pure's movie review

鑑賞した映画の感想です。

アーティスト

2012-05-23 18:01:14 | フランス映画



2011年 フランス作品 101分 ギャガ配給
原題:THE ARTIST
STAFF
監督・脚本:ミシェル・アザナヴィシウス
CAST
ジャン・デュジャルダン ベレニス・ベジョ ジョン・グッドマン ジェームズ・クロムウェル



劇場で観れてよかった。
サイレント映画を知らない20代である私が、サイレント映画を劇場で観れる機会を与えてくれてありがとう!この作品を作ってくれてありがとう!ミシェル監督!!
アカデミー賞を獲った作品って、専門的だったり文学的だったりと小難しいものが多いと思う(…のはあたしだけか!?(((((( ;゜Д゜))))))けど、これはいたってシンプル。
シンプル&サイレントなだけに演出や俳優一人ひとりの一挙一動がキーになってくるわけだけれども、どれも秀逸なんです。

大体、サイレント映画とは言っても、現代の技術があるからこそのサイレント映画。
サイレントの時代が続くと信じているジョージ(ジャン・デュジャルダン)が、トーキーのテスト版を観た後の楽屋でのシーンで、初めて物音が挿入される。
コップを置く音。愛犬の鳴き声。でも、自分の声はいくら叫んでも聞こえてこない。
世界が激変した瞬間。ジョージが世界から取り残された瞬間。こんなに上手い効果音の使い方があるだろうか。

それ以降ジョージにとって辛い日々が続くわけだけれども、いつまでたっても考えを新しいものにシフト出来ない頑固な彼を、何故か責められない。
ジョージがあまりにもチャーミングで。
彼の声を一度も聞いたことないのにそう思わせるのは、やはり俳優の演技力。
そんな彼に、一年も給料が支払われていないというのに、律儀に仕える執事(ジェームズ・クロムウェル)がまた泣かせるんだ(´_`。)
愛犬もね。

ラストがまた気の利いたものなんだけれども、それを書いてしまうのは、いくらネタバレしてるブログだと謳っていても野暮だろう。
書きたいけど。笑
とにかく、ステキでイキで、そして「斬新」な映画でした。
「サイレント映画って眠くなるんじゃ…」
そう思っていたけど、サイレント映画だからこそ感性が研ぎ澄まされ、よりストーリーが頭や心に染み渡るんだなと、新しい発見です。



↑この絵のポストカードあったら欲しい!!

【字幕翻訳:寺尾次郎】


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おとなのけんか

2012-05-23 17:05:29 | その他の国の映画



2011年 フランス/ドイツ/ポーランド作品 79分 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給
原題:CARNAGE
STAFF
監督:ロマン・ポランスキー
脚本:ロマン・ポランスキー ヤスミナ・レザ
CAST
ジョディ・フォスター ケイト・ウィンスレット クリストフ・ヴァルツ ジョン・C・ライリー


本日水曜日。レディースデイということで、後で感想書きますが、これと「アーティスト」の二本を観てきたのね。
いやぁ~、意図的ではないのだけれども、対極の二作品を選んでしまったようです。ヾ(~∇~;) 笑
片やサイレント映画で、演出に凝ったもの。
そして、これは密室でリアルタイムで進行する脚本命の作品。
どちらも面白かった~。



とにかくこの四人が上手い。
だからこそ、リアリティ満載でスリリングでエキサイティングでバカバカしい。笑
「おとなの話し合い」⇒「おとなのけんか」⇒「もはや子供以下のけんか」と発展していきます。
アラン(クリストフ・ヴァルツ)にひっきりなしにかかってくる携帯電話が引き金となり、一人、また一人と本性を露にしていき、もはや論点ずれまくり。
敵だった人が味方になり、味方だった人が敵になり、2対2だったのが1対3になったり。めまぐるしい展開が楽しくて仕方が無い。
家族という不気味ともいえる連帯感、夫婦も所詮他人だという孤独感、自分が一番カワイイと言うエゴ。
こんなに人間の本質を見せ付けられた作品も、珍しいです。
傍から見れば滑稽だけど、本性を歯止めをきかせずに露にしたら、人間誰でもああなるのではないでしょうか。

「もう終わりだ!」と、エレベーターホールまで何回か向かうのに、なんだかんだとまだ言い足りない輩が出てきて部屋に戻るのもおかしい。
帰れよ。( ̄∀ ̄;)笑
あんなに豪快に嘔吐した後、ぬるいコーラとシングルモルトはまずいだろ~。笑
映画史上、一番豪快な吐きっぷりだったと思う。豪快すぎて気持ちよかったほど。

ラストのオチまで笑えます。
子供って、そんなもんだ。笑


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