ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

チマプーエ ‐ 駆け足ルーヴル(9)

2015年09月08日 |  ∟フランスの美術館

 最初の展示室、イタリア絵画に戻る。
 マニエリスムの画家にして建築家の<ジョルジョ・ヴァザーリ>(1511-1574)が1550年に上梓、当時のイタリアの優れた芸術家の生涯を著した「芸術家列伝」。

 現在も資料的価値が極めて高いとされる列伝の最初に記され、ダンテの有名な叙事詩・神曲でも「絵画の世界の覇者」と謳われるなど、イタリア絵画の創始者と評価されるチマブーエ(1240-1303/初期ゴシック)。

 そのチマブーエの基準作ともされる 「荘厳の聖母」(ウフィッツイ美術館蔵/左)の7年ほども前に描かれたとされる、画題も同じ 「荘厳の聖母 ‐ マエスタ」(中)が今回の作品。

      

 三十年ほど後の画家ジヨット・ディ・ボンドーネ(1267-1337/ゴシック)以前、13世紀イタリアにおける最大の画家とされるチマブーエが1272年頃に描いたとされる本作。
 ふたつの絵、拡大して見比べてみると、聖母子などの表情に、7年ほどだが時代の経過が見て取れる。

 そのジョット、アッシジのサン・フランチェスコ聖堂の上の教会(左)の壁に、“ 聖フランチェスコの生涯 ” を主題とする連作を描いているが、本作は、そこの聖堂に旧蔵されていたという。
 しかも、ジョットも 「<荘厳の聖母 ‐ オニサンティの聖母>」(ウフィツィ美術館蔵)を描いてい、因縁めいて面白いと言えば面白い。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1027 

 ※ 「駆け足ルーヴル(8)‐ ジェリコー」へは、<コチラ>からも入れます。


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