フランスに揺られながら DANS LE HAMAC DE FRANCE

フランス的なものから呼び覚まされることを観察するブログ

J'OBSERVE DONC JE SUIS

4月の記事

2007-04-30 11:58:39 | Weblog

2007-04-30 パングロスのパラダイム SJ GOULD -- PANGLOSSIAN PARADIGM
2007-04-29 エルンスト・マイヤー語る ERNST MAYR TALKS
2007-04-28 やさしい解説 LES EXPLICATIONS FACILES
2007-04-27 エルンスト・マイヤー ERNST MAYR
2007-04-26 心の翼 LES AILES DU COEUR
2007-04-25 未知なる地平へ VERS L'HORIZON ETERNEL
2007-04-24 仏版 「パリの朝に詠める」 MES HAÏKU ÉCRITS À PARIS
2007-04-23 旅から帰って DE RETOUR DE VOYAGE
2007-04-22 雨音に身を晒しながら AU SON DE LA PLUIE
2007-04-21 変わることで知る CHANGER ET SAVOIR
2007-04-20 修行終了、そして FINIR L'ENTRAÎNEMENT D'ASCÈTE ET PARTIR
2007-04-19 フランス語漬けの日々 INTOXIQUÉ DE LA LANGUE FRANÇAISE
2007-04-18 アンドレ・マルロー ANDRÉ MALRAUX
2007-04-17 バーブラ・ストライサンド BARBRA STREISAND "EVERGREEN"
2007-04-16 「狂い」 のすすめ N'Y A PAS DE SENS DANS LA VIE
2007-04-15 パラダイス・ナウ PARADISE NOW
2007-04-14 待つ身からの解放、そして・・・  ME LIBÉRER D'UNE TÂCHE ET ...
2007-04-13 黒いヘアバンド UN BANDEAU NOIR
2007-04-12 今日は待つ身の・・・ JE SUIS UN HOMME QUI ATTEND....
2007-04-11 気持ちの良い講義 UNE CONFERENCE AGRÉABLE ?
2007-04-10 赤い靴の男 L'HOMME AVEC DES CHAUSSURES ROUGES
2007-04-09 外との接触に溢れた一日 UNE JOURNÉE RICHE EN SIGNES DU DEHORS
2007-04-08 これからのプラン UN PLAN D'AVENIR
2007-04-07 デカルト パスカル 桜 ・・・ DESCARTES, PASCAL, LES CERISIERS
2007-04-06 長い散策の後に APRÈS UNE LONGUE PROMENADE
2007-04-05 人類の遺産へ? DANS LE PATRIMOINE DE L'HUMANITÉ
2007-04-04 何かが動き出しているのか QUELQUE CHOSE COMMENCE À BOUGER ?
2007-04-03 その日何かを感じた 2003年7月 J'AI SENTI QQCH EN JUIN 2003
2007-04-02 すべては病気から ? TOUT COMMENCE PAR LA MALADIE ?
2007-04-01 お相撲さん、ベンヤミン LE LUTTEUR DE SUMÔ ET WALTER BENJAMIN

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パングロスのパラダイム SJ GOULD -- PANGLOSSIAN PARADIGM

2007-04-30 00:41:35 | 科学、宗教+
先日読んだ 「『狂い』 のすすめ」 の中に、あれっと思う論理の展開があり、引っかかっていた。それは簡単に言ってしまうと、病気があるのは医者がいるからだ、というものである。昨日、コピーしておいたステファン・J・グールドとRC・ルウォンティンの1979年の論文に目を通す。その中で、この不思議な逆転の論理を思い出させるところがあり、一気に読み進む。

その論文は進化における適応プログラムについて論じている。その中で批判の的になっているのが、すべての形態、機能、行動などはこの最良の世界に適応するために進化したという考え方で、ヴォルテールの「カンディード」に出てくるパングロスの考えと同じところからパングロスのパラダイム "Panglossian paradigm" と名付けている。

 Voltaire (le vrai nom = François Marie Arouet; 21 novembre 1694 - 30 mai 1778)
 Candide, ou l'Optimisme (1759)
 Stephen Jay Gould (September 10, 1941 – May 20, 2002)
  The Unofficial Stephen Jay Gould Archive

カンディードの先生であったパングロスは、次のように考える。われわれは考えられる最良の世界 (le meilleur des mondes possibles) にいるので、すべては最良であるように (tout est au mieux) 創られている、その存在理由があるはずだ、と。例えば、

「われわれの鼻は眼鏡を乗せるために創られている。だから眼鏡があるのだ。脚は明らかにズボンのためにある。それでズボンをはくのだ」

という具合である。病気があるのは医者がいるためという論法と似ていないだろうか。仏教の教え、あるいは 「『狂い』 のすすめ」 でひろさちや氏が紹介していた仏教の教えは、パングロスのパラダイムに彩られていたことがわかる。

今日のお話はかなり広い領域につながる糸口になりそうである。今のところ、その扉があることに気付いたという段階に過ぎない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする