ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

ムリーリョ ‐ 駆け足ルーヴル(17)

2015年11月20日 |  ∟フランスの美術館

 来年の干支は申、そのお申さん、可愛いくもひょうきんな絵柄の賀状が郵便局や文具屋さんに並ぶ。

 ところで明後日(11/22)は、カトリック暦で年間第34週 “ 王であるキリスト ”、翌週から “ 待降節 ” である。
 キリスト者にとっては、親しい人にお祝いの ’Xmas Card を送るのもこの時季の楽しい行事のひとつ。

 そのカードの意匠、<聖母子の画家>と呼ばれる盛期ルネッサンスの巨匠ラファエロ(1483-1520)と並んで多いのが、スペインはバロック期セビーリャ派の巨匠バルトロメ・エステバン・ムリーリョ(1617-1682)。 

 主のご降誕の準備期間である待降節・アドベンドを目前に、そのムリーリョの 「聖家族」が今回の作品。

 幼子イエスに見られる愛らしく無垢で上品な表情、清楚で若々しい聖母マリアの美的表現は、ムリーリョ作品の最も素晴らしい特徴を存分に示してい、彼のカードが多く使われる理由(わけ)もお判り頂けるのでは。

 成熟期に描かれた本作で彼は、聖母と幼子イエス、聖エリザベツと息子の洗礼者聖ヨハネを、聖霊の鳩と父なる神、すなわち、<聖三位一体>として三角形の構図のなかに表現している。

 幼い洗礼者ヨハネが差し出している葦の十字架は、成長したイエスに降りかかる受難を想起していることは何度か紹介した。

 ラファエロの影響を受けたとされる本作、ヴァリアント・異同作品 「<聖三位一体 ‐ 聖家族>」(ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵)とともに優しさ溢れる聖家族を余さず表現、見る者を穏やかな心へと包む。

 また、連作 「<無原罪の御宿り>」(プラド美術館蔵/エルミタージュ美術館蔵)も、ポスト・カードなどに多く使われるが、その理由をあらためて書くこともないと思う。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1057

 ※ 「駆け足ルーヴル(16) ‐ グレコ」へは、<コチラ>からも入れます。


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