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女房との神経戦

2004年11月24日 | 俳句・短歌

  寝酒おき襖をかたくしめて去る   篠田梯二郎

私の愛するサイト「清水哲男『増殖する俳句歳時記』」の
11月24日で取り上げられた俳句です。
私はこの句を見てしみじみ思った。
(そうなんだ。女房というものは、
 こういう態度のときが年に何回かある)

私は寝酒なんてものはやりません。
仕事から家に帰って寝るまで酒を飲んでいるから、
こういうのはなんていうのでしょう。
“家酒”とでもいえばいいのか…。
自分で飲む酒はいっさい自分で用意する。
酒類を購入することから飲む寸前まで私がする。
いつからこうなったのだろう?
一緒に暮らし始めたころは、全部女房がやってくれた。

寝酒をおいて襖をかたく締めて行かれるくらいなら、
私は女房に酒の準備などしてもらいたくないのです。
(ここで“中高年の主張”をしてどうする)

> 句は一種の神経戦の様相を描いたようにうかがえる。
と、清水哲男さんが書かれている。
> こうした陰湿なふるまいに、たいていの男はまいってしまう。
結婚生活というものは、まさしく、
この女房との“神経戦”を戦い抜くことなのだなと思う。
つらく、長い旅です。
私なんて26年も耐えています。
同類の方、酒でも飲んで語り合いましょう。
(女房がこの九想話を読まないことを願って寝ます)


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10月の句会

2004年11月16日 | 俳句・短歌

5位でした。9月も5位だった。
私のヘタな句にしてはいいほうかな、と思っています。
やっぱり月末(投句締め切り日)の、というより、
1日の午前3時ごろ眠たい頭で俳句をつくっていては、
いい句はできませんね。

私は、ただ参加することに意義があるということだけで、
俳句をつくっています。
こんな心で投句しているのなら、
いっそ俳句をやめたほうがいいかな、と落ち込む。

甘ったれたことを書いてしまいましたが、
胸に手を当てて考えてみると、
やっぱり私は俳句が好きです。
今月はなんとか句作に時間をつくってがんばってみようかな。

お題は、「秋風」「菊」「門」だった。

   秋風や女ごころの先を読む        8点

この句への思いは何もない。苦し紛れにつくった句です。
おわかりのように「女心と秋の空」を意識してつくりました。

   父の菊ただ父のため咲いている    6点

投句した中でこの句が一番好きです。
私の父は菊を育てるのが好きだった。
けっこう大がかりの菊もつくっていた。
それを道路から見える庭に並べて、
近所の人の意見などを訊いていた。
そしてお世辞で褒められて喜んでいた。
菊の品評会に出品するという野望などはない。
小さい世界で生きていたひとだった。
こんな父に私も似ている。
九想話なんてものを毎日書いているが、
父の菊のようなものだと思っている。

   老齢の門口に立つ竹の春        3点

私も50代に入った。私が子どものころ、 
50歳といったら年寄りだった。
しみじみと老齢の入り口にさしかかったなと思う。
私は「竹の春」という季語が好きです。
俳句を始めたころ歳時記で秋の季語と知って、
それから気に入ってよく使っている。
「秋になると竹の子の生長した若竹もりっぱな竹となり、
 親竹も青々と茂りを見せる。
 これを竹の春と呼ぶのである」
と、歳時記に書いてある。
私としては、老齢になりかけてはいるが、
青々とした年寄りでいたいという願いでこの季語にした。
「門」という文字を句に入れることが難しかった。

ちなみに、下の3句は9月に投句した句です。

  父と母しずかにお茶飲む厄日かな      
   銀色に露輝いて地に落ちる         
    新妻や言葉少なに秋刀魚焼く       


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7月の句会

2004年08月17日 | 俳句・短歌

先月の句会への投句も“やっつけ”だった。
7月31日、深夜の2時ぐらいに九想話を更新し、
それから睡魔と酔魔に襲われながら、
なんとかひねって送信した。
こんな状態で毎月俳句をつくっていることは、
まずいのではないかと落ち込みました。

