7月です。蒸し暑いです。今週は、セミの声を早くも聞きました。さて、先月の新刊を今日まとめ買いしました。と言っても全部文庫本ですけど。
1冊目は、三田誠広『永遠の放課後』(集英社文庫)。
三田誠広と言えば『いちご同盟』(集英社文庫)が思い出されます。中学校の国語の教科書に載っていたので、知っている人も多いのではないでしょうか。ただ、この青春路線で書き続けるというのは、やはり難しく、その後は事実上の続編である『春のソナタ』(集英社文庫)があるだけでした。それが、今回文庫書き下ろしという形で、出ました。主人公、親友とその恋人の3人という設計は、変わらないものを感じさせるものの、お話としては、弱いかなと。登場人物たちの3つのリングが徐々にリンクして、時の流れを伴って主人公にのしかかりますが、はっきり言って軽いです(おそらく意識して軽くしているのだろうと思います)。うじうじ悩むシーンは少なく、テンポよく進んでいくのが、今時を意識しているのでしょうか?青春3部作で売り出すようですが、むしろ作家の書いた時の年齢を考えないと、ちゃんと読むことはできないです。
2冊目は、森絵都『ダイブ 上・下』(角川文庫)。
買うつもりはなかったのですが、誘惑に負けました。角川の文庫に入って幸せなのかどうか全く以って不明です。夏~夏~なつ~を感じるスポコン小説。でも、上・下巻にそれぞれ別の解説が付くなんて、アホのする事と思いませんか?
3冊目は、キャプテン・フューチャーの合本第10巻(創元SF文庫)。
発売延期が伸びに伸び、漸く出版されました。残るはあと一冊のみ。
米澤穂信『さよなら妖精』(創元推理文庫)は見当たらず。
梶尾真治『きみがいた時間 ぼくがいく時間』(朝日ソノラマ)は、買わず。表題書き下ろし以外、ほとんど再録。これを買えといわれても…。表紙は加藤龍勇でいいんですけどね、う~ん。
そう言えば、『恒例の夏の100冊に物申すぞ』ですが、
*新潮社は不動のラインナップ、前から言っているようにもっと入れ替えがあった方が新鮮なのでは?硬い硬すぎるよ、新潮文庫。もうあのパンダには惑わされないぞ。
*角川と集英社は、新刊ばかりで別に夏休みに読まなくても…という本が多い。タイアップなしで勝負することは別に恥ずかしくないぞ。カエルとかのキャラクターものに走った角川よ、いったんその路線に入ったらしばらくは抜け出せないぞ。集英社よ、もっと昔の作品を復活させる努力をするのだ、重版が全然かかってないぞ。
各社、特色を出したいのか出したくないのか、全く以って何がしたいのか分からないです。ライトノベルズ100冊とか、分野を絞った方が、売れるかも…。夏の100冊で括るには、どう考えても無理があるぞ、売り場のスペースも考えて下さい、ほんと邪魔です。混乱を招くだけの夏の100冊。100冊あっても欲しい本一冊もないぞ。あと、いい加減、販促用プレゼントにはもう釣られないぞ。