詠里庵ぶろぐ

詠里庵

ノーベル賞

2005-10-06 08:06:45 | サイエンス
の対象の一つが「光周波数の安定化と光コム」(Optical comb)だったわけですが、これはせいぜい10年くらいの新しい技術で、既にGPSなどにも実用になっている画期的技術です。大ざっぱには次のようなものです。

(1)基準レーザーの発信周波数を極めて安定にする。(常にJ.Hallが世界をリード)
(2)LiNbO3等の光変調器で強い変調をかける→超安定なサイドバンドがいっぱい立つ。
(3)サイドバンドは櫛の歯状なので光コムと呼ばれる。
(4)その光と未知の周波数の光を混ぜる→再近接サイドバンドとの間にウナリを生ずる。
(5)そのウナリは低周波電気信号として高精度周波数測定可能。(Haensch発明・開発リード)
(6)従って元々高周波である光の周波数測定としては未曾有の相対精度が得られる。

これって、私の元ページを丹念に読んだ方にはどこかで聞いたような話かもしれません。そう、ピアノ調律の原理とほとんど同じです。なぜ「人間の絶対音感や相対音感などよりはるかに高精度で調律ができる」のか? 二つの音(ドとミなど)を同時に弾くと、それぞれの倍音(間隔の違う「音のコム」が2系列)のうち近接した2本の間のウナリが、人間がカウントできる程度の低周波で聞こえるので、カウントの精度(1ヘルツよりずーーっと良い:1秒間に3拍子か4拍子かは誰でも区別がつく)でもって4200ヘルツ(ピアノの最高音)の調律ができるという寸法です。ちなみに調律の場合上記(1)の基準発振器は簡単に得られ、音叉または電気的発振器を使います。音叉で十分なので私は音叉を使います。
コメント
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