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センター物理09

2009-01-18 | 教材研究

まず、今年のセンター物理を解いてみました。

昨年並とありますが、典型的な問題が多く簡単になった気がします。


第1問 小問集合 7題あります。

1-1と1-2 摩擦のある場合の加速度と距離の関係。非常に典型的な問題。
 
1-3 たぶん一番難しい。抵抗は c > a > b の順に小さくなる。
   ハンドルの重い軽いはたぶん、仕事のことをいいたいので、
   ハンドルのかたさは電流量に比例する。

1-4 これも非常に典型的な問題。糸の張力Tを持ち出さなくてもmgtanθは求まる。

1-5 空気に対する水の屈折率nがひっかけ。
   といってもnをそのまま計算すれば答えがでないので、
   途中で逆数にしないと、と気付くはず。これも非常に典型的な問題。

1-6 開口端補正か。と思ったら何も関係なし。これも非常に典型的な問題。

1-7 電力[W]と電力量[J]の関係が分からなくても解ける。
   計算がめんどくさい。

第2問 “本格的?な”静電気の問題

2-1~2-3 これは間違えてはいけない解説不要の非常に典型的な問題。

2-4 悪問。電気量1Cは、電流1Aが1秒間に運ぶ電気量のこと。
   これは物理Ⅰの範囲外という気がする。(載ってない教科書もあるはず)

2-5 単なる比の問題。簡単。

第3問 音波と光

3-1 速さ=距離/時間を使って,文字で置き換えるだけの問題。

3-2 定常波の波長がもとの波の半分になることを問うだけの問題。簡単。

3-3 ドップラーの問題。
   音源が観測者に近づく場合のみがデフォルトで、
   観測者が音源に近づく場合などは“参考”ではないのか?
   という気がする問題。

3-4 θを求める問題。計算する前からたぶん30°だろうなと思ったら案の定。
   何だかな~の一問。

3-5 これも典型的な問題。選択肢そのものに出題者の迷いを感じる一問。

第4問 力のモーメント、力のつりあい、熱力学

4-1 難しいものを期待したら、バネの伸びはどちらもd !!
   力のつりあいを求めるだけの昨年と全く同じ、簡単すぎる一問目。

4-2 ばねのもつ弾性エネルギーの問題。ただ割ればいいんじゃないかな。

4-3 重心の位置~。と思ったけどP点における力のモーメントを計算して終了。

4-4 この問題と次の問題が今年一番難しいと思うが、
   この手の単振動を体験しているものには朝飯前。

4-5 浮きの質量をmと勘違いしそうではある。
   運動方程式を立てて、4-4の答を使って消去すればよい。

4-6 熱力学TAとTCの関係も見ないと答えがでない。

4-7 太字で書いてあるとおり、外部に仕事をする = 膨張するときを正とする。


大問を解く順序は4→3→2→1でよいのではないでしょうか。

典型的な問題が多く、変な創作問題が少なかった気がします。

そういう意味では日頃から勉強してきたことをしっかり発揮できれば、

80点以上は堅いのではないでしょうか。


さて、次は理科総合Bを解いてみることにします。





[データで見る③]天気図

2009-01-05 | 教材研究

久々のまじめな教材研究です。

今回は、GMTを使っての「天気図」です。


「天気図」といえば、風向・風力・気温・気圧といった観測データを

まず描くことからから始まります。

私もラジオで流れる音声を聞き取り、天気図に書き込んでいったことを覚えています。

(中学生の頃です。これで天気や気象に興味を持つ人が多いのではないでしょうか)

今は、ラジオで聞く必要はない時代なので、

インターネットから簡単に誰でもデータを得ることができます。

気象通報(気象庁

(まあ、ラジオで聞いた方が良いとは思いますが…)

さて、データは今年の1月1日の昼の12時を使用しました。

ただし、問題は観測所の正確な位置情報がどうも見当たらないのです。

理科年表や他の観測所データから国内の観測所の位置はおおよそ検討がつくのですが、

海外、ロシア・中国は地名・位置すらよくわかりません。

(この点では自分で0から描くよりも本屋さんで売っている天気図を使った方が良いです。)

調べが付いた点のみを、GMTを使って表示してみました。



実際にはもう少し、データは多いです。

でも、これでは天気図は描けません。

次に、低気圧・高気圧・等圧線の位置データを加えてみると

それらしい図ができます。



さて、あとはこの図でうまく等圧線を繋いで描けばよいのですが、

ここはsurfaceを使って適当に繋いでみます。



大体は描けていると思うのですが、微妙なところもあります。

さて、あと気温や風の情報を加えてみるともっと良い天気図になるのですが、

データの加工がめんどくさいので、今日はここまでです。


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参考までにGMTのスクリプト

ポーラステレオグラム(図法)

pscoast -R116/12/188/42r -JS140/90/15c -Ba10g2WeSn -P -K -W0.2p/0/0/0 -G128/128/128 -Di > ***.ps