そういう状態でつくった句だったので、
結果は12人中11位でした。
それでもけっこう自分では気に入っている句なので、
今月は低い順位でしたが自分の句への想いを書きます。
お題は「滝」「浴衣」「『買』という字を使う」だった。

   滝に佇ちこころを正す旅の人        4 

この句は、「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に選ばれ、
NHK が特別番組をやったときに那智の滝を映していた。
そのときのことを思い出してつくりました。

   浴衣連れ花火大会急ぐ足          4 

この句は、“やっつけ”以外なにものでもありません。
「浴衣」→「花火大会」→「急ぐ足」 …安易だな。

   百円ですべてが買えた夏祭         3 

私の子どもの頃は、1日10円が小遣いでした。
でも夏祭(盆踊り)のとき、100円もらったことがあった。
なんか100円もあるとなんでも買える気がしました。
この句はけっこう気に入ってます。

しかし、ブービーだった。
今月こそは、早めに句作をして“いい色のメダル”をもらいたい。


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5月の句会

2004年06月28日 | 俳句・短歌

今回は19点で4位。 同点で2位の人が2人いました。
兼題は、
「筍(たけのこ)」竹の子、「祭」、「岩の字を入れる」でした。


  竹の子の頭おさえる畳かな        3点

この句は九想話に書いたそのままの句です。
この句を選んでくれた人に感謝します。
投句するためになんとかつくった句でした。

  いっさいの気分さらって祭り去る     9点

去年、京都で見た祇園祭の印象でつくりました。
今回投句したものの中で一番気に入っています。

  岩の瀬に水輝いて夏に入る        7点

「岩」の字を入れるという題で思ったのが、
来年で消滅してしまう私のふるさと「岩瀬町」を詠もう、
ということでした。
けっこうこの句も好きです。


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竹の子

2004年05月31日 | 俳句・短歌

今月の句会のお題に「筍、竹の子」というのがあるので、
竹の子というもののことを考えた。

竹の子というと、まず私が思うことは、
実家の敷地に竹が生えていて、
春になると竹の子があっちこっちから出てきたことだ。
座敷の下からも生えてきて畳を持ち上げたこともあった。

父親が何本か残すものを決める。
それ以外は全部とって食べた。
母の竹の子料理は、
砂糖と醤油で甘辛く煮たものだけだった。

子どもの私としては、竹の子よりも皮が欲しかった。
内側の柔らかい皮を丁寧に剥いて、
その皮の“うぶ毛”を肥後の守で剃る。
周囲を鋏で整えて、
その中に梅干しを入れ三角形に折る。
それを座布団に挟んで一晩寝かした。

梅干しを入れたあたりの竹の子の皮が赤く染まる。
そこを舐めるとしょっぱい。
これが“うまかった”。
その頃、家にいるときは、
おしゃぶりのようにいつも舐めていた。
友だちとかくれんぼをしていても、
パー(めんこ)やベーゴマをしていても舐めていた。
これは私が小学生の低学年の頃の話です。

  竹の子の皮に梅干しかくれんぼ

こんな句をつくったが、「梅干し」も夏の季語だった。
季重なりになってしまった。
これは俳句ではいけないこととなっている。
別な句をつくらなくてはいけない。
ああ…、もうこんな時間だ。どうしよう。

………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

 5月の九想話

 5/1   愚痴より落語
 5/2  ロード・オブ・ザ・リング
 5/3   僧、増に悩む
 5/4  恒例水無月麻雀大会
 5/5  春の落ち込み
 5/6  5月“病”
 5/7  お天気キャスター
 5/8  十九の春
 5/9  むかしの家の柱
 5/10 ビーシュ その2
 5/11 疲れた
 5/12 汚れてしまいました
 5/13 パソコンの寿命
 5/14 ふたりの姉と私
 5/15 作業所の仕事
 5/16 女子バレー
 5/17 赤字
 5/18 へちま賞
 5/19 子離れ
 5/20 誕生日
 5/21 前の家
 5/22 かあちゃん
 5/23 友人のホームページ
 5/24 寝付き
 5/25 健康診断
 5/26 折り紙
 5/27 秩父路ドライブ
 5/28 久しぶりに切れる
 5/29 久しぶりに、だめです
 5/30 4月の句会
 5/30 コスモバルク
 5/31 竹の子





