代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

新国立競技場建設費を節約すれば江戸城天守を再建できる

2014年08月02日 | エコロジカル・ニューディール政策
  昨日(2014年8月1日)の東京新聞の読者投書欄に「天守再建と国立競技場」という投稿があったので紹介したい。費用がかかりすぎる新国立競技場の総工費を縮小し、その分の浮いた予算を江戸城の天守再建に回すべきである、と。2020年の東京オリンピックで、再建された江戸城天守を外国人観光客が見たらさぞ感動するに違いない。外国人観光客は大いに増え、その経済波及効果も計り知れない。今こそ天守閣を再建する絶好の機会ではないか、と。

 私も全く同感なので、この応援記事を書く。そう考えている方々は多いだろう。このチャンスを逃せば、もう未来永劫江戸城天守の再建など不可能になるのではないかとすら思える。

 新国立競技場は、あまりにも費用が掛かりすぎ、景観破壊、環境破壊と酷評され、物議をかもしている。当初の建設費は3000億円とも言われていた。予算圧縮の方針で縮小される見込みだが、それでもまだ1700億円。あまりに巨額すぎる。現在の国立競技場を改修する案であれば数百億円程度で可能だろう。 
 
 それに対する江戸城の天守閣の再建費用であるが、日本経済新聞の記事によれば350億円と試算されている(以下の記事参照)。新国立競技場の12%ほどの費用でできるのである。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDJ30010_R00C14A7000000/

 新国立競技場の総工費をせめて1000億円程度に圧縮できれば、余裕をもって江戸城再建費用をねん出できることになる。安いものだと思う。

 周辺の景観と調査しない巨大新競技場に血税を注ぎ込んで東京の美観を損ね、その後は巨額のメンテナンスコストに苦しむのか、それとも東京都民にやすらぎとうるおいをもたらすであろう美しい天守を蘇えらせるのと、どちらがお金の使い方として有効であろうか。その後の経済波及効果、東京の活性化、次世代に与える夢や希望といった点を考えば答えは明らかであろう。

 江戸城天守が再建されれば、明暦の大火で消失して以来、350年ぶりのことである。
 JR東京駅は、明治の創建当時の姿に蘇った。いま東京駅に行くと、あまりの美しさに心も安らいだ気持ちになり、しばし見とれてしまう。あの駅舎の癒し効果は相当なものである。
 明治の代表的建築の次は、江戸初期の代表建築の番ではないだろうか。東京駅の駅舎から江戸城天守まで、外国人観光客の絶好の観光スポットになろう。

 江戸城天守の設計図はそのまま残っているのだから、使う木こそ新しくても、文化と技術と魂は江戸のものそのままなのである。鉄筋コンクリート製の天守とはわけが違うのである。250年にわたって平和で持続可能な循環型都市を築いた日本の江戸文化は世界に発信できる誇りである。五輪にあわせて江戸文化の象徴を再建するのは日本の「志」を世界にアピールすることになろう。持続可能な新しい東京の未来のために、その象徴を造ろう。

↓江戸城天守を再建する会のHPをご参照ください。
http://npo-edojo.org/


 江戸城寛永度天守「復元図」CG

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