幸福学専門30年 筬島正夫が語る本当の幸せ


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明暗 夏目漱石

2007-08-13 | 無常





『明暗』

夏目漱石が最後に書いた、未完の大作です☆

  夏目漱石(1867~1916)の長編小説。
  大正5年(1916)5月26日から12月14日まで、
  東京・大阪の『朝日新聞』に連載されたが、
  作者の死により未完。翌年1月、岩波書店刊。

  自惚と嫉妬の虚飾に満ちた津田と
  その妻お延(のぶ)とのエゴイスチックな現実生活を
  精密な心理解剖を通して描いた力作。



最初の方に、以下のような文章が書かれてあります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「この肉体は何時どんな変に会わないとも限らない。

 それどころか、今現にどんな変がこの肉体のうちに

 起こりつつあるかも知れない。

 そうして自分は全く知らずにいる。

 恐ろしい事だ」

ここまで働いて来た彼の頭はそこで留まる事が出来なかった。

どっと後ろから突き落とすような勢いで、彼を前の方に

押しやった。

突然、彼は心のうちで叫んだ。

「精神界も同じ事だ。精神界も全く同じ事だ。

 何時どう変わるか分からない。
 
 そうしてその変わるところを己は見たのだ」
 
彼は思わず唇を固く結んで、あたかも自尊心を傷つけられた

人のような眼を彼の周囲に向けた。

けれども彼の心のうちに何事が起こりつつあるかをまるで

知らない車中の乗客は、彼の眼遣いに対して少しの注意も

払わなかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「諸行無常」

肉体も心も、いつどう変わるかわからない不安定な存在。

しかし、その本質に気づく人は少ない。

気づいた人があっても、その回りは、何事もないように、

営まれていきます。

主人公、津田は、病の苦と、女性の心変わりから、

上のような心持ちになったのでしょうが、

こういった変化はまだ分かりやすい例であり、

実際は、もっと分かりにくい形で、変化がおきているし、

当然表面化する。

それは、例外的ではなく、全ての人に起こることを

知っておかねばならないでしょう。

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