代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

黄河流域の植林③

2006年03月25日 | 中国山村報告
 退耕還林による植林後4年が経過した様子です。この場所も4年前は、前のエントリーの写真のように黄土が露出して浸食が著しく進んでいた景観だったはずです。わずか4年でここまで回復するのです。前のエントリーの写真とこの写真をよく見比べてください。
 村人たちに聞くと、浸食が止まり、土壌流出量も激減し、以前はちょっとした降雨で洪水になっていたのに、今は洪水も起こらなくなったと言います。
 もっとも、彼らは政府からの補助金と引き換えに自分の農地で植林したので、農地を失ったことによる生活不安は深刻なものがあります。
 
 ちなみに延安地域は、抗日戦争中に共産党の革命根拠地だった場所です。そのため、農民の共産党への忠誠心は非常に厚いものがあります。退耕還林政策は全国に先駆けて延安地域で1999年から実験的な実施が始まりました。何か大きな政策を実施に移す際、まず共産党への忠誠心の厚い延安で実験してみて、うまく行ったら他の地域でも実施しようというわけです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。