定年ゴジラ

2008年03月11日 | 健康・病気
「定年ゴジラ」重松清著 講談社文庫を読んだ。
はじめ読んでいても、なかなか入り込めなかった。
しかし、だんだん、くぬぎ台ニュータウンの住人になっていった。

「くぬぎ台ニュータウンは、分譲のたびに、三十代後半から四十代
初めのサラリーマンの一家を迎えることになった。いわば小市民の
街である。優しいパパの街である。ローンを背負い、終電の時刻に
せきたてられながらがんばる夫の街である。」

山崎さんは、長年勤めた銀行を退職した。
毎日散歩をする日々になり、そして散歩仲間ができた。
町内会長、ノムさん、フーさん。
この4人が定年後の生活の中で苦悩する物語だ。

この人たちは、ある程度の会社に勤め定年退職した。
新宿から2時間もかかる遠いところだが、一戸建ての家を買った。
何社も零細企業を転職し、51歳で会社から放り出され、
公団の賃貸に暮らす私とは比べられない。
ただただ、羨ましい、と思うだけだった。

しかし、この人たちの気持ちはよく分かる。
新宿から1時間ほどの団地で子どもを育ててきた私です。
何度か涙を流しました。
いい小説でした。
コメント
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