センター理科総合B

2008-12-20 | 教材研究

理科総合Bの2007年と2006年も解いてみました。

う~ん、何だろうか。知識(用語)を問う問題は毎年5問程度ですね。

(ふつうにやれば知識なくとも平均70点は取れるはず…)

環境(水質調査)とサンプリングを組み合わせた問題、

葉っぱ問題や森林区分の問題は頻出。

動植物は種類とともに名前をしっかり覚えておくとよいです。

“遺伝”は制約が厳しいのか過去3カ年で2問しかない。

なので、次は出てもおかしくない。

過去3カ年をふまえて、今後でそうなものは

①地球放射と太陽放射に関する熱量や大気の鉛直構造について。

 熱のやりとりの問題がなぜでない?
 大気圏とかオゾン層がどの高さにあるとか。
 教科書にある熱の分布の図をチェック。

②断層、地震、火山、地形も少ない。

 主な場所や事例などをチェック。

③顕微鏡の問題。

 過去に出てはいるが少ない印象。
 細胞分裂も全然出てないのでチェック。 

とは言え、勉強したからといって、

必ず100点が取れるような試験ではないです。







問題は日本語力。

2008-12-13 | 教材研究

最近、高校入試やセンターの問題、数学を解いたりしていて本末転倒な感じで、

授業(実験)の準備をしなければ…といいながら、すでに年末。

来年にするかな、セッケン作り。気温がもう少し寒い方がいいので。


さて、数学ですが取りあえず4STEPがないかなと思ったのですが、

学校には見当たらないので、

本屋さんに置いてあったスタンダードの数学Ⅰ、A、Ⅱ、Bの4冊を購入。

4STEPよりはちょっと簡単で、随所にヒントありで、中々復習にはよい問題集です。

(公○式に慣れている子にはいいかもネ。)

これで少し教科書的基礎力(計算力)を付けてから、

入試問題集で入試問題的発想力を養うとよいです。

ただし、入試問題集はどれがいいかはよく分かりません。

(昔、チャート式は使っていなかったので、使い勝手は分かりません。

いっぱい問題が載ってる方がやりがいがあっていいかな、とは思いますが)


そう言えば、高校入試用で基礎力を付けるには

旺文社の「高校入試の基礎」シリーズがお薦めです。

(今年の4月に出た本らしいので、あまりまだ評価されてないようです)

理科と社会はパラパラめくって見たのですが、100p以下の薄さで

基本事項がまとめてあり、過去問まで網羅してあって、700円は安いと思います。

まとめをノートに書いたり赤シートで消したりして、

忘れていることは覚え直して知識を整理してから、

過去問や予想問題を解けば、力が付く(はず)。

(まとめのチェックは、教科書があんまりなので…、定期テストでも有効かと思います。)


まあ、高校入試もセンター試験も結局は日本語力のテストです。

問題をよく読むべし。答えやヒントはだいたい書いてあります。

所詮、試験は日本語で書いてあるので、数学も理科も社会も英語も、

読解力つまり“国語”の試験なのだ。

英語力よりもむしろ日本語力。

「言葉を操って、考えを練り、言葉を放って、相手に伝える」

それは人の話を聞く態度やマナーにも繋がると思うのですが、

どうでしょうか?







昨年のセンターを解いてみた

2008-12-11 | 教材研究

教材研究というか、昨年のセンター試験の、物理、化学、理科総合Bをやってみました。

(生物はあまり勉強していないので、今のところスルーです)

しかし、この3つの内容はひどいです。

物理は簡単。引っ掛けが少なく基本問題ばかり。でも、平均は高くない、why?。

(Z会の緑本をやった後だとすごく簡単に感じるのかも)

(まともな計算問題がない。大問4にあることはあるが答えから立てるべき式が予想できる)

化学は相変わらず重箱の隅を突っつく問題ばかり。

(教科書の隅っこに書いてあるようなことばかりで、とてもマニアック)

(問題量も無駄に多い、複数選択がない)

理科総合Bは、地理か情報のテストではないのかこれ。

(サンプリングやグラフの読み取りは練習が必要?…でもないか)

(受験生をナメテイル問題が多い)

