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人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

「かみちゅ」・・・日本人で良かった

2010-01-11 16:34:00 | アニメ



■ 中学生で神様 ■

「私、神様になっちゃった。」

中学校の昼休み、
窓からは低い山並みと海が見えます。
お弁当を食べながら、
童顔の女子中学生が発した意味不明の一言。

相手のちょっと大人びた女の子は物憂げに
「何の?」と問います。
「分かんない、
 昨日の夜なったばかりだから。」
そう答える少女・・・。

現役中学生で神様。
こんな「とんでも無い」設定で、
物語は淡々と進行して行きます。

そんな2005年のTVアニメ「かみちゅ」は、
43歳の私を完全に虜にしました。

子供が見出したアニメ「デュラララ」の完成度が高いので、
製作会社のブレインズ・ベースの過去の作品を探していて、
思わぬ掘り出し物に出会いました。

■ 神様が普通の日本人 ■

尾道の町を舞台に、
神様になった女子中学生の「一ツ橋ゆりえ」と、
その親友「四条 光恵」、
神社の娘「三枝 祀(まつり)」の三人を中心に、
物語はゆったりと展開して行きます。

「ゆりえ」が神様になって変わった事と言えば、
「祀(まつり)」の神社が若干賑わった事と、
昼休の「無料神様相談室」に、
女子生徒が恋愛相談に来る程度。

神様の「ゆりえ」には神通力が備わりますが、
それを頼る事無く、
周囲の人達は、
普通に神様を受け入れて生活しています。

この事を視聴者が不自然に感じないのは、
演出の手腕もさる事ながら、
日本人には生来、
神様がいつも隣に居て、
万物の全てに神様が宿っているという感覚が
備わっているからでしょう。

この、日本人の精神の深層に訴える時点で、
「かみちゅ」の成功は約束されています。


■ 尾道の街や自然が主役 ■

神様の存在にかかわらず、
普通に町に朝が来て、夕暮れが来て、
夏が来て、冬が来ます。

かつて大林宣彦が、
「転校生」「時を駆ける少女」「さびしんぼう」の
尾道三部作で描いた世界を、
このアニメは80年代の空気感もそのままに
丹念に描き出して行きます。

ノスタルジーをくすぐって止まな尾道の景色が
物語の主人公であるとも言えます。

■ ジブリを超えて行く日本アニメ ■

スタジオジブリが切り開いた
穏やかなアニメの地平の先へ、
今、日本の若手の作家達は進みはじめています。

「かみちゅ」にしても
「千と千尋の神隠し」や「猫の恩返し」の影響は多大ですが、
既に現在のジブリが失ってしまった初々しさや
ハっとする瞬間に溢れています。

「魔女の宅急便」に似た世界観ですが、
少女の成長の物語では無く、
自然に移ろう日常の集積である所が、
むしろ現代的感覚であるとも言えます。

神としての成長よりは、
普通の中学2年の女の子としての成長を
細かな所作や会話の積み重ねで描き切ります。
この演出力は並大抵ではありません。

3人の少女がイスに座る時、
それぞれ個性が現れます。
子供の様な無防備な「ゆりえ」、
ヒザを開いて足を投げ出す「祀」、
ヒザをそろえる「光恵」。

こんな、些細な描き方一つで、
3人に2次元の世界を超えた
息吹を吹き込みます。

■ 30分を1時間にも感じさせる充実感 ■

TVアニメですから1話30分です。
ところが、30分が1時間にも
2時間にも感じます。

起承転結がしっかりしていて、
1話1話に破綻がありません。

とかく設定紹介に終始してしまう第1話も
設定紹介は「私、神様になっっちゃった」で終了。
しかし、その後にエピソードを重ねる事で、
違和感を取り除き、
さらには「魔女の宅急便」や「千と千尋」に匹敵する
世界と物語の拡張を達成してしまいます。

■ コタツの中だけの1話 ■

極めつけはコタツの中でけで完結する
正月のエピソード。

正月三が日を神社で忙しく過ごした「ゆりえ」は、
1月4日はコタツで終日ごろ寝です。
そこへ家族が去来して、
何となく話は展開してゆきますが、
結局、「ゆりえ」はコタツから出る事はありません。

