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スーパー・ストラクチャー(上部構造物)〜潜水艦「シルバーサイズ」

2022-10-23 | 軍艦

潜水艦「シルバーサイズ」の艦内ツァーにやっとこぎつけたと思ったら、
エスケープチェンバーことエスケープ・トランクのことを話し出してしまい、
またもや上甲板から降りていく前に、1項を費やしてしまいました。

しかも今日は上甲板全体についてお話しします。
なかなか中に入っていきませんが、我慢してお付き合いください。



艦内のパネルによれば、甲板全般にあるもののことは
「スーパーストラクチャー」と言えばいいことがわかりました。

さて、ここで「ガトー」級潜水艦のシルエットが出たので、
現代の潜水艦と第二次世界大戦中の潜水艦について一言。

それらは時代の違いが一眼でわかるため、
大きく形も違っていると我々は思いがちですが、
「ガトー」級潜水艦の艦体形状は、実は(あるものを取り除けば)
現代の核攻撃型潜水艦と非常によく似ているのです。


我々が両者を「大きく違う」と判断するその大きな理由、
それこそが「スーパーストラクチャー」です。
「The stuff on top」を意味し、日本語では上部構造物と言います。



これは近代の原子力潜水艦ですが、さっくり言って、
「ガトー」級の潜水艦との違いはスーパーストラクチャーの有無です。

ここでいきなりですが、エスケープハッチを利用して作られた
見学者用の階段を降りていくと、あなたはこんな景色を目にします。


階段の左側の景色です。
まず、写真右側に見えるのがエスケープ・チューブの外側となります。

いかがでしょうか。
実にクラシックな葉巻形状の船殻外側が下部にご覧いただけます。


この頃の潜水艦が、ほぼ薄っぺらなオーク材の甲板によって
艦体をカモフラージュされたものであること、
しかるのちに、圧力球の上に色々な構築物を
「乗せた」にすぎないものであることが一眼でわかります。

実際、水密圧力艦体のほとんどは、艦内では喫水線より下にあります。

そしてボートの最大外幅は27フィートですが、
水密部分の乗員の居住区の内幅はわずか16フィートしかありません。


そして階段を降りながら右側を撮影したのがこれ。
水密区画の外側に色々と構造物があるわけですね。

写真左上部分には魚雷のローディング・スキッドが見えます。

そして、注意深く見ていただければ、スキッドの下側に
前方潜水機構のギア機構らしきもの、圧縮空気タンク、
そしてバラストタンクのエアベントなどもここにあるのがわかります。

これらは全て艦体の中に収める必要のない、
「水没可」のものであるということです。


ところで「シルバーサイズ」を使って撮影された、ホラー映画「ビロウ」で、
不可思議な現象を解明するために、何人かが海中で
ハッチから艦の外に出て、こんな空間に入っていくシーンがあります。


そこは海中でありながらこのような海水の溜まった空間で、
ここで霊の存在によって一人が命を失うことになります。

こんな部分が実際の潜水艦に存在するのかが気になっていましたが、
少なくとも実際の甲板下を見る限り、どこにもなさそうですね。

ハッチを出てしまったら、そこは全て水没しているはず。
なぜってそれがこの時代の潜水艦だから。

万万が一、本当に映画の「ビロウ」のような空間があるなら、
それはもちろん水密区画の外側となるわけですが、
そこは当然「ガトー」級独特の、船殻に穿たれた穴によって、水没します。



そして甲板。
潜水艦が水面にある間、そこは足場であり作業場であり、
銃撃戦の戦場となりました。


デッキの武装は、

4インチ.50 キャリバー・デッキガン
ボフォース40ミリ機関砲、


エリコン20ミリ対空機銃

が装備されています。



現代の潜水艦には存在しなくなった甲板銃は、当時のボートに
「弱い敵」に対する水上戦闘能力を与え、
魚雷を使うよりある意味ではこちらが好まれました。

その理由は砲弾は魚雷より格段に安価だったからで、
「弱い」の基準は「潜水艦を沈めるほどの力を持たない」という意味です。

しかし、この最初の哨戒において、「シルバーサイズ」は
この「弱い敵」(実は武装漁船)に機銃攻撃を仕掛け、
苦戦した上、乗員を失うという手痛い教訓を得たのでした。


「トルピード・ローディング・スキッド」

魚雷装填のためのスキッドは滑り台のようなレールです。
先ほど甲板下の階段から見えていたその入り口です。



クレーンで岸壁から持ち上げた魚雷を、この上まで運び、
スキッドという滑り台から内部に下ろしていくわけですが、
ほぼ手作業でこれらの積み込みを行うのは結構な重労働ですね。

