主人公の名前はなんていったかな、「シロー」だったと思うが忘れました。
沖縄の“隠れ家的”なホテルに宿泊する。
そこはホテルの隣というかそばにコテージがあり、男はそこに泊まる。
プールに行くとカップルばかりが目につく。
主人公のように一人でいるのはいない。
そんな中一人の女性を見つける。
みんなビキニを着ているのに、彼女だけワンピースだった。
清楚な感じでよかった。
しかし、男に声をかける気力はなかった。
もう、いろんなことがめんどくさくなっている。
すぐに40歳の誕生日が来る。
夜、食事をしてコテージで寝てしまった。
もう深夜だろうなと思い時計を見ると、10時を少し過ぎたときだった。
夜が長いなと思った。
海岸に行ってみる。
海があるだけだった。
帰ろうとしたとき、海にくるぶしだけ浸かり、
ビニール袋から砂のようなものを海に撒いていた。
昼間、プールに一人でいた女性だった。
男は、部屋に帰った。
次の日、同じ時間の頃、男は海岸に行った。
すると女性はいた。
ビニール袋から白い枝のようなものを出して海の水で洗っていた。
男は女性に話しかけた。
女の洗っていたのは、旦那の骨だった。
正確にいうと元旦那だった人の骨だ。
女性は32歳(?)、離婚した元旦那が交通事故で死んだ。
元旦那が家族に残した遺言が、
「自分が死んだなら、骨の半分を別れた妻にやってくれ」
というものだった。
それで女性に元旦那の骨が半分きた。
断ることもできたが受け取った。
その骨を一昨年はサイパン(だったかな?)、
去年はハワイ、そして今年は沖縄で“散骨”した。
散骨するときは届けないと法律違反になるけど、
沖縄のその海岸は珊瑚礁でできた白い砂なので
少しの骨を撒いてもわからないだろう、と女はいう。
男は女に、「東京に帰ったら一度食事をしませんか?」という。
「明日、私たちこの海岸で一日過ごして、
東京で食事することは明日が終わったときに決めましょう」
50分の朗読でした。
ちゃんと目覚めて聴いていましたが、正確ではないかも知れません。
私は、いい小説だなと思った。
この「海に立つ人」の入った短編集を読んでみたい。
私は、こんな小説を読むと、いや朗読を聴くと、
おれには小説は書けないな、としみじみ思います。
カイテモ、イナイクセニ。ゼツボウスルマエニ、カコウカナ…