉を置き換えて言いますと「親がきちんとしていなければ子もきちんとは育たないでしょう」その様に現在の日本社会というのは「治める人間、議員がきちんとしていないのできちんとした社会、治安にはなっていない、乱れてしまった」その様に私は思います。

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