しかし、コタツの中を横断して電話に出る、
新聞紙を丸めてTVのスイッチを入れるなど
「ある、ある」という仕草の連続で、
30分を飽きさせる事はありません。

この「何にも起きない」事が、
現代アニメの現代性なのでしょう。

「涼宮ハルヒ」のオリジナルエピソードや
「けいおん」において京都アニメーションも
同様に何も起きない1話にチャレンジしています。
「けいおん」などは、キャラクターからして
「かみちゅ」の影響を大きく感じます。

■ 大人の存在と不在 ■

「かみちゅ」は、きちんと大人が存在するアニメです。

浮世離れした「ゆりえ」の両親。
生活力皆無の「祀」の父親。
街の人々や学校の先生、
さらには中曽根首相風の総理大臣まで
しっかり大人が存在します。

この大人の存在が
現代のネバーランドの様な
大人不在のアニメとは一線を画す、
しっかりとした世界観を
物語に与えています。

しかし、「大人の存在」よりも印象的なのは
「大人の不在」です。

「祀」姉妹の母親は既に他界しています。
「光恵」の両親は出てきませんが、
彼女が買い物や家事を担っている事から、
母親の不在を強く感じさせます。

「居るべき大人の不在」が落とす影が、
物語にとても深い奥行きを与えています。

これは、「タイガーマスク」や「てんとう虫の歌」など、
昭和40年代のアニメに良く見られた欠落感ですが
その「欠けた」のもの存在の大きさを
単に暗示させるだけで留める
脚本と演出の節度の舌を巻くばかりです。

■ メディア芸術際 ■

一見するとロリオタアニメとも見える「かみちゅ」に、
文化庁は2005年のメディア芸術大賞の
アニメ部門の優秀賞を与えています。

お役所が与える賞にロクな賞はありませんが、
このメディア芸術大賞だけは、
毎年、素晴らしい作品をフューチャーしています。

2009年のアニメ部門は予想通り
細田守の「サマー・ウォーズ」が大賞を受賞しています。

今回調べて分かったのですが、
首が飛び、内臓が飛び散る
過激パンンク時代劇の「無限の住人」は
何と1997年(初回)の
マンガ部門の優秀賞を受賞していました。

アニメとマンガの国に相応しい賞です。
これからも、芸術的な短編から、
エンタテーメント一杯のTVアニメまで、
バランスの取れた選考を期待します。

メディア大賞の選考作品を見る度に
日本人に生まれて良かったと実感します。









新型インフルエンザの終焉

2010-01-06 09:12:00 | 危険なワクチン


 新型インフルエンザは終焉しつつある ■

上のグラフは第50週(12/7~12/13)のインフルエンザの感染者数(定点)データです。感染のピークが明らかに過ぎ去った事を示しています。この間、ワクチンが接種されたのは妊婦やハイリスク層だけなので、ワクチンに関係無くインフルエンザが終焉しつつある事が分かります。今週金曜日には第51週のデータが発表されます。患者数はさらに減少している事でしょう。

■ 無症感染者が発症者の5倍 ■

イギリスやフランスで新型インフルエンザの抗体検査をした所、発症者の5倍の無症感染者が確認されたようです。日本では14歳以下の子供達が新型インフルエンザの抗体を持って居なかった様ですが、40人のクラスで10人発症していれば、残りの30人いは発症せずに抗体を獲得した可能性が高くなります。

未だにインフルエンザを発症せずに心配されている受験生のお母様方も、新型インフルエンザがこれ程流行して発症しなかったのですから、お子様は抗体を既に獲得していると考えて、安心なさっても宜しいのでは無いかと思います。

中3と高3の受験生に対する新型インフルエンザワクチンの接種が1ヶ月前倒しで12月から実施されている様です。抗体獲得の期間を考えると賢明な選択だと思われます。副作用の発生確率と、受験当日に発症するリスクのどちらが高いかを考えれば、受験生はワクチンを接種した方がメリットがあるとも言えます。