哨戒に出るとき、「シルバーサイズ」は18本もの魚雷を搭載しましたので、
その作業に丸々1日はかかったに違いありません

潜水艦が魚雷攻撃を受けるのはえてして夜間浮上しているときでした。

バッテリーをチャージするためのディーゼルエンジン、
そして乗組員たちには大量に新鮮な空気が必要不可欠だからです。

こんな当時の潜水艦を、「Submarines」(潜水艇)ではなく、
「Submersibles」(潜水することができる艇)だろ、
というツッコミも当時からあったそうです。

まあ、そういう当時の問題を一気に解決したのが
水没したまま永遠に潜航(これが本当のスティル・イン・パトロールってか)
できる原子力エンジンだったわけですが、ディーゼル艦との大きな違いは
エンジンが空気を必要としないこと、これに尽きます。

しかも原潜は、二酸化炭素スクラバーの存在によって、
艦内で生活する人間に必要な空気も常に新鮮に保つことができます。

その結果、艦体がどうなるかというと、
カサ張る上部構造を必要としなくなります。
当然、艦体の合理化が進み、現在の潜水艦の形となるわけですね。

おまけに上部構造物がなくなるということは、水の抵抗はなくなり、
それだけで水上航走時速21ノット、水中9ノットだった頃より
格段の速さが約束されることになりました。



今更ですが、デッキの上のこの構造物を「セイル」と呼びます。
司令塔を多い、水上航行中には士官が立つ「ブリッジ」を形成します。

ブリッジの床にあるハッチは、水面からかなり高い位置にあるため、
航行中、唯一、慣習的に常時開けてあります。


実際にはどこにあるのかわかりませんでしたが、
ブリッジの上には回転トランスデューサーに取り付けられた
二つのターゲット方位トランスミッタ双眼鏡があり、
これで司令塔にある魚雷データコンピュータに視覚的方位を送信します。


ブリッジの上に突き出た垂直のシャフトの配列、
これは英語で「shears」(シアーズ?)と呼ばれます。

二つの潜望鏡、複数の種類のレーダーアンテナ、
そしてラジオマストを支えています。


見張りが立っていたのは、このマストに備え付けられたリングの中でした。
映画「ビロウ」では、海中にアクラングなしで出ていった副長?が
なぜかここに引っかかっていましたっけ。

そして哨戒を成功させて帰還してきたとき、「クリーン・スウィープ」として
慣習的にほうき🧹をシアーズに立てました。




セイルの周りから突き出すようにしてある、これ、

Ammo Scuttle(弾薬台)

だということですが、この名称を主張しているのは、今のところ
検索して見つかった一人のアメリカ人だけだったので、
これが正確な情報かどうかはわかりません。



Ammo Cylinders Protrude(弾薬貯蔵シリンダー)

です。

甲板の兵器に補充する弾薬は、この下に保管されていて、
上部で弾薬が必要になった時には、この下にあるシュートに装填され、
それが手でメインデッキに押し上げられます。



「シルバーサイズ」最初の哨戒での戦闘シーンです。

マイク・ハービン(装填している人)水兵が、武装漁船銃弾に倒れる直前、
どこから弾薬を持ってきていたかというと、
それは間違いなく、この弾薬庫からだったはずです。

そして、今まで気づきませんでしたが、写真左の乗員がいるのは、
このアーモ・スカットルあるいはシリンダーのある場所で間違いありません。

つまり、ハービンと、この人が、交代で弾薬から、
押し上げられてくる弾薬を受け取り、砲に装填していたことになります。
(もしかしたら右側端の乗員も同じことをしていたかもしれません)

この時はたまたまハービン一人が犠牲になって死亡しましたが、
同じ任務について弾薬を運んでいた水兵は、おそらく彼の死後、
ちょっとのタイミングの差で、彼は死に、自分が死ななかったことを、
不思議な気持ちで考えずにはいられなかったでしょう。