理総Bのテスト対策、何をすれば?という感じなので、

2007年と2006年もやってみようと思います。

少しは傾向(迷走?)が見える、ような気がしないでもない。

これと理総Aと物理Ⅰなどが同じ土台で裁かれるとは、

これでは、理系の大学でついていけるわけがないではないか…。






[データで見る]②DNA

2008-09-06 | 教材研究


生物分野に全く疎いのですが、DNAは教えられるはずと

意気込んでやってみたのですが、あんまり黒板にうまく描けず。

仕方ないので、DNAの良い図はないかと探していたのですが、

意外にこれがないのです。

なので、自分で描けないかなと思って調べてみると、

分子表示ソフトSwiss-Pdb Viewerというフリーソフトが良さそうなので

これを使って描いてみました。


やりたいのはDNAの2重らせん構造を立体視するため、ステレオ画像を作ること。


サンプルのDNAのpdbファイル自体は、簡単にダウンロードできます。

例えばココ

(pdbは protein data bank の略でいいんでしょうか)

とにかく素人理解では、タンパク質のデータセット、ということでいいんでしょうか。

あとは、ソフトの解説ページを見ながら、3D表示やステレオ表示に変更して完成。

ただし、描いた画像を保存する機能がないのか、プリントスクリーンしかできないというのが、

ちょっと悲しい。

あんまり使い勝手の良いソフトではないです。

(例えば、背景の色が設定しても変わらないのはなぜ?)

ただ、絵自体はグルグル回すことができるので、見せる分には良いソフトだと思います。


(スイマセン、今回は絵なしです。見ててもあんまりおもしろくなかったので…)


次回は、化学構造の予定。



[データで見る]①ジオイド

2008-08-24 | 教材研究


地球物理データなどを使って、色々試しみようと勝手に始まったシリーズ。

初回はなぜか「ジオイド」です。

国土地理院のジオイドデータを元に描いたのが下の図です。



これだけではあんまりよく分からないので、地形図もついでに示すと



ピンク色の部分が東北日本から中部にかけての山脈(蒼い部分)にだいたい対応しています。

日本のジオイド面は、最大で45m程度です。



ジオイドは案外説明に困るのですが、

地表の±~8000mのデコボコを均したものという認識でよいのではないでしょうか。

教科書的な定義は、

海は平均海水面、陸は平均海水面を水路を作るように海から延長させてできる面。

GPS衛星が測った回転楕円体からの高さHと水準測量で測った標高hとの差が、

ジオイド面の高さ H - h [m]に相当する。

です。

(後者に関しては、測量士補試験にも関係しますが、GPS衛星から標高を求めるには、

その場所でのジオイドの高さが分からないといけません。)


海は平均海水面という説明で納得できるのですが、陸に関して

「陸域は平均海水面を水路を作るように海から延長させる」という説明が

教科書に載っているわけですが、これだけを何回読んでいても

さっぱり意味が分かりません。

山を輪切りにしたジオイドの説明の図を見て、

ジオイド面を水面と考えるなら、なぜ陸上でこんなにデコボコするのか?

と思いませんか。


これは、巨大な質量をもつ山体の引力によって、

ジオイド面が上に引っ張られるからなのです。

平均海水面を基準としているのですが、これが曲がります。

でも、山体は楕円体の面の上や下にも質量を持っているはずだから、

この両者の影響を本当はもっと考えないといけませんよね?

(そこでフリーエア補正とブーゲー補正が出て来るのですが、今回は割愛)



ところで世界のジオイド(元データWGS-84)を見ると、結構不均質です。



例えば、インド洋のジオイド高は負です。

こっちはちょっと立体的に描いた図


ジオイド面は平均海水面と一致するはずだから、海水面は全部0mだろ、

というつっこみが入ると思いますが、

あくまで回転楕円体からの高さなので、海水面はデコボコしていてよい(らしい)。

この辺の説明がイマイチではありますが、

結局、海底下の質量(引力)の影響だそうです。

海底下が標準よりやせていれば青く凹み、

標準より太っていれば赤く膨らむいうことです。

うーん、何だか想像しにくい。

(最後の図、地磁気の分布図に見えなくもないかも…)

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ここまで、高校の教科書や参考書、WEBで調べたことをまとめてみました。

分かりやすくと思ったのですが、あんまり分かりやすくないか。

真面目に記事を書くとかなり時間と労力がかかるのですね。

あとは、調べていていくつも疑問が出てきたので、

専門書や実際の論文などに当たる必要があるのですが、

この辺でダウン。

本当は、重力異常もやりたかったけど、それはまた次の機会ということで。




[3D地形]②GMT

2008-06-18 | 教材研究


前回はgnuplotで3D表示してみましたが、
今回はGMTを使いました。

GMTで3D表示するには2つ方法があります。
上がその1 grdview、下がその2 psxyzです。



データセットは同じハワイ周辺のデータを使っています。
下の棒グラフが実際のxyzデータです。
(元はetopo2のグリッドデータです)