尤も、先述した様に無症感染で既に抗体を獲得している可能性も高いので、あくまでも気休めとしての接種になるのかもしれませんが・・。

■ 季節性インフルエンザのご注意を ■

先日もこのブログに書きましたが、娘が年末に発症したのは季節性のインフルエンザだと思われます。私も元旦にジョギングをしていて激しい下痢に襲われましたので、多分娘から感染したのかもしれません。(私は風邪はだいたい下痢症状だけ現れて直ります)

娘のインフルエンザの簡易検査の結果が、非常に早く顕れ医者もビックリしていましたが、新型インフルエンザではなかなか顕著な反応が顕れません。一説には新型インフルエンザは季節性インフルエンザよりも高い温度で繁殖する為、鼻の穴から長い麺棒を突っ込んでウィルスを採取する上部咽頭でのウィイルスの増殖が少ないのかもしれません。ウィルス性肺炎が多発するなど、明らかに季節性インフルエンザと違う部位で、ウィルス増殖をしている様です。

さて、今年の季節性インフルエンザですが、国内で流行する可能性があるのはA香港型では無いかと言われています。ブリスベン株というのがA香港型の最新のトレンドの様ですが、こちらも遺伝子が変異しているらしく、感染力が強いようです。

現場も混乱し始めている様です。

http://www.asahi.com/national/update/1215/OSK200912150055.html


■ しっかり発熱してしっかり直そう ■

発症しても従来の季節性インフルと差は無いので38度以上の高熱が1日程度で、後はタミフルを飲まなくても勝手に直ってしまいます。発熱する時点で免疫反応が働いているのですから、当たり前といえば当たり前です。動物は発熱する事で、熱でウイルスを死滅させているのです。しっかり発熱出来る体力が早く直るかどうかの分かれ道とも言えます。

■ 異常行動に注意!! 高熱時に子供を一人にしてはいけない!! ■

ところで、一時期若年者のタミフルによる異常行動が問題になりました。今でも16歳以下にはタミフルを処方しない良心的な医者も多いようです。

娘は先日のインフルエンザの際に、発熱した初日だけタミフルを飲ませました。午後になって、突然布団から飛び出して来て、「お父さん、部屋がお花畑!!枕の横は崖だし、コワイ・・コワイ」と5分程訴えていました。寝ぼけたというよりは、完全に幻覚を見ている様でした。同じマンションの小学校5年生の男の子も「変なオジサンが見えた」と言って怯えたようです。

インフルエンザ発症時の異常行動の原因がタミフルにあるのか、インフルエンザ自体にあるのか判明していませんが、子供達が幻覚を見る可能性があるようなので、発症一日目の高熱がある間は、親が傍に付いて監視していた方が良いようです。娘の様子を見ていると、窓から飛び出した子供が居ても、あながち不思議には思えないものがありました。

■ 季節性インフルエンザのワクチンは品薄 ■

フランスでもドイツでも、そして日本でも新型インフルエンザのワクチンは大量に余っています。フランスのワクチン接種率は10%程度。ドイツは5%程度で両国は余ったワクチンをウクライナなどの他国に売り込むのに必死です。

一方、日本において季節性インフルエンザのワクチンは不足しています。生産量が例年の8割程度で、高齢者などハイリスクに優先的に接種されているので、受験生や一般の方まで行き渡るかどうか微妙な状況です。

血液抗体しか作れず、感染を防ぐ事の出来ない日本の不活性ワクチンがどれ程の効果を示すかはいささか疑問もありませす。

やはり受験生などは、ストレスを溜め込まないように留意して(無理でしょうが)、温かい鍋で野菜をたっぷり取って、ゲームなどせずにぐっすり寝て、免疫力をアップさせるしか無いでしょう。

■ 新型インフルエンザが季節性を押さえ込んでいる? ■

年末の報道で、「新型インフルエンザが季節性インフルエンザを押さえ込んでいる」との感染症研究所の発表がありました。

町医者のブログなど見ると、子供達が今年2度目のインフルエンザに感染し始めた様ですが、遺伝子検査に数万円掛かるので季節性と特定されずに、新型インフルエンザとして処理されている様です。

そもそも、季節性インフルエンザの流行時期はこれから本番を迎えます。厚生労働省はワクチンを大量購入した手前、季節性インフルエンザも新型インフルエンザとして処理したいのでしょうが、高齢者に感染者の多い季節性インフルエンザは新型よりも致死率が明らかに高いので(高齢者において)注意が必要です。



2010年世界はどうなるのか?

