らじかのよかん

ふっ急になんかわかんないんですけど↑

放射線はなぜキケンなのかを学ぼう!

2012年08月20日 | 放射線関係倶楽部
以下、簡単のために一部に比喩などをつかって説明するから、厳密ではない。

突如発心しました。
いやー久しぶり!

これで「学ぼうシリーズ」第10回目ですねえ。

放射線が「光」であって、「光子」という粒子であると、
第3回目「放射線とはナニか?」で学びました。

じゃあ「フツウの光もアブナイのか?」つー疑問が出てきます。
光はフツウに見てるし、植物は光合成するし、太陽電池でデンキも(少しですが)起こせます。
じゃあ「光子」で同じだし、「放射線いんでないの」つーノーテンキな意見も出そうです。


これをわかるには、生物の起源にさかのぼって見てみればいいのよ。

太古の地球には海がありました。←すごく重要
またその頃の大気は95%が二酸化炭素でした。←すんごい重要
だから、海の水にも二酸化炭素がとけています。

太陽からは燦々と「光子」が降っています。
その中には、赤外線もあるし(だから暖かい)、可視光線(かしこうせん/フツウの光だから見える)もあるし、紫外線(お肌の大敵)もあるし、
更に太陽は巨大な核融合炉ですから放射線(宇宙からくるので宇宙線ともいいます)もありました。

ある日、海の中で「変なもの」が出来ました。
海の水にとけた二酸化炭素を、太陽からくる「光子」のエネルギーを使って分解し、
炭素は自身に取り込み、酸素をはき出すモノです。
これ、「植物」の始まりですね。
だから植物は「自己再生する二酸化炭素分解触媒(ぶんかいしょくばい)」とも云えます。

ところで、このとき海の比較的深いところ(10m位)で植物は誕生しました。
何で浅いところでなかったのかというと、
浅いと「よろしくない光子」がもろに当たって、植物がガンになってしまうからです。

おかしいね。
光子のエネルギーを使っていながら、その光子でガンになるとは??

これには、「光子のエネルギーの強さ」が関係します。

フツウに見える「可視光線」のエネルギーはおおよそ1.5~3eV(エレクトロンボルト/電子ボルト)程度です。
(電子ボルトは、この手のエネルギーのときにそう云うんだなあとながめていればいいです)
これ、ちょうど原子やら分子らやが、くっついたり離れたり化学反応するレベルのエネルギーなので、
うまい具合に光合成もできるのです。

ところが放射線のエネルギーは、例えばレントゲン撮影でつかうフツウのX線でも
2~20KeV=2000~20000eVもあります。(Kキロとかについては第2回「単位を整理して学ぼう」で学んでいます)

ありゃー。
レントゲンですらおよそ1000~10000倍もエネルギーがぁ。
これじゃあ「壊れ」はしても「つくれ」はしないよね。
ものには程度があって、ちょうど良いのが一番なのだ。

紫外線でもダメだよね、やっぱエネルギーが強くてさあ。
これエネルギー、3~120eVなんくらいだけどもね。
お肌に大敵なワケだわ。

では、すっかりおなじみセシウム137(Cs-137)のγ線のエネルギーはというと、
662KeV=662000eV !! だめだこりゃ。
(これ第8回「半減期その2:空間線量の減少について学ぼう!」で学びました)

だから太古の植物は、浅いと可視光が強いから光合成にはいいんだけれど、
「エネルギーの強い光子」も多いのでガンで死ぬことになる。
ぎりぎりの深さのところでがんばっていたのだ。
(水は効果的に「よりエネルギーの強い光子(紫外線/放射線)」を遮蔽します。
ただし「可視光線の光子」も遮蔽するので、水深が深いと「暗く」なってしまいうまく光合成できません)

ところで、光合成をすると二酸化炭素が分解され「酸素」が出てきます。
植物の「おしっこ」みたいなものかな。
この「おしっこ(ガスだけど)」の海の中の濃度が、植物が増えるにつれて段々濃くなっていきます。
ついに海に溶けきらず、大気にぶくぶくと出てきました。
どんどん出てきて、遂に大気の上空「成層圏(せいそうけん/10000~50000m位の高さ)」にまで達します。