司令塔の後方にはオープン・ストレージ・エリアがあり、
掃除用具、ペンキの空き缶、バケツ、ヘルメット、
そして大型の・・・通風装置?
とにかくいろんなものが雑多に置かれているわけですが、
実はここのことを、

「ボースンズ・ロッカー(boson's locker)」

といい、当時から物置として使われていました。

現在でもボランティアの道具置き場となっています。





「ガトー」級の艦尾にしばしば見られるこの構築物、
これはおそらく艦体を衝撃の破壊から守るためのものだと思いますが、
正式な名称は分かりませんでした。

なんだろう・・・「艦体ガード?」

これもまた現代の潜水艦には片鱗さえもないものです。

しかし、ディーゼルエンジン潜水艦の「スーパーストラクチャー」は、
古い帆船の時代と、現代の高速攻撃型原子力潜水艦の間の、
進化を如実に表すものであるということがお分かりいただけるでしょう。


続く。





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4 Comments

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上部構造物の必要性 (お節介船屋)
2022-10-25 10:35:54
第2次世界大戦当時までは水上艦と同様に水上航行が主であり凌波性能等のため潜水艦も同様船型だと記述しました。
では現代の潜水艦はほぼ水中行動なのに上部構造物が何故あるかですが説明がなかなか難しいのですが述べてみます。

潜水艦は所要の深度の圧力に耐えねばならないためその耐圧船殻は鋼板が高張力鋼を使用したり、硬度や靭性の良好なニッケル・クロム・モリブデン鋼やチタン合金が使用しほぼ真円に製作されますが板のみでは強度が不足するため骨すなわち耐圧穀補強材としてフレーム等が使用されます。この横方向のフレームを内穀の内側に取り付けるのを内フレーム、板の外側に付けるのを外フレームと言いますが容積確保上外フレームの方が都合が良いのですが出っ張りがあることとなります。海水の流れに抵抗となり、渦の生じさせ音の発生の原因ともなります。それを防ぐ成形上外穀や上部構造物で覆うことも必要です。なおハルソナーを貼り付けたり、色々な所要で外、内フレームを場所によって使用しますので一律に外、内フレームに統一されてはいません。

また水上航行は少ないですがありますので乾舷と呼ばれる水線上の高さがある程度必要であり、なおかつ岸壁係留の係留装置、ボラード、クリート、係船機等の甲板機器を出したり入れたりして海水流れを阻害しないような艤装のためこれらの取付甲板やスペースが必要で、また甲板員の移動上の通路や命綱用レールの取付も必要です。
ロープ等係留用具の格納場所としても内穀上にスペースが必要であり、ハッチやベント弁、配管、電線等も甲板上に出っ張る金物や艤装品等があるので保護や邪魔にならないよう覆いが必要です。

余分ですがバウソナーは非耐圧区画で艦首にあり、艦首の整形のため外穀で覆いますが鋼板だと音波の透過が邪魔されたりするので必要部分に合成ゴムを使用したりします。発射管等の取付部は鍛鋼材を使用して開口部を補強したりしますがこの部分も出っ張りや成形のため色々工夫が必要です。

潜水艦には複穀と単穀の艦があります。
米海軍は原潜で燃料も必要なく、バラストタンクは艦首尾に配置し、ほぼ単穀とされています。ただ上記理由で上部構造物はあります。
前コメントにとおりアレーソナーの鞘が上部構造物上を長く設置されていますが上部構造物が狭いのが理由か分かりませんが巻取り装置が艦首部に近い上部構造物内にあるものと想像します。
通常型のデイーゼルエンジン発電機、電池潜水艦は燃料が必要であり、バラストタンクともども燃料タンクを外舷に沿って設置した複穀が多いですがハルソーナー等の装備等もあり、単、復穀が混在している艦も多いです。非耐圧部分にバラスト水や燃料タンクを配置してありますが内穀に沿って外穀も丸く成形し、上部構造部とほぼ一体となるように成形されています。

