九州大学山岳部 ブログ 「QUAC blog」

日々の活動、部員の声etc... QUACの日記です。

剱岳 早月尾根 ~2015年冬合宿2

2016年01月03日 | 冬合宿

12月30日(山頂アタック)
<AC(2h)2600mP(3h)シシ頭(1h)山頂(3h30m)AC>
いよいよ山頂アタックである。
4:30にACを出発。2400mくらいまではかなりラッセルがあった。先行の2人パーティーと交代でラッセルする。
2600mを超えたあたりから岩稜が始まる。最初の岩場(エボシ岩)はノーザイルで通過。シシ頭の前でアンザイレンする。シシ頭は、池の谷側に少しトラバースした後、岩場を直登し、リッジを超えてクライムダウンした。(この時は気づかなかったが、さらに池の谷寄りの所にクサリが出ており、帰りはこれを利用した。こちらルートのほうが簡単だった。)
次のカニのハサミは池の谷側を巻き、ルンゼに入る。ここはかなり急峻で、一部氷化している部分もあり、緊張した。
ルンゼを超えると別山尾根と合流し、稜線に飛び出す。急に風が強くなる。
頂上まであと少しだ。
細い雪稜を風に煽られないように注意しながら進み、11:10、山頂に立つ。

山頂にて

夢にまで見た厳冬期の剱岳。ついにその頂に立ったのだ。
しかし感傷に浸っている余裕はない。まだ長く危険な下降が残っている。
10分ほどで下降を開始する。

ルンゼの下りとシシ頭はザイルをフィックスして下る。
あとは特にザイルを出すこともなく、快晴の中景色を楽しみながら下った。
2600mから望む剱

出発から10h30mでACに帰還した。
その後小屋で買った酒とジュースで登頂を祝う。

12月31日(1年生訓練)
1年生をつれて2600mPまで往復。冬山初体験の1年にはちょうどよいトレーニングになったようだ。
昼前にはACに帰り着いたので、そのままテントを撤収し馬場島まで下った。
ACにて

1月1日(下山)
すべての計画を無事消化したので下山する。
伊折ゲートまではタクシーが入れず、さらに2kmほど歩いた。
富山市内で下山後の楽しみ、温泉と美味い食事を楽しんだ。


今回の合宿に来てくださったOBの中溝先生、米澤先生には大変お世話になりました。ありがとうございました。

また、一緒にラッセルしたくださった山岳会の方々や、何より共に登った仲間たちに感謝したいと思います。おかげで合宿を成功させることができました。

最後に、参考までに核心部の記録図を載せておきます。
これから早月尾根を目指す人の参考になれば幸いです。

 


剱岳 早月尾根 ~2015年冬合宿1

2016年01月03日 | 冬合宿

主将の村松です。

年末から新年にかけての1週間、剱岳早月尾根にて冬山合宿を行い、無事成功させることができました。

詳しい報告書は後程UPしますが、ここでも簡単に報告をしておきたいと思います。

12月26日(入山)
<伊折ゲート(1h30m)馬場島(3h)松尾平>
伊折のゲートでは、私達が入山第一号ということでTV,新聞の取材を受ける。
TVのインタビューは初めてで少し緊張した。今年は記録的な雪の少なさで、馬場島まではほとんど雪はなかった。警備隊の詰所でヤマタンを受け取る。
時間があったので松尾平までテントを上げる。松尾平付近は広い樹林となっておりルートがわかりづらい。赤布を頼りに進み、奥の平(松尾平の最奥部)にC1を設営する。さらに1300m地点まで食料装備を荷上げした。
松尾平は迷いやすい

12月27日(C1~1750mC2) 
<松尾平(6h)1750mテン場>
昨日のデポを回収し、上へと向かう。昨日降った雪の影響か、1400mあたりからラッセルが深くなり、時には腹まで潜った。途中で神奈川の山岳会の方々と一緒になり、交代でひたすらラッセルする。
1750m付近の平坦地にC2を設営、その後100mほど上まで食料装備を荷上げした。

12月28日(C2~早月小屋AC)
<1750m(5h)早月小屋>
この日もひたすらラッセル。出発から5時間ほどで早月小屋に着く。
小屋の東側の風の当たらないところを陣取り、ACを設営する。
時折休憩をはさみながら、ラッセル

12月29日(沈殿)
天気が悪いので沈殿。
暇なので、雪洞を掘る。2時間で2人が横になれるくらいの雪洞ができた。
天気図上では高気圧が近づいてきていたので、明日をアタックとする。

その②につづく・・・