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4月の句会

2004年05月30日 | 俳句・短歌

先月の句会は久しぶりに成績がよかった。
ということで、自分の句のことを書きます。
4月の句会の題は、
「長閑」「連翹」 <名という字を入れる>でした。
私は21点で3位だった。
ちなみに1位は23点、、2位は22点です。

  妻は花吾レジ袋のどかなり      5点

この句は、ある日の女房と私のことです。
女房は園芸が好きで、家の中のいくつかの鉢で、
植物を育てている。
春になると小さな花をつけたものが、
スーパーの横の花屋さんに並んでいる。
私は、スーパーで買った
野菜や豚肉などの入ったレジ袋をぶら下げ、
女房は花屋で買った花をつけた鉢を持って家に帰る。
それだけのことを句にしました。
ただ、しみじみ考えると、こういう時間が好きです。
私はこれまで少々“波乱”にとんだ人生を生きてきた。
10何回かの転職を繰り返し、
とどめに昨年会社が閉鎖になり、
現在は福祉施設なんかで働いている。
息子たちは社会人になり、私たち夫婦は貧しいながら、
なんとか暮らしている。
そんな女房と私が花とレジ袋を持って、
4月のおだやかな駅前通りを歩いている。

  突然の連翹の黄に立ちつくす     9点

私は連翹という花を知らなかった。
このお題を見て、途方に暮れて立ちつくしました。
ネットで調べてこの花の写真を見てきれいだな、と思った。
そんなことでひねった句です。
いいかげんです。

  名を呼べば切なさつのる花の雨    7点

「名」という字を入れて句をつくるのですが、
茫漠としてまったく句が浮かばなかった。
4/1 に「花の雨」という九想話を書いた。
私は、なんとかこの季語を使いたかった。
いろいろ悪戦苦闘してこの俳句にただりついた。
しかし、この句は私としては恥ずかしい。
なんか私の句ではない感じです。


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汚れてしまいました

2004年05月12日 | 俳句・短歌

   泡盛や汚れて老ゆる人の中   石塚友二

5/13 の『増殖する俳句歳時記』でとりあげられた句だ。
こういう句が私が目指すものです。

 しかしあの頃は純真だった。純情だった。
 それが「人の中」で揉まれ、
 あくせくと過ごしているうちに、
 いつしか心ならずも「汚れて」しまった。

もうすぐ52になる。
年をとったというほどの年齢ではないが、
私もそうとう汚れてしまった。

 ひとり泣きたいような気分なのだが、
 一方では、そんな自嘲の心持ちを
 どこか楽しんでいるようにも写る。

この“心持ち”とても分かります。

 自嘲にせよ、自分の老いを言う人には、
 まだ「人の中」での色気を失ってはいない。
 心底老いた人ならば、
 もはや表現などはしなくなるだろう。

いつまでも自分の“汚れ”や“恥”を、
九想話に書いてもいいといわれたようで救われました。

(清水哲男さん、かってな改行をしてしまってすみません)


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ビーシュ その2

2004年05月10日 | 俳句・短歌

「その2」といっても、「その1」にあたる
九想話「ビーシュ」を書いたのは、
2001年1月16日3年前のことです。

発泡酒がこの世に出て、われわれ底辺労働者は助かった。
1ケース(350ml 24本入り)が、ビールより1000円は安い。
初期の発泡酒はたしかにまずかった。
それが、最近ではかなりうまい。
それにしても発泡酒という名前は味気ない。
ここであらためて「ビーシュ」という愛称を提案したい。

