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きみがぼくを見つけた日、読了

2010-03-14 | 読書【SF】

オードリー・ニッフェネガー「きみがぼくを見つけた日」(講談社ランダムハウス文庫)を読了。

設定はタイムトラベルものなのでSFとしていいと思うのですが、

小説自体は、全くSFではない。


ストーリーは現在を基点に、過去・未来と話が織り交ぜられ、

ヘンリーとクレアの視点が入れ替わります。

この切り替えをもっと効果的に使えれば、小説としての完成度は上がったと

思えるのですが、特に驚きもなく淡々と話が進むので、

お話の展開の盛り上がりに欠けます。

結局、タイムトラベラーとしての主人公ヘンリーの苦悩というより、

その妻クレアの苦悩の物語としての側面が強過ぎるので、

SFモノというよりは、恋愛モノとして読むしかないのでしょう。

娘アルバの存在もどうも弱い。

非常に中途半端な読後感で、正直、残念でなりません。