ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

グレコ ‐ 駆け足ルーヴル(16)

2015年10月20日 |  ∟フランスの美術館

 スペイン絵画となればこの人、マニエリスム期の巨匠エル・グレコ(1541-1614)。

 ギリシャのクレタ島で生まれ、ヴェネツィアやローマなどで活躍したものの、報酬などの金銭トラブルが絶えず生活に困窮。
 76年頃、スペインは<トレド>に渡り、宮廷画家を志すも国王フェリペ2世の不興を買い<挫折>。

 しかし、宗教関係者や知識人からは圧倒的な支持を得たとされ、世界三大集団肖像画のひとつとされる 「<オルガス伯爵の埋葬>」(トレド/サント・トメ教会蔵)や 「聖衣剥奪」(<トレド大聖堂蔵>と<アルテ・ピナコテーク蔵>)など多くの傑作を遺している。

 その彼の 「<キリストの磔刑と二人の寄進者>」、再登場である。

 本作は、通常、描かれる聖母や聖ヨハネを大胆にも省き、祭服を纏った聖職者と、恐らくは本作の寄進者とされる襞襟の衣服を着た信徒が、キリストを見上げながら祈りを捧げる構図を採っている。

 その意図は、祭壇に置かれた本作の聖職者と寄進者の二人が、信徒からは聖体を授ける神父と同一線上に見えるようにしたためで、それによって神父の行為が二人の代理と位置づけられるのだという。

 ところで、マニエリスムの特徴のひとつが、あの引き伸ばされた人体描写。
 写真などで見るとかなり異様に見えるが、実際に作品の前に立つとまったく気にならない? のは、やはり巨匠の実力と言うべきか。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1048

 ※ 「駆け足ルーヴル(15) ‐ カラヴァッジョ」へは、<コチラ>からも入れます。


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