なかなか上手く説明出来ませんがなんとなく分かって頂けたらと思います。

参照海人社「世界の艦船」潜水艦100のトリビア等
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水上艦と潜水艦の航行の違い (お節介船屋)
2022-10-24 10:21:46
第2次世界大戦までは潜水艦も水上航行が主で監視とか偵察とか攻撃で潜航するのみでした。それが航空機の発達やレーダー装備で夜間でも水上航行は探知されるようになりました。
それまで水上艦と同様な船型で水上航行上造船用語の造波抵抗に推進馬力が左右されますので波を減少させるように船首は波切の良い形で波を返すようにフレアーも付て、甲板も広いものとしていました。スピードが速い要求には同一馬力でも幅と長さ比を大きくするすなわち細長くすれば速力が早くなりますので昔の軍艦は細長い船型でした。高速を要求されれば馬力は2次曲線で増大します。また大きな波を造れば飛沫により艤装品が壊れり、甲板上の作業が困難にもなります。
よって潜水艦といえども水上航行に良好の良い、造波抵抗の少ない船型となりました。上部構造物は特にその傾向が顕著でした。

2次大戦後水中航行が多くなり、潜水艦の船型は水中では造波抵抗がありませんので今度は摩擦抵抗が少ない船型が必要となりました。水上航行でも摩擦抵抗はありましたが造波抵抗に比べれば少ないため水上艦にはソナーやビルジキール等の船底付加物がありますがこれらも性能上問題なければ抵抗の少ないように考慮はされますが出っ張たりしています。

ガトー級も戦後ソ連潜水艦に対抗して水中速力の向上や雑音低減等のためガピー改造が実施され上部構造物の縮小や艦橋やレーダー、電波アンテナ等を囲うセイル化が実施されました。
上部構造物や凸凹の艤装品は水流の流れの抵抗にもなるし、渦で音の発生もしますのでこれらを低減するためでしたが抜本的な対策は1950年計画の「アルバコア」AGSS-569で水中抵抗が最小となるよう4回も改造し研究され、通常推進でも33ktが発揮できた涙滴型が最適であることを実証できました。
1953年計画で1959年竣工の「バーベル」級で水中抵抗が最小の涙滴型船型が確立しましたが水中行動能力は原潜には遠く及ばないため通常型潜水艦最後のクラスともなりました。
この「バーベル」級の幅長さ7.6が涙滴型船型上最良でしたがその後艦内容積や原子力機関や弾道ミサイル装備等のため長くなったり、葉巻型だったり、マッコウクジラ型ともなっています。

スーパーサブマリンとも呼ばれる米攻撃原潜「シーウルフ」は8,000tあまりですが45,000馬力の原子炉1基、蒸気タービン2基、1軸で水中速力39ktを発揮します。
なお米原潜はバラストタンクが艦首尾にあり舷側には空気抜きのフリーフラッドホールのスリットもありません。幅が広くなり長さ幅比が8.3の涙滴型船型とされています。潜航深度も深く、兵器搭載量も多く、発生音が原子力機関にも関わらず、少ない究極の潜水艦ですが建造費用が非常に高く冷戦終了で米国といえども3隻で建造終了しました。

なお涙滴型潜水艦等は水上航行では造波が大きく、抵抗するため水上航速力は水中にくらべ遅くなっています。

参照海人社「世界の艦船」アメリカ潜水艦史
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Unknown (Unknown)
2022-10-23 17:41:20
「トルピード・ローディング・スキッド」は、今の潜水艦も同じです。横須賀では、潜水艦の岸壁はベース(米海軍基地)側にあり、米軍は岸壁での弾薬搭載を許可していないので、自衛隊の潜水艦が弾薬搭載を行う時には、自衛隊(吉倉)の岸壁に付けます。

Ammo Scuttleは、水上艦ではAmmunition Hoistですね。前にもコメントしましたが、この砲(3あるいは4インチ砲)の場合は、砲員は五名(台長、操作員、装てん手1~3)です。

台長は、発射するための引き金を握り、操作員は旋回俯仰角を合わせます。装てん手1は、砲に直接装てんする人、装てん手2は、揚弾筒(Ammunition Scuttle)から上がって来る弾を装てん手1に手渡しする人(戦死した人)で、装てん手3は、Ammo Cylinders Protrude(弾薬貯蔵シリンダー)あるいは揚弾筒(Ammunition Scuttle)から揚がって来る弾を装てん手2に手渡しする人です。

