人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

金をくれるヤツはいいヤツだ・・・だけどリメンバー・パールハーバー

2017-11-09 06:45:00 | 時事/金融危機
 

■ 来日直前にリメンバー・パールハーバーとTwitterに書き込んだトランプ ■

トランプ大統領が来日直前にハワイの真珠湾を訪れ、アリゾナ記念館の献花した後に「リメンバー・パールハーバー」とツィートした事が報じられています。

アメリカ人にとってジャップはパールハバーに宣戦布告無く奇襲攻撃を仕掛けた「卑怯な敵」であり、戦後70年以上経っても、その印象は変わるものではありません。まして、真珠湾ほ訪れた直後では・・・。

一方、トランプ大統領の呟きが、ノーチェックで垂れ流しされているとも考え難く、「リメンバー・パールハーバー」は、高等な情報戦略の一環だと私は妄想しています。

■ シンゾーと仲良くするのは彼が金をくれるから・・・だからね!! ■

この「リメンバー・パールハーバー」の呟きは、ツンデレで言うところのツンの部分。
デレの部分は、日本でシンゾーと楽しくゴルフをしたり、親しげにして見せる部分。

トランプはアメリカで低い支持率が続いているので、彼を支持する貧しい白人を敵には回したくありません。だから、彼らが好きな「リメンバー・パールハーバー」とジャップの国を訪問する前に呟いて、「シンゾーと仲良くするのは金の為だから、本当はジャップなんて好きでも何でも無いんだからネ!!」と予めアピールして見せた。

これ、意外にもデレているのはアメリカの有権者に対してで、実は「リメンバー・パールハーバー」の方がデレだったりして面白い。

■ ゴルフ外交の極意? ■

TVではシンゾーと楽しくゴルフをラウンドした様に報じられていますが、実際にはトランプはゴルフが上手でシンゾーは下手・・・結局、1番ホールで270ヤードのナイスショットを放ったトランプと、チョロチョロとフェアウエーを右は左に移動するシンゾーは、ほとんど一緒にはラウンド出来なかったみたいです。

ただ、これは一緒にラウンドするとトランプに何を言い出されるか分からないシンゾーがあみ出した「ゴルフ外交の極意」だと私は密かに妄想しています。

■ 初めて横田基地から入国したトランプ ■

今回異例だったのはトランプ大統領が横田基地から入国した事。日本を始めて訪問したのはフォード大統領でしたが、それ以降の歴代大統領は皆、羽田空港から入国しています。横田基地から入国するのは、トランプ氏が初めてです。

実は米軍の軍人とその家族は、横田基地から日本に入国しますが、日本側の入国審査を受ける必要は有りません。これは日米地位協定で決まっているものです。何故かと言えば・・・米軍基地は日本では無くアメリカだから。最近になって「在日米軍基地が日本では無い」事が多くの人の知る所となりました。

トランプ大統領は米軍の最高司令官ですから、横田基地から入国しても問題は有りません。ただ・・・歴代大統領は「外交儀礼」として国賓として羽田空港から入国してきた。

これは「アメリカと日本が国同士のきちんとした付き合いをしているよ」というアピールみないなもので、訪問する時には、きちんと表玄関のチャイムを鳴らしてから入国するのがマナーというもの。ところが、トランプ大統領はいきなり勝手口から入って来て、チャリンコ(米軍ヘリ)でゴルフに出かけた。

北朝鮮との緊張が高まっている中で大統領の身の安全の為とか・・・或いは暗殺を防ぐ為などと都合の良い解釈がされている様ですが、実際には「羽田から入国するのはメンドウだし、横田の兵士も激励したいから横田から入国でイイんじゃねぇ~」程度の理由での横田入国だったと私は妄想してニヤニヤしています。

ビジネスマンのトランプとしては、無意味な外交儀礼に時間を割くよりは、短い滞在時間を有効に使いたかったのかも知れませ。

■ ビジネスマンとしてのアジア歴訪 ■

トランプ大統領の来日に、日本のマスコミは大騒ぎでしたが、実際の所、トランプ大統領のアジア歴訪は「ビジネストリップ」に近い印象を受けます。

日本政府はアメリカからの武器購入を約束し、韓国政府も同様に武器購入を約束しています。ビックな取引を成功させる為に、ジャップとゴルフをラウンドするぐらいヘッチャラ・・・。まあ、ビジネスマンとしてのトランプの面目躍如といった所でしょう。

「こいつはクレージーだから怒らせたら何を言い出すか分からない」・・・そんなビジネスパートナーを相手にするのですから、安倍首相の心労は推して知るべしでしょう。ビジネスマンとしてのトランプは自分のキャラを熟知していますから、それを最大限に活用して「笑顔の圧力」を掛けているハズ。

■ 「属国日本」「植民地日本」に慣れた国民 ■

私自身、「日本が未だにアメリカの統治下に有る」という暗然たる事実に大した抵抗を覚えていません。戦争に負けたのだし、アメリカの庇護の下で日本は経済発展出来たのだからWIN WINの関係だと考えています。

ただ、その関係は対等では無い。あくまでもアメリカは宗主国であり、日本の歴代政府は表立ってアメリカにNOとは言えない。いえ、それに近い事を言った首相も数多いのですが、そういった政権は短命に終わっています。

全共闘の時代までは若者を中心に「アメリカ支配からの離脱」という夢を抱いていましたが、彼らは社会主義革命によってそれを達成しようとしました。しかし、自由主義経済が共産主義より優れている事が明らかになる過程で、「革命による真の独立」という幻想を国民は抱かなくなりました。

大手メディアも日米関係のリアルをオブラートに包んで報道する様になり、いつしか国民は日本が「属国」や「植民地」である事に慣れてしまいました。(あるいはそれすら気付かなくなった)

■ 「真の独立の為の憲法改正」に拘った自民党と、「捻じれた悲願」 ■ 

自民党の結党の理念は「自主憲法を制定し、憲法9条を廃止し、自国の軍隊を持って、米軍の戦後駐留を終わらせる」というものでした。

しかし、現実的な吉田茂は、朝鮮戦争勃発時にアメリカが要求した再軍備の要求を退けまう。「日本は憲法9条が有るので軍隊を持てない」事を理由に「警察予備隊=自衛隊」でお茶を濁し、経済発展を優先します。

吉田茂→池田勇 といった自民党の宏池会は「リアリスト」で、独立の理念よりは経済発展の実を重んじて来ました。

一方、一般的には親米と思われている岸信介の安保改定は、それまでアメリカが日本を一方的に守る安保条約を、日米相互防衛というやや対等な立場に引き上げる改定だとも言えます。悪く言えば「アメリカにより協力的」となりますが、良く言えば「対等な関係に近づく」とも取れる。

安倍首相が憲法改正に拘るのも、「対等な日米関係の構築」という祖父の夢を実現する為と思われます。

しかし、皮肉な事に、その為の手段がアメリカに取り入って支持率を上げ、長期政権を実現するという手法ですから、結果的に「対等」からは程遠い日米関係になってしまいました。とうとう、大統領が横田基地から入国しても文句も言えない国になってしまった・・・。


もっとも、中国やロシアといった「異質」な国家が近くに存在する日本や韓国とって、アメリカとのパートナーシップは重要です。そのバランスの取り方に歴代政権は腐心し、官僚達は調整に余念が無い。


実はトランプ大統領の機嫌を一所懸命に取る安倍首相を見ていて・・・サラリーマンの苦労を重ねてしまい「安倍首相、ガンバレ!」と応援してしまいました。