2010-01-04 16:11:00 | 時事/金融危機


■ 2010年、世界経済は回復するのか ■

2010年の世界の関心事は「出口戦略」でしょう。年末からさかんに2010年末にはアメリカの雇用が回復して出口戦略が始動するという楽観的観測がメディアをにぎあわせています。米経済の回復予測を好感して、ドルも93円と値を上げています。

ところで本当にアメリカ経済は回復しているのでしょうか?昨年アメリカの金融機関は史上最高益を計上するなど、著しい回復を見せています。しかし、これは政府とFRBと金融機関が結託した詐欺行為の結果に過ぎません。

1)政府が大量の救済資金を投入
2)FRBがほぼ無利子の資金を湯水の如く供給
3)FRBが無価値になった住宅債券(MBS)を買い上げる
4)AIGに資本注入して、CDSによる損失を補填する
5)ストレステストでレベル3の債権の時価評価を中止する
6)米銀行が米国債を買い支える

アメリカの金融機関は負債を政府に肩代わりさせて、格安に供給される資金で、底値の株や原油相場を高騰させて荒稼ぎしたわけです。ツケは政府の債務として国民に回ってきます。

しかし、本来政府が救済するべきファニーメイやフレディーマックをFRBに救済させ事で政府債務を圧縮するというトリックを使い、米国債のさらなる増発を防いでいます。

全てのストレスはFRBに掛かっています。先日も書きましたが、FRBのバランスシートは肥大化し、無価値のMBSを時価評価すれば、FRBは破綻状態だとも言えます。
日本の金融危機の際、大手邦銀が不良債権を隠して国民の非難を浴びましたが、現在のアメリカは国家ぐるみで不良債権を隠しています。

■ 借金は地道に返済するか、踏み倒すしか無い ■

日本人の価値観では借金は地道に稼いで返済するものです。日本はバブルの負債を20年掛けて返済し続けています。

では、アメリカが日本同様失われた10年を選択するでしょうか?今後10年間、アメリカの成長率は年率2%という予測がロイターにアップされていましたが、はたしてアメリカ人が低成長と高失業の10年に耐えられるでしょうか?現状のアメリカ社会は下記の理由によって、経済回復力を失っています。

1)アメリカ経済は内需中心の消費型経済である
2)農業や航空機、軍備以外に競争力のある輸出品が無く、貿易赤字が定常的である
3)消費の為の資金は、海外からの投資と、国債によって賄われれていた
4)投資はインチキ金融商品に対して行われていたが、既にこの市場は崩壊している
5)国債は日本と中国に買い支えられていたが、現在は両国とも積極的に購入はしない
6)国内産業がサービス業主体なので、純粋に富を生み出せない
7)GMなど製造業の回復が見込めず、高失業率が定常化しつつある
8)個人が借金体質で、失業=不良債権の増大 を意味する
9)商業不動産市場は崩壊過程であり、今後より多くの損失と中小銀行破綻を生む
10) 中小企業のファイナンスを引き受けていた中小銀行の破綻で中小企業が倒産する

FRBは輪転機を盛大に回してドルをジャブジャブ供給していますが、日本の失われた10年同様、ドルはキャリートレード用通貨として海外で運用され、効率的にアメリカ国内で循環していません。庶民の手元にドルが回って来ないのですから、購買力が回復するはずはありません。

■ 米中詐欺連合 ■

結局、バーナンキFRB議長がいくら出口戦略を口にしても、現在のアメリカの購買力ではインフル圧力が生じる事はありません。インフレ圧力が生じる時は、アメリカ国債の発行が限界を超えて、世界がアメリカから逃げ出す時か、中国がドルぺックを外してドルが暴落する時です。

実はアメリカと中国は詐欺連合です。

1)中国は輸出競争力を確保する為に元をドルに安くぺックしてい
2)ドルぺックの為に、中国は大量の元を「勝手にジャンジャン印刷」している
3)贋金に等しい元で、これまた贋金に等しいドルを大量に購入
4)手元に溜まったドルで資源や海外資産を買い漁る

ドルも元も経済の常識は遥かに逸脱した通貨となっています。勝手に増刷される通貨で世界は買い占められています。この事実に何故世界は目をつぶっているのでしょうか?