Ammo Cylinders Protrude(弾薬貯蔵シリンダー)は、水上艦では砲側弾薬庫(Ready Service Locker)と言います。
返信する
上部構造物 (お節介船屋)
2022-10-23 11:03:27
残念ながらエリス中尉の記述を覆さねばなりません。
上部構造物は現在の通常型、原子力潜水艦双方ともあります。
第2次世界大戦時まで潜水艦は水上航走が主でしたので水上航行能力上船首を波切良くし、上部甲板を広くし、飛沫や波を抑えるため水上艦と同じ船型でしたが、潜航時、バラストタンクからの空気がこの部分に溜まらないようにすのこの木甲板でサイドにはフリーフラッドホールを多く開け、空気抜けを良くして、上部構造物内にはロープ等の濡れても良い、水圧にも問題ない甲板用具を格納していました。日本海軍潜水艦は通船もこの部分に格納していました。

現代の潜水艦が上部構造物を含め、涙滴型、葉巻型、マッコウクジラ型となったかは港の出入港以外は水中行動となり、水中性能や雑音低減のためであり、水上航行の波切や飛沫、波抑えの船型ではなく、摩擦抵抗軽減のため水中流れを阻害しないように丸く、船首から船尾への水の流れをスムースになるような船型となっています。

なお第2次世界大戦後、ソ連潜水艦対抗上、ガトー級米潜水艦も低雑音化、水中高速力等のガピー改造と呼ばれる上部構造物を小さくした艦橋や周辺のアンテナ等を囲いセイル化の改造、電池の換装で高速力化が実施されています。

近年の潜水艦は内殻は耐圧のため真円であり、外殻も同様な構造になるようバラストタンクや上部構造物を成形してあります。またフリーフラッドホールも整形し、第2次世界大戦当時の潜水艦のように多くの孔ではなく、水流も渦を巻かないで音が極力出ないように細長いスリットとなっています。急速潜航も必要がないことから上甲板もすのこにしないで音を発しないよう平滑としています。そのため岸壁係留のロープを固縛するボラードやクルートと呼ばれる金物も甲板下に格納されます。係留で必要の場合上昇させたり反転させたりして甲板上に設置されます。
この上部構造物の高さをどのくらいにするかは国によって違いがあります。
米国は全て原潜でスピード重視や北極海で氷を割って浮上も考慮されているのか低く頑丈になっているようで、艦尾から展張するアレーソナーの甲板導設部分の鞘が上部構造物上に設置されています。

日本やロシア、ドイツ等は艦の大きさの割に上部構造物は高めの構造となっています。

中国やイギリスの一部潜水艦には内殻の形状で上部構造部に部分的に盛り上がりの部分がある艦がありますが、英国は原子炉の大きさが影響しているような記述がありますが中国の艦は理由が分かりません。
また弾道ミサイル搭載艦はその弾道ミサイルの大きさで搭載部分が船体高さの収まらないでその部分が突出して成形のため上部構造物もその前方後方を含め高くなっている艦があります。

図で説明するのが分かりやすいでのでインターネットで捜しましたが適当なものがなく説明となりましたがなかなか理解しずらいともおもいます。

>艦尾の構造物
前にも何度も掲載されたことがあり、説明もしましたが、プロペラガードです。
この当時の潜水艦は2軸で艦尾水線下に大きく出っ張っているので岸壁等に当たって損傷するのを防ぐため大きく出っ張った金具を取り付けてあります。
現在の潜水艦は1軸推進が主流であり、またこのような抵抗となる構造物は必要もないのでありません。
水上艦艇は2軸プロペラ装備艦が多く、艦尾から水線下で出っ張っている艦はこのプロペラガードを取り付けている艦が多いです。

なお潜水艦は岸壁係留でプロペラ損傷はなくなりましたが船尾にX舵と言われる後舵、十字舵の水平の横舵の損傷を防ぐため大きな防眩物を入れ、なおかつ艦尾側防眩物には大きな物を入れ、係留します。

余分なことですが近年の戦闘水上艦はステルス対策で舷側が垂直ではなく斜めとなっているため大きな防眩物を岸壁との間や串刺しの僚艦との間に入れる必要があり、艦尾が岸壁と接触事象は少なくなっているのではないでしょうか?
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