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映画・演劇のレビュー

再び『今夜はジビエ』、『陽だまりの昭和』

2025-03-31 20:54:00 | その他
この2冊を読み終えた。今回同時にこの2冊を読んでいた。エッセイと日記だから、一気に読むのはつまらないから、と。できるだけゆっくり読もうと思って少しずつ読み進めた。だけど結果的に3日で終わってしまったけど。

しかも最後の方は次の柴崎友香『遠くまで歩く』を並行して読んでいるし。だけど、そんな読み方が今回はとてもよかった。小川糸の2022年の日記は柴崎友香の2021年から未来のための小説に連動した。コロナ禍の後から始まる未来に向けたさまざまな作品は2025年春をスタートさせる僕の未来のためになる。50歳を迎える小川糸さん、50代を迎えた柴崎友香さん、そして80代に達する川本三郎さんという3人の僕が1番信頼する作家たちに導かれて、僕も65歳から始まる新しい学年をスタートさせることになった。

川本さんの取り上げたさまざまな「記憶に残るモノ」。郊外住宅から始まってハイボールまで。記憶の片隅にあるものを見つめ直すことになる43篇のエッセイの連鎖。読みながら、今では消えてしまった(消えていこうとしている)ものを愛おしむことで川本さんは今の自分を見つめ直す。彼はおびただしい映画と小説の記憶の森をさまよいながら、新しい時代をしっかり見つめている。

小川糸さんの今回の日記は2022年で、後半7月からは東京を離れて長野の山小屋での生活を始める。まるで小説みたいな展開になる。終盤に置かれた、全体のタイトルにもなっている『今夜はジビエ』が素晴らしい。こんなふうに思って生きられたらいい。食べることは生きること。それは川本さんが『陽だまりの昭和』でたどり着いた場所と同じところだ。12月31日の『遺言書』は2023=未来に向けたメッセージである。山小屋でのひとりと1匹の暮らしがそこから本格的にスタートする。僕も来年この先の2023年が描かれる本が出版されるのを待ちながら2025年4月をスタートします。




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