詠里庵ぶろぐ

詠里庵

光子の裁判

2010-04-18 23:58:43 | サイエンス
という話をご存じでしょうか? 「こうしのさいばん」とも「みつこのさいばん」とも読めます。これは朝永振一郎の著作「量子力学的世界像」に含まれる科学エッセイで、ヤングの二重スリット実験で光子がどちらの穴を通ったかを結局決められないんだということを裁判劇に仕立てたものです。

原作は読み物として書かれているので実際にそのまま台本として使って劇になるわけではありませんが、これを本当に劇にしてしまった人たちがいます。もちろん台本はそれなりに変えて。去る4月15日夜、日本大学理工学部駿河台校舎で行われたのですが、詳細は演出を行った渡辺美帆子さんの事務所のホームページまたは日本大学量子科学研究所公開講座のページを参照してください。

私は原作に余計なストーリーやエピソードがごてごてくっついた仕上がりを予想して行ったのですが、逆で、エッセンスだけ劇に仕立てていました。楽器を持ち込むなどの工夫はありましたが、音楽もシンプルで良かったと思います。なかなか感激しました。

ところでこれを監修したのは日本大学量子科学研究所の島田一平氏です。前からこれを劇にしたいと暖めていたそうで、貴重な初演に立ち会うことができて良かったと思います。

ホームページにあるように今日19日(月)も王子で公演するようです。是非行かれてはいかがでしょう?
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