さらにドバイショックで政治圧力に屈した日銀の金融緩和政策は、ドルや元という偽札を円に換金する事で、日本の国内に襲い掛かってきています。池田信夫氏は、「金融緩和の経済効果が現れて、日本の資産価格が向上した」と書いていますが、資産を買い込んでいるのは低利の円を手に入れた、ファンドや投資銀行や中国企業です。これは日本の投売りに等しい行為です。その事を認識しているからこそ白川総裁は金融緩和に消極的だったのでしょう。

■ 富の流出 ■

現在の日本の選択肢は二つあります。

1)デフレをあえて受け入れ、マイナス成長の社会設計をるす
2)外資を呼び込み日本の富を切り売りして経済成長を達成する

80年代のアメリカは「切り売り」戦略を採りました。ロックフェラービルもCBSも日本企業が買占めました。しかし、バブルの崩壊で結果的に多くの資産を日本企業は手放し、資金をアメリカに貢いだだけに終わりました。


アメリカも中国も現状の贋金バブルを持続する事は不可能です。ドルがコケても、元がコケても、アメリカと中国は共倒れになります。この過程で彼らは買い占めた日本の資産が安価で日本の手元に戻って来る可能性が大です。

但し、アメリカと中国の同時崩壊は世界経済の崩壊と同義ですので、結局この手は自分で自分の首を絞める結果となります。尤も、アメリカと中国の崩壊が不可避であるならば、一過性にせよ景気回復には繋がります。

■ デフレを止めなければ財政が破綻する日本 ■

アメリカや中国は経済基盤が歪んでいるので、一度インフルに突入すれば手が付けられなくなります。ですからFRBも出口戦略を意識させてインフレを牽制します。

しかし、日本は現状デフレを長期に続けています。多少のインフレが制御不能のハイパーインフレに転じる可能性は高くはありません。むしろデフレによる経済の縮小が税収の落ち込みを招き、財政を悪化させます。

日本はバブルの後遺症が強すぎて、東京の再開発も中途半端な状態です。東京には築30年を越える木造家屋が密集して防災的にも脆弱な地域が沢山あります。現状のままではこれらの地域は、小規模な無秩序な開発しか行われず、下町の景観は結局のところ失われてしまいます。

世界の大都市の中で東京は集積率が低い都市です。ロサンゼルスも似た様な街ですが、これは自動車会社と石油会社の陰謀でしょう。集積率を低くして車とガソリンを使わせる街作りをした結果です。東京は鉄道網も発達していますし、集積率を上げて効率的な都市作りをすべき都市です。良質な賃貸物件が沢山供給されれば、通勤時間は飛躍的に短縮できます。増えた余暇は、リフレッシュや勉強の時間に充てれば労働生産性の向上の繋がりますし、消費の拡大にも繋がります。

何よりも、集中こそがエネルギー消費を著しく低下させます。地方に居住する人は都心の人の5倍以上のエネルギーを消費します。集中こそが都市の魅力であり、文化を生み出す原動力になります。

■ 新しい開発 ■

千葉や埼玉はいずれにしてもこのままいけば老人の街は確定です。昭和40年代に建てらて労築化している公団住宅の居住者はほとんど老人です。これらの地域も新しい社会を構築して行かなければ、限界集落化してゆきます。新しい東京とその周辺地域の再開発はセットで考えるべきです。東京という新しい都市生活者に魅力的な社会資本を提供する事で、東京の周辺地域も共存する事が出来ます。

かつて切りつくされたドイツのシュバルツバルトの森が再生した様に、里山や田園の風景の再生も可能でしょう。どんなに世界がグローバル化しても私達が日本人で在り続ける為には、日本の原風景が必要です。

再生された自然が偽物かというとそうではありません。富士の青木ヶ原樹海は千年前は溶岩の荒野でした。そこに自然が再生したのです。

東京では生産性を高める公共工事が必要ですが、地方や東京周辺では、あえて生産性の低い公共投資があっても良いかと思います。50年後、100年後の景観を思い描きながら、ゆっくりと進行する公共事業・・・要は野良仕事ですけど・・・ただ生活保護で生活するよりは、社会的にも有意義では・・・。