すると、なんということでしょう。
酸素(O2)がオゾン(O3)に勝手に変わったではありませんか♪
(より正確には 3O2→2O3)
このオゾンが出来たのは、紫外線の「光子」のエネルギーによってなんだよね。

これが有名な「オゾン層」ですね。
すんと、なんと「紫外線」とか吸収しちゃうんだ。
これを地上から見ると、紫外線の遮蔽(しゃへい)になる。
(遮蔽は、第5回「放射線を「さえぎる」を学ぼう!」でやりました)

海の中の植物にとって「やったー」ってなもんだ。
有害な紫外線が遮蔽されたんだからね。
放射線も大気で遮蔽されますよ。
1mあたりの遮蔽能力はたいしたことないんだけど、なにしろ地面に近い対流圏でも11Km=11000mあるからさ。

なお飛行機に乗ると外部被曝(ひばく)するのは大気で放射線(太陽からの宇宙線)が遮蔽されていないからですね。
宇宙飛行士は盛大に外部被曝しますが、これは管理された被曝だし、内部被曝はしないから大丈夫です。
まっ仕事だしね。

でもフシギだよなあ。
植物は「いらないから」酸素を捨てただけなのに、それが上空にいき、オゾン層になり、紫外線を遮蔽し、
で自分たちは「強い可視光線」を浴びられるんだからね。
生命つーのは、フシギなものなのだ。

こうなるとシメタつーわけで、どんどん浅いところに上がっていき、
ついでに植物を食べる動物も出てきて、
みなさんついに陸上に上がりました。
これがご先祖様ですねー。

オゾン層があってもやっぱり紫外線はくるので、皮膚ガンの対策は必要です。
あと、天然の例えばカリウム40(K-40)などという放射性物質もあるから、
これらの「光子」から身を守ることもしなければいけません。

例えば細菌のたぐいでも、「光子」が染色体に当たってぶちっと切れると、
そのときに「光子」のエネルギーを利用して「至急治すしくみ」があります。

なぜ「常に治すしくみ」を動かしていないかというと、
ご飯などから得るエネルギーが一定であれば、変なしくみを動かしていると、
その分お腹が減るので、生きていくのに損をするからですね。
(「適応」とかいいます)

つまり、
「今ある分の「光子の害」はやっつけることができる」のが適応進化した、
今生きているものたちのすがたなのです。

これは、放射線に限らず「毒のたぐい」すべての対応に共通していて、
「今ある分の毒」は退治できるように進化してきました。

例えば、病院に「無菌室」というのがありますが、
普通の人がそこで暮らしていると、「毒が不足」してかえって具合が悪くなります。
かといって「毒がいっぱい」のところ、たとえばバイ菌うじゃうじゃなところで暮らすと、やっぱり病気になります。
そんな「毒だらけ」のところでご先祖様が暮らしてこなかったからですし、無菌室でも暮らしてこなかったからです。

「毒」にも適量があるつーことだ。


じゃあ、去年あそこから出てそのへんにしれっとある「放射能」はどーよつーと、
ご先祖様はそんなもの無い時代を生きていたので、当然に「毒」なわけです。
(人工的な「放射性物質」ができて、まだ100年も経ってないのよ。ピカのナニのときつくったんだよね)

あのね、ご先祖様のときの年数は何億年つーながさがありますので、
100年とかないのといっしょですよ、ほんと。

んで、「放射線を少し浴びた方がいい説」つーのがあります。
これ一種のウソだから。

だってねえ。
今ある分でちょうどよくできているわけで、
「ご先祖様より毒が多いほうがいい」はずないでしょうが。
そうだとしたら、進化論は真っ向否定しなければならないからね。
(より多い毒に適当している → よりお腹が減るほうがより適応進化することになるから)


つーわけで。
電子ボルトだけでもわかるとキケンな理由がわかるし、
進化の過程つまり進化論がわかっちゃうと、余分な放射能キケンだってわかるしくみなのですよ。



久々はりきって少し疲れました。
(少しサボるくらいに適応進化しているのかな??)


じゃあまたね。
コメント
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