これをxyz2grdでまたグリッドデータに戻し、
grdviewで3D表示したのが上の図です。
角度や色合いは若干違います。
postscriptファイルをphotoshopで処理するか、illustratorで処理するかで
RGBとCMYKの違いが出てしまっています。

さて、ここで問題はgnuplotに比べて、データの補間が少ないということでしょう。
xyz2grdのオプション-Iは、元のデータセットで決まってしまいます。
blockmeanやsurfaceなどのコマンドを使って、
もう少しきれいした方がよいのです。

もうひとつ、psxyzですが、これ棒グラフの色に対してオプション-Gしか効かず、
-Cのオプションが効きません。
たしかGMTver4.0以降、こんな仕様になってしまったという記憶があります。
ver3.0の頃は、もう少しカラフルな棒グラフが描けていたはずなのです。

で、実際にやってみたのが下の図。



GMTver3.4で描きました。
まあ、ビミョーなとこです。
excelの方が簡単かな?


模型化に向けて、ストローを1本切ってみましたが、
これを数百本も切るのはどう考えても無理。
具体的にどうすればいいかは、今のところ何もアイデアは浮かばず、う~ん。




[3D地形]①gnuplot

2008-06-09 | 教材研究


むかし、GMTの記事を書いていたのですが、あんまり大した情報ではなかったなので、
現在は非公開。

今回は、ちょっとした演習に使えないものかと地形データを加工していました。
それで、久々にGMTとgnuplotにまともに触ったので、メモ程度に書きます。



何をやっていたかというと、上の図です。
これがどこだか分かるヒトはすごいです。
って、ハワイですが。
10000mの落差が見えるでしょうか?
ホットスポットといえども、3Dで書けば立派な山なのです。


地形データはETOPO2のグリッドデータです。
データの加工はcygwin上のGMTで行い、図化はgnuplotの3D表示です。

作業工程は

①etopo2のグリッドデータをgrd2xyzコマンドでxyzデータに変換。
②blockmeanコマンドでデータを荒めに平均化。
③gnuplotとpm3dで図化。


③の時に、時間がかかるので、②でだいぶデータを間引きます。
間引かないと、たぶんこのPCでは図化できません。
ただ、3Dで書くのであれば、GMTでもできるのですが、
マウスでくるくる回したり、角度を変えたりできるので、gnuplotの方が便利です。

配色に関しては、GMTもgnuplotもめんどくさいことには変わりなく、
海岸線付近の微妙な変化が見えずらいです。
そのため、境界付近は白にしてごまかしています。


参考までにgnuplotのスクリプトを
----------------------------------------------------------------
set pm3d
set dgrid3d 50,50
set hidden3d
unset key
set view 30,40
set terminal postscript enhanced color landscape
set output "hwi.gnu.ps"
set palette defined (-6000 "blue" , -100 "white" , 3500 "green")
splot "hwi.20min.xyz" u 1:2:3 w l
----------------------------------------------------------------
loadして使ってください。


で、これは本当にやりたいことの前段階でしかないのです。
これを元に、立体模型を作りたいのですが、
粘土か、ストローを使って、縦方向の落差を表現したいのです。
そのためにデータを500mで区切るか、200mで区切るか、
あるいは、全データをスケールに合わせて切るか、
頭を悩ましているところです。
時間を考えると、500mにして高さを20種類ほどで区切って
スケールに合わして切ったストローを1本ずつ立てていくと
それなりのものができそうですが、
作業量が多いし、材料費もかかりそうで、
う~、実際に手を動かすまでにはいかないです。




やっぱりチャート式が一番わかりやすい

2007-05-24 | 教材研究
 今日は、物理Ⅰのチャート式を購入。これだけ図と解説が簡潔にまとめられていて、例題も付いているとかなりよい参考書になります。値段は1500円と、かなり高いですけど。あと、「実験でわかる物理学」(誠文堂新光社)という本も購入。他に化学・生物・地学もあり、中学理科での実験に焦点を当てて、実際に指導した場合のポイントまでも網羅してあります。これが、中学校の参考書コーナーにあるのもどうかと思うのですが、いい参考になりそうです。

 あと、バーネット「秘密の花園」(光文社古典新訳文庫)も購入。今日一日で、4000円が飛んでいきました。