・・・あれ、随分脱線してしまいました。
2010年、世界はどうなるのでしょう?
まあ、神のみぞ知るですね。

アメリカは今も戦争をしている

2010-01-03 07:49:00 | 時事/金融危機




■ 空港での出来事 ■

NYに住む家内の友人のクリスマスメールが大変興味深い物でした。NYの寒さを避け、テキサスで感謝祭を過ごしたその友人は、NYに戻る空港で「新兵」達の集団に出会ったそうです。彼らは家族や友人らと別れを惜しんでおり。家族らは"Come back alive"と言って彼らを送り出していたそうです。その友人も目の合った新兵さんに"
Good luck!"と声を掛けたそうです。

搭乗した飛行機では、機内放送で機長が、「本日は新兵の方々が搭乗しています。皆さん彼らにエールを送って下さい。」と放送し、乗客は拍手を送ったとの事です。

映画にでもありそうなこのシーンがアメリカの日常です。アメリカはイラクで、アフガニスタンで戦争を遂行中であり、世界各地に軍隊を駐留させています。日本に居ては全く想像すら出来ませんが、アメリカは今も戦争の真っ只中であり、日本の戦中にも似た別れのシーンが各地で繰り広げられています。

■ 命を掛けて闘う理由 ■

経済が低迷する中、新兵達が軍隊に志願した理由は概ね生活の為でしょう。若者の就職が困難な状況で、軍隊は大きな雇用対策になっています。しかし、日本の自衛隊の様に殆ど命の危険とは無縁な軍隊とは違い、米軍は世界各地で若者の血を流し続けています。

アメリカ国内にも反戦論者も居ます。又、911以前はアメリカ国民は「テロとの戦い」に消極的でした。第二次世界大戦の時もそうですが、アメリカは巨大な島国ですから本土に直接危険が迫る事はありません。当然国民にとって戦争とは遠い世界の話であり、彼らの子供達が戦地で血を流す必要を感じません。

アメリカ国民が戦争に賛成する為には「命を掛けて闘う理由」が必要なのです。第二次世界大戦では真珠湾攻撃がその理由となり、テロとの戦いでは911がアメリカ人を戦争へと駆り立てました。

■ アルカイダの航空機テロ ■

911が自作自演では無いかという疑いは以前から取りざたされていますが、真相は闇の中で明らかにされる事は無いでしょう。その911もグラウンドゼロの開発がスタートし、月日が経つうちに忌まわしい記憶も薄れつつあります。(と言ってもアメリカ国民が911を忘却する事など決してありませんが・・。)

アフガンの増派が決定し、又無辜の若い命が戦場に散ろうとしている今、アメリカが必要としているのは「敵の確かな存在感」です。アフガンのタリバーンはアメリカ国民に恐怖と闘志を喚起できません。そんな折、アルカイダの若者が航空機に発火剤テロを仕掛けました。あたかもアルカイダの存在をアピールするかの如く・・・。

発火剤で自分が火傷する程度がテロと言えるのか、はだはだ疑問です。ただ、アメリカ国民にアルカイダの存在を再認識させ、彼らが今のテロの恐怖の中で生活している事を思い出させるには充分な演出です。

今回のテロが自作自演かどうかなどは、決して明らかになる事はありません。そもそもアルカイダが実在するかどうかも、実証すら難しいでしょう。しかし、アメリカは今日も戦争の当事者であり、新兵達が戦場に送られて行きます。

人力でGO・・・ジョギングで初詣

2010-01-03 01:19:00 | 自転車/マラソン

■ 明けましておめでとうございます ■

皆様、明けましておめでとうございます。
今年が皆様にとって、良い年でありますように。

さて、我が「人力でGO」も、3年目に突入しました。
不精な私がブログなぞ続くはずが無いと思っておりまいたが、これが意外と面白く、無責任な事を書きながらも継続しております。最初、自転車で出かけた場所の備忘録としてスタートしましたが、昨年は「新型インフルエンザ」ネタばかりになってしまい、全然「人力」とはかけ離れたブログと化してしまいました。