今日は、「麦100% 生搾り」を飲んだ。
息子たちは家で酒を飲まない。
ただ、ビーシュは飲んでいる(コレモ、サケデスネ)。
日本酒も焼酎もあるのだが…。
なので、ビーシュの減りが早い。
1ケースを酒の量販店で買ってくるのですが、
すぐなくなってしまう。
それで親父はせっせとビーシュを買ってくる。
息子たちは帰りが遅い。
なんといっても、自分が飲むものを確保するには、
私が買ってくる他はない。
私が飲むことには煙たい顔をする女房も、
息子たちが飲むのはよろこんでいる。
(これは差別だ)

でもやっぱりビールはおいしいですね。
私もできればビールを飲みたい。
ですが、収入を考えればビールは口にできません。
今日の『増殖する俳句歳時記』にこんな句があった。

  ビール麦と聞けば一入麦の秋

いい句だな。「一入(ヒトシオ)麦の秋」がいい。
「ただ残念なことに、私はビール麦の畑を見たことがない。
 見ただけで小麦と大麦との識別がつくように、
 ビール麦かどうかはすぐにわかるものなのだろうか。」
こう清水哲男さんは書いている。
分かります。百姓のせがれの私は知ってます。
うちではつくっていなかったが、近くの畑にありました。
ほかの麦よりすらっとしていて、緑の色がうすかった。


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花の雨

2004年04月01日 | 俳句・短歌

   別々に拾ふタクシー花の雨   岡田史乃

私の愛するサイト「増殖する俳句歳時記」の
4月2日に掲載されている俳句です。

この句を読んで私が感じるのは「男と女の別れ」だ。
最後の逢瀬をしたふたりが、
店(喫茶店、レストラン、居酒屋、etc)を出る。
ひょっとしたらホテルかも知れない。
別々のタクシーを拾ってそれぞれの家に帰る。
男の家には、妻や子どもがいるかもしれない。

私の発想なんてこんなものだ。
通俗的過ぎる。
清水哲男さんは書いている。
「このとき、タクシーを別々に拾うという
 日常的な散文的行為に舞い降りたような季節感は、
 はからずも作者の気持ちを
 淡い抒情性でくるむことになったのである。」
こういう文章を私も書いてみたい。

「花の雨」とは、きれいな季語だな。
今日はじめて知った。
歳時記には「桜の咲くころの雨」と書いてあった。
今、九想話を書いている私の部屋の外は「花の雨」です。
うちの場合、窓の外にはあふれんばかりの桜があるので、
まさしく「花の雨」です。


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2月の句会

2004年03月22日 | 俳句・短歌

久しぶりに、私の句のこと書きます。
2月の句会の私の成績は、21点で4位でした。
15人が参加した。
それぞれが各お題の句から3句選ぶというルールで、
全員に選句されると45点になるわけですね。
今回の優勝者は25点でした。
題は、「冴返る」、 「受験・大試験」、 「『里』の字を入れる」です。

   冴えかえる目の前の母に母はいず   2 点
特養老人ホームにいる母を訪ねたときを詠みました。
「母」の字が2つあるのが気に入らなかった。くどい。
今、つくりなおすとすると、次のようにしたいです。
   冴えかえる目の前の母吾を見ず

   秘めた恋もう少し待て受験生       7 点
「受験生」という題にはまいりました。
何のイメージもわかなかった。
この句は、しょうがなくてつくりました。

   古里の合併話春炬燵           12 点
この合併話のことは九想話「ふるさとの合併話」に書きましたので、
そちらを読んで下さい。
それにしても、この句が句会の最高点をとった。
現在話題のことですから、選びやすかったのかな。
季語は10個ぐらい候補にあげて、
それなりに悩みました。
50代に入った私と兄が炬燵に入り、
ビールを飲みながら町の合併のことを語り合った。
どうしてもこの季語になりました。
「里」の字を入れるということで苦しみました。
“古里”という字面、あまり好きではありません。
いつか九想庵の俳句に入れるときは、
「ふるさと」に変更したいです。
   ふるさとの合併話春炬燵

今月は早めに投句したい、
といつも考えているのですが、もう月末ですね。


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