らじかのよかん

ふっ急になんかわかんないんですけど↑

ドリームランド

2006年11月12日 | 身辺
俺が幼稚園の年長さんの頃だ。

前日の雪もやみ、きれいな晴天となった日曜日。
父、母、俺、妹の四人でドリームランドに行った。
これは、以前から企画していたことであって、
前の日の雪には、はらはらさせられたのだが、
「晴れてよかったね」などといいつつ出かけたのだ。

流石に駐車場はすいてたなあ。

で、入場すると
なんと、積雪のため遊具はほとんど「運休」なのだ。
はっきりいうと、全面的に「運休」していて、
入場料を払って、「運休した遊具を見る」だけなのだ。
(よく開園してたな)

家族四人は、あまりのことにボーゼンとしつつ園内を一周した。

と、そこへ若い衆が現れて
父に
「旦那さん安くしておきますから、あがってくださいよ」
などと、客引きをはじめた。

だんだん様子がわかってきたのだが、
つまり
「安くしておくから、遊覧ヘリコプターに乗ってくれ」
と云っているのだ。

当時ドリームランドには遊覧ヘリコプターがあって、
これだけは 「本日も けなげに運行中」 なのだった。
きっと昨夜から、一生懸命 雪かきしたんだろうね。
で、ふたを開けてみたら、客がさっぱりこない。
そこで、 「安くしておく」 から乗ってくれ、
っていうことなのだ。

俺は「しめたっ」と思ったが、
提示された金額は、それでもかなりのものだ。
ここで父は
「せっかく来たのに、何にものってないし、
ヘリコプターに乗ることも、そうそうないだろう」と判断し
(とあとで云っていた)
ついに搭乗が決定した。

やったー。

さっそく、せこいプレハブの受付に行き、
けっこう真面目な搭乗手続きをした。
なにやら、保険関係の書類もあったな。

さてそのヘリの定員は、操縦士を入れて三名である。
父は地上待機、写真撮影係りとなる。
「下のお嬢さんは、お母さんの膝の上でいいですよ。無料です」
だそうなので、俺、母、妹の三名がついに大空へ飛び立つのだ。

いざ搭乗
「ヘリコプターは」とみると
あいやー、大丈夫か?
俺が見ても、
実に「きゃしゃ」な機体だぞ。

で、入っておどろいた。
非常に狭い機内。
当時の軽自動車よりも狭い。

母は膝の上に妹をのせ中央の席に、
俺が窓際へ。
っていっても、ドアもぺらぺらで、
窓は 無い のだな。
しかも、全面透明なので、足元が見えるのよ。

うわー、と思っているうちに、
やおらエンジンがかかって、あっさり離陸した。


高度は、2000フィートくらいだったのかな。
天気は良いので、抜群の視界だ。

「あれが大島ですよ」
と、操縦士が指をさす。
はるかかなたに、びかっと光って見えた。

いきなり旋回。
ぐらりと俺のほうが下になる。
全面透明だから足元に地面が見える。
そして、当然「翼」はないので(頭上を回っているから)
つまり、かなりこわいぞ。
でも男の子なので、「こわい」とは思っても云わないのだ。

「ほら、下にお父さんがいますよ」
父らしきひとが、それこそ芥子粒のように見えた。
たぶんカメラ(Nikon F オートNIKKOR50mmF1.4)をかまえているはずだ。

十五分くらいは飛んだかな。
小さいヘリコプターと俺は、無事に地面に帰ってきた。


人生最初にして、最小の飛行機の搭乗体験である。

たぶん今後も俺にとって「最小の飛行機」のはずだ。
今だに、小型の飛行機やヘリコプターには乗ってないし、
もし今後乗ったとしても、もっと「ましな」機体だろうから。
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1 コメント

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航空運賃 (らじお)
2006-11-15 21:02:15
母の「帳面」によると、
ディスカウント価格で、
大人¥1500-
小人¥1000-
幼児¥   0-
合計¥2500-
だったそうである。

定価は、俺のおぼろな記憶では、
大人¥2500-
だったと思うのだが。
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