詠里庵ぶろぐ

詠里庵

実験室ピアニスト

2008-11-22 12:37:08 | 日々のこと(一般)
というコラムがあったわけではありません。前回の記事で思い出した昔話です。
某研究所に就職したての頃、高速オシロスコープは高価で、自分専用というわけに行かず共用していました。そのオシロには動作モード切り替えのためのキーが四つ、ピアノの鍵盤のように白く目立って並んでいました。違うモードのキーを押すと、それまで押し込まれていたキーはスコンと戻ります。間違って指が二つのキーにまたがって同時に押しても、どちらか微妙に早く押された方が有効となります。つまり動作モードはただ一つ選ばれるよう設計され、常時ただ一つのキーが押し込まれた状態にあるわけです。

この機構が気になり、私は何を思ったか、四本の指で四つのキーをそっと押し込んでみたのです。和音がバラバラに鳴らないよう、同時コインシデンスで和音を弾く訓練は、ピアノではやっていたわけですが・・・そしたら・・・

なんと、全部のキーが押し込まれた状態になってしまったのです。あっと思ってキーをいろいろ押しても、以後ウンともスンとも戻って来ない。

こまったな、直さなきゃ、とマニュアル見たりしたりしていたら、別の仕事の時間になり、その日はそのままになってしまいました。

次の日、実験室から叫び声が。「だれだよーこんなことしたの。切替えられないよー」と、その日の使用者。「あ、すみません、修理呼びますから」と私。
事情を知っている回りの人たちはみな笑っています。
「修理呼ぶのはいいけど、どうしてそうなったか、なんて説明するの?」という哄笑の中で、平身低頭の私と、「とりあえずよそから借りるから、もう」と憮然としたその日の正規使用者。

実験室のピアニストもまずいですね。

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