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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

今そこにある危機・・・危機とは人々がそれを明らかに意識した時に顕在化する

2012-03-15 18:11:00 | 時事/金融危機
 

■ 今そこにある危機とは何か? ■

「危機」とは具体的に何かとのご質問を頂きました。

限定的な意味においては「金融恐慌」の発生を意味しています。


1) リーマンショック前に世界のデリバティブ商品の決済残高は60000兆円

2) 現在は40000兆円程度に圧縮されていると言われている

3) こららの中で2000兆円程度が決済不能の不良債権化していると言われる

4) リーマンショック後、欧米の金融機関は時価会計を止めてしまったので
   これらの損失は決済の時期が来るまでは、額面で計上されている

5) 決済が訪れる度に損失が発生し、それを補填する形で中央銀行が
   資金を大量に市場に流している

ここまでが民間の危機です。

■ ソブリン危機(国債危機)の破壊力は大きい ■

6) リーマンショック後、各国は国債を発行して不良債権を買い取った

7) これは民間の借金を国に付け替えたのと同義である

8) 国家の財政赤字が大幅に増大し、ヨーロッパでは国債危機(ソブリン危機)が発生

9) ギリシャなど経済力の弱い国から国債危機が表面化している

日米欧ともに国債の過剰発行により、いつかは国債価格が暴落すると言われている。
国債の発行額は膨大で、ギリシャ一国でも世界に大きな影響を与えるので、
フランスや日本、アメリカの国債危機は即ち世界経済の崩壊を意味する。

■ CDSは金融核兵器のはずだったのだが・・・? ■

さらのCDSという保険証券が、事態を複雑化しています。

10) CDSは国債や社債とセットで購入する保険商品

11) 国債の破綻など想定外だったので、ギリシャ一国であってもCDSの決済が
    発生すると、CDSを発効した大手金融機関が破綻する危険がある

12) ギリシャの国債のCDSを大量に発効したのはドイツとアメリカの金融機関

13) ギリシャにCDSの残高は一時100兆円を超えると言われたが、
    現在の残高は正味で32億ドルと報道されている

14) CDSは簿外取引が多く、32億ドル意外にも発効されている可能性がある

15) CDSを組み込んだCDOが多数作られており、CDSの破綻は
    CDOの破綻を連鎖的に生み出す可能性がある

16) CDSの取引を停止すると、債券のリスクを回避出来なくなるので、
    債券市場(国債市場)に下落圧力が生じる


以上が、表面化している「金融崩壊」のきっかけになり得る事柄です。
これらの事は公然の事実ですが、日本の新聞やニュースは半ば無視を決め込んでいます。


■ 世界は成長の限界という袋小路を打破する為に崩壊を演出する? ■

さらに、「世界の社会システムの老化」、即ち「成長の限界」が
世界的危機の引き金になる可能性も否定出来ません。

第二次世界大戦までは、「成長の限界」は戦争によって打破されてきましたが、
現在では人道的見地と核戦争の恐怖から、「世界大戦」は回避されます。

一方で、「経済システムの崩壊」は、効率としては「戦争」に敵わないものの
破壊の後に、新しい枠組みによって成長が訪れる事が期待されます。

ですから、社会の発展の為に「金融危機」が発生させられる可能性も捨て切れません。


あくまでも「金融危機」ありきの視点で世界を見ると、
世界は崖っぷちに見えるのです。

但し、一歩踏み間違えば奈落の底という事を知らなければ、
案外ギリギリで渡り切る場合もあります。

「楽天派」は少しでも明るい兆しが無いかと夢中になり、
「悲観派」は少しでも崩壊の兆しが無いかと、夜も眠れない日々を過ごしています。

常識的に考えれば、世界は既に崩壊しか選択の余地が無いのですが、
人間は時に非合理的な決断をするので、
世界が崩壊するとも、崩壊しないとも、どちらも断言できないのです。








忙しいので箇条書きで

2012-03-15 07:39:00 | 時事/金融危機
 

 
■ 3月19日、20日危機説がちらほらと・・・ ■

本日はちょっと忙しいので箇条書きで。
株価の上昇で浮かれている裏で、危機は着実に進行しています。

「オオカミ少年」と呼ばれそうですが、
3月19日、20日に何か起こりそうだとうい噂がチラホラと・・・。

3月19日のギリシャのCDS入札も気になる所ですが、
日本は3月20日は春分の日でお休みです。
何かが起きても、対応できないのが日本の弱み・・・。

■ 中東周辺だけでも問題だらけ ■

中東情勢は悪化こそすれ、好転する兆しは見えません。

1) ガザ地区のイスラエルとパレスチナの戦闘
2) アフガンでの米兵による住民16人虐殺

3) 南スーダンとスーダンの戦闘
4) リビアの内戦の不安
5) エジプトの混乱

6) バーレンでの混乱の拡大
7) イエメンの混乱

8) シリアの内戦が激化。欧米の圧力強化。
9) イランへの米英の圧力強化


アメリカの中東におけるプレゼンスの低下は決定的ですが、
利権の組み換えにあたり、「危機の上の安定」という装置が外されてゆきます。
中東はこれから大きな混乱が予想され、
それに伴って、原油価格が上昇するでしょう。

但し、世界経済は失速に向かっており、
原油の需要自体は先行き不透明です。

■ ガザ地区の戦闘は激化するのか? ■

さて、現在大注目はガザ地区での小規模な戦闘が
大きな混乱の火種になるかどうかです。

パレスチナの過激派などが本物かどうかなど
絶対に私達からは分からないのですが、
ガザ地区からロケット弾を撃ち込めば、
イスラエルが過剰に反応する事は条件反射とも言えます。

中東の安定など、壊そうと思えば、
イスラム過激派を装っていつでも壊す事が出来るのです。


■ アフガニスタンの米軍撤退は早まるかもしれない ■

一方でアフガニスタンの米軍基地でコーランが焼かれた事に対する
米、アフガニスタンの緊張は、
米軍兵士が銃を乱射して女子供を含む住人16人を殺害する事態に発展しました。

これでアフガニスタンの国民が急激は反欧米に傾けば、
米軍やNATO軍はアフガニスタンから撤退する事になり、
中央アジアは中国とロシアなど上海協力機構が管理する地域になってゆきます。

世界が考えているよりも、米国の中東アフリカ地域や
中央アジア地域からの撤退は早まるのかも知れません。

アメリカ国内で覇権維持の反動的動きが起きる危険性もありますが、
デビット・ロックフェラーは最近沈黙している様なので、
むしろ変化が加速する方向かと思われます。

シティーバンクがストレステストに不合格になった事が
フェラ組の退潮を明確に表しています。