その蜩の塒

徒然なるままに日暮し、されど物欲は捨てられず、そのホコタテと闘う遊行日記。ある意味めんどくさいブログ。

カンブリア宮殿

2015年05月05日 | テレビ番組
 よくテレビは全く観ないと豪語してる人がいますが、それも番組によりけりです。テレ東の番組はいいですね。MCの村上龍は好きではありませんが、経営のノウハウを知る上でもこういう番組を観ないのは損だと思います。今回録画して観たのは、愛媛県今治市中寺にある越智今治農業協同組合(JAおちいまばり)の運営する直売所「さいさいきて屋」。繰り返し来てほしいとの願いを込めて付けられた店名で、今や年間120万人もが訪れるんだそうです。

 「地域活性化」なんてスローガンはどこでも掲げてますが、はっきり言って言葉最初にありきはダメです。そしてそれに輪をかけた固定観念。固定観念が進化・進歩を妨げてるのは明らかです。視点や立場を変えることで改善されますが、多くはやる前から否定されてますよね。普通道の駅なんかの直売所では、売れ残りは当の生産者が引き取ることが前提なんですが、生産者からすればそれが足枷なんです。結局自家消費したり隣近所親戚に配るしかなくなってます。

 ところが「さいさいきて屋」では、売れ残りを全て買い取るんですと。それをどうするかというと、併設のカフェや食堂の他、学校給食で消費します。刻んでしまえば、形の悪いのも分からないですからね。学校給食では、まさか子どもが食べないだろう、というような煮物などを美味しそうに食べていました。子ども=唐揚げ、ハンバーグじゃないってこどですよ。また売れ残りを加工することで地場産業も育ちますし、まさしく小さく回す経済で win-win の関係が築けてます。

 直売所が若い農家への営農指導や講習を行うなど、若い人が入ってくる仕組みも出来上がってますし、朝出勤時にトラックで島3島から農作物を集荷し、帰りには買物難民と呼ばれる高齢者宅へ宅配するシステムなど全国の市町村でも導入できるモデルといっていいでしょう。高齢者はタブレットを使って注文してましたが、これも高齢者が使えるインターフェースとは、という視点から入ってるんでしょう。

 途上国へ水を売っている日本ポリグル会長の小田さんが取り上げられた回では、BOP(3,000ドル以下の低所得層)からもしっかり金を取ることが強調されてました。ビジネスである以上は、BOPであろうが高齢者であろうが対価を払ってもらうのが長続きする秘訣です。要するにボランティアとの棲み分けってことです。QBの回では、顧客ニーズだけでなく働く人の側に立った視点も重視してるとのことでした。新出店により、通勤距離が長くなるとかシフトの問題も絡んできますからね。移動ヘアサロンの高齢者へ配慮した展開も目を見張るものがありました。
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