昨日(8月31日)のラジオ文芸館(NHK第1 8:05~8:45)は「自転車を漕ぐとき」(作:薄井ゆうじ)だった。
「短編ベストコレクション 現代の小説2005 日本文芸家協会編」(徳間文庫)所収。
私は、自転車屋の店先でふと高級自転車に目をとめる。
そのときの私は、離婚と勤め先の倒産で心も体も疲れ切っていた。
むかし、自転車が好きだった10歳のころのことが、なぜか頭に浮かんできた。
東京から茨城に引っ越した私は、東京言葉を茨城弁の同級生たちにいじめられる。
私の話し方が「女みでぇだ」というのだ。
その茨城弁が懐かしかった。
作者の薄井ゆうじは茨城生まれだそうだ。
いじめる同級生の中に青い目の少年がいた。
私は、ジョージというその少年と話すようになる。
彼も東京の福生から何年か前に引っ越してきた。
母親がアメリカ人だった。
「おめェも、早ぐ、茨城弁話さねどダメだドゥ」という。
彼も引っ越してきたばかりのころは、東京の言葉を話していていじめられたそうだ。
ジョージの両親は離婚していて、父親は仙台に妹と暮らしていた。
夏休みに、私とジョージは自転車で仙台に行く計画を立てる。
私の好きな話でした。
小説で読んでみたいと思った。