■ 1号機メルトダウン ■
<asahi.com より引用>
核燃料の大半溶け圧力容器に穴 1号機、冷却に影響も
東京電力は12日、東日本大震災で爆発事故を起こした福島第一原発1号機の核燃料が溶けて原子炉圧力容器の底にたまって穴が開き、水が漏れていることを明らかにした。燃料を冷やすために入れている水が圧力容器の1割以下しかたまっていなかった。溶けた燃料が格納容器に漏れ出ている可能性も否定できないとしており、今後の原子炉の冷却作業は大幅に遅れる見通しだ。
東電はこれまで、1号機の原子炉の核燃料の損傷度を55%とし、燃料を覆う被覆管が損傷して燃料の一部が溶けているが、燃料集合体としての形は維持していると説明していた。燃料が溶けて本来の形を維持していない状態と認めたのは初めて。
1号機では現在、原子炉を冷やすため、燃料の上部まで格納容器を冠水させる作業をしている。格納容器の水を外付けの冷却装置につないで循環させて冷やす予定だが、溶けた燃料が格納容器に漏れ出ているなら、超高濃度に汚染された水を循環させることになり、漏れがあれば汚染が広がる危険がある。
東電は今回、圧力容器の水位計を修理して、改めて測定したところ、値が出なかった。測定限界である原子炉底部から約4メートルの位置より下に水位があり、燃料が通常ある場所より下にあることを意味する。
圧力容器は高さ20メートルで容積360立方メートル。現在は毎時8トンのペースで、これまで1万立方メートル以上注水したが、容器の1割程度以下しかたまっていない計算だ。
東電によると、溶けた燃料が圧力容器の底に落下、その熱で制御棒を動かす棒を入れる管の溶接部などに亀裂が入り、圧力容器の底から大量の水が漏れている可能性があり、3千トンの水が行方不明になっている。
東電原子力・立地本部の松本純一本部長代理は「実際には燃料は形状を保っておらず、大半が溶けて底にたまっているとみられる。底にわずかにたまった水で燃料が冷やされていると考えられる」と説明。また、「核燃料が圧力容器の外に漏れているとは考えていないが、可能性は否定できない」とも話した。
燃料が溶け、格納容器の損傷の可能性も高いことから、東電では、注水量の変更など作業の見直しをすることにしている。
また、経済産業省原子力安全・保安院も、燃料が溶けて圧力容器の底にたまる「メルトダウン」が1号機で起きた可能性が否定できないとしている。(坪谷英紀)
<引用終わり>
■ 何だか以前描いた絵に似ているな ■
こういうのをデジャブと言うのだろうか。上の図は私が3月24日に描いた図ですが、格納容器の水位こそ違うものの、何だか似ているような・・・。
福島原発は原子力塩田となったのか?・・・矛盾するデータの意味するもの
まあ、こんな状態は始めからだいたい分かっていたので、今知りたいのは、格納容器へ早い段階での注水がされたていたのかどうかです。
圧力容器の表面温度400℃・・・空焚きという選択肢
要は、福島の1号機と3号機ははじめから水棺にされていたのでは無いかという疑問。
1号機では曲りなりにも冷却は進んでいます。あれだけの水を圧力容器に注水して、格納容器の水位はいったいどうのくらいなのでしょうか?
それとも、格納容器からは水がダダモレだったのでしょうか?
■ 福島第一は、いつも予想の斜め上を行く ■
「最悪」を予想してきた人力でGOですが、福島第一は「いつも予想の斜め上」をいきます。
3号機の「即発臨界」しかり。
今回の「圧力容器の底の穴」しかりです。
■ 漏水の主因は、圧力容器下部の配管破断 ? ■
1号機の圧力容器の漏水の原因は、「圧力容器の底部の穴」とされています。しかし、1号機の燃料棒が溶け落ちる為には、事故の初期に冷却材の喪失が発生する必要がありますし、以前の報道では事故初期に燃料棒は相当露出していたと報じています。
だからこそ、水素爆発が事故の翌日に発生したのです。
私は圧力容器の水漏れの主因は配管の破断だと思います。
上図の左が福島型原子炉の圧力容器の断面模式図です。
再循環系の配管が、圧力容器の下部に接続されている事が分かります。
地震の際に、質量の大きな圧力容器と、質量の小さな配管は、異なる揺れ方をし、そのストレスは、配管と圧力容器にジョイント部に掛かります。この部分は、それを予測して設計されているのでしょうが、多分予測を上回る力が掛かったのでしょう。
再循環系の脆弱性はは、浜岡原発でも指摘されています。
http://www.geocities.jp/ear_tn/keika/Kensyo01.html
■ 配管破断による冷却剤喪失事故は、同型炉の根本的欠陥 ■
この後に及んで、報道は歯切れが悪い様です。配管破断の可能性に触れたく無いという、暗黙の了解でもある様です。
もし私の予測が正しければ、福島原発で発生した冷却材喪失事故は、同様の構造を持つ初期型の沸騰水型の原子炉に共通するリスクです。
加圧水型原子炉の圧力容器の再循環系の配管が、燃料棒の上端よりも上に位置するのは、初期型の沸騰水型原子炉の危険性が認識されていたからに、他なりません。
さて、菅総理は初期型の沸騰水型原子炉を全て停止させるでしょうか?
私は意外と菅総理は事の重大性に気付いていると思います。