その反省を込めて、2010年、第一弾は、「人力でGO!!ジョギングで初詣」偏でスタートしたいと思います。

■ 日本の夜明けぜよ!! ■

元旦の早朝、初日の出を見に行く息子を朝5時に送り出し、ついでに私もジョギングがてら初日の出を拝みに行くことにしました。走り始めて意外に調子が良いので、ちょっと遠出しようかと思い立ち、成田山に向かう道へとコースを取りました。

昨年の元旦は娘と自転車で成田山に初詣に行きましたが、中学生になった娘は、友人と初詣に行くようで今年は付き合ってくれません。片道50Kmなら、私一人ならどうにか走って行けない距離ではありません。とりあえず行ける所まで行ってみます。

走り始めで気付きました。どうやら本日は満月の様です。八千代の運動公園付近には初日の出を見に、人々がゾロゾロと集まり出していました。満月が西の地平に沈む頃、東の空を染め上げて、2010年の朝日が昇りました。ほぼ快晴。素晴らしい初日の出です。





新春の印旛沼は風も穏やかで、日差しも暖かです。佐倉の風車のある公園でベンチに座っていたら、30分程寝てしまいました。



■ 空腹に襲われる ■

朝食を採らずに出発したので、さすがに30Kmでガス欠寸前。なるべく甘そうな缶ジュースを2本飲んでエネルギー補充。双子橋の近くのコンビにまでは後5Km。それまでは空腹を我慢して走ります。

しかし、休憩後走り初めて直後、脈拍が200を越え、何だかクラクラします・・・この症状は・・・脱水です。そういえば先程休憩でスポーツドリンクを飲んでいません。多分、冬とは言え汗でミネラルが欠乏したのでしょう。ここからはペースダウンしてコンビニを目指します。

ようやく双子橋を過ぎ、目指すコンビニは・・・あれ??ありません。つぶれてしまっています。これはショックです。熱いカップラーメンで塩分と暖を採ろうと楽しみにしていたのに・・。それにしても、最近コンビにが良く無くなります。特に私のジョギングコースの重要な給水ポイントに限って無くなります。こんな所にも不景気の影響は出ているのでしょう。仕方が無いので自販機でスポーツドリンクと甘い飲み物を補充して、次のコンビにを目指します。

■ 筑波山がくっきり ■



途中、空気が澄んでいるので筑波山がクッキリと見えました。
印旛沼の北沼に到着してほぼ40Km。ここから10Kmで成田です。待望のコンビにで栄養とミネラルを補給し、一路成田を目指します。



しかし、やはり40Kmを過ぎると足取りが重くなります。成田線の線路を渡ると、下総松崎の駅がすぐ近くに見えます。・・・ウーーン、電車に乗っちゃえという事で、一駅だけ電車に乗る事にします。

■ 出世稲荷 ■



成田山の参道は例年道りの混雑です。並んだら、境内まで2時間は掛かりそうなので、例年通り、裏の駐車場から境内に入ります。人の流れに着いて行ったら、何だか行列に遭遇しました。屋台で陶器の「お稲荷さん」と「油揚げ」を売っています。どうやら、稲荷神社の行列の様です。早速列に並び、「お稲荷さん」と「油揚げ」を500円で購入。




ところでこの稲荷神社は「出世稲荷」として有名な様で、結構込み合っています。珍しい赤い絵馬を見ながら進むと、小さな社が現れます。皆さんに習って「お稲荷さん」と「油揚げ」を供えて、新年の無事を祈ります。






■ 参堂は例年以上の混雑、でも鰻屋は・・・。 ■

私は裏口入社なので、本堂にはお参り出来ません。早々に境内を出て参堂を駅に向かいます。それにしても今年は例年以上に混雑しています。



一方、名物の川魚料理店は空いています。例年ですと店外まで行列していますが、今年は空席が目立ちます。やはり不景気の影響なのでしょう。鰻屋で外人が鰻をサバイテいたので、珍しいので写真に収めました。



汗が引いて寒いので、土産物屋めぐりもそこそこに、電車で帰路に付きます。足で走った距離をあっと言う間に津田沼到着。

さて、2010年はどんな年になるのでしょうか。今年も「人力でGo」を宜